27年に及ぶ長寿番組「カーグラフィックTV」(BS朝日)の放送1300回と、番組司会を務める音楽プロデューサーでモータージャーナリストの松任谷正隆さんの還暦を記念してスペシャル企画が放送されることが5日、明らかになった。
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同番組は、62年4月創刊で本格的自動車雑誌として50年近い歴史を誇る「CG(カーグラフィック)」の世界を映像で表現する番組として、84年10月からテレビ朝日で放送を開始。わずかな中断期間はあったものの、9日の放送で1300回目を迎える。松任谷さんは86年10月から現在まで同番組の司会を担当しており、19日に60歳の還暦を迎える。
出演が決まった当時について、松任谷さんは「初めて音楽のレコーディングをしたときより大変だと思いましたよ、ほんとに。ある意味、ピアニストだったら(アルトゥール)ルービンシュタインとか、(ヴィルヘルム)バックハウスとかに会うくらい、小林(彰太郎)さんに会うというのは大変なことだったんです」と「カーグラフィック」初代編集長の小林さんについて語り、顔合わせでは「頭からバケツで水をかけたみたいに汗をかき、紅茶がのどを通らなかった」と振り返った。
1回目の収録では、妻で歌手の松任谷由実さんに「(収録に)ついて来てもらった」と、松任谷さんはその緊張ぶりを明かした。「音楽のときは熟睡しますから(笑い)考えられないですね。終わったら疲れ果てて、どうやって運転して帰ったかも覚えていない」と話し、「音楽がひとつの目であるとすると、車はもうひとつの目だったのかもしれません。その両方があったから、自分自身に対してもバランスが取れたと思うし、世の中の『今流れている空気』みたいなものを感じ取ることができていた。美意識のものさし作りに、車はなくてはならないものだったのかもしれませんね」と、自身の中で車の存在が大きいことを実感している様子だった。
スペシャル企画では、松任谷さんがこれまで60年の人生で印象に残っている車の数々を紹介。60年代の名車トヨタ・カローラや、スーパーカーブームを席巻したポルシェ911など、かつて所有した車から、松任谷さん憧れのメルセデスベンツ300SELやフィアット500ツインエアーまで、往年の名車が勢ぞろいし、松任谷さんが試乗を楽しむ。また、サプライズゲストとして、小林さんも登場し、思い深いトークも披露するという。1300回目は9日午後11時からBS朝日で放送される。(毎日新聞デジタル)
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