めざましテレビ:“マンネリ”の危機感から番組一新へ  プロデューサーに聞くリニューアルの理由

インタビューに応じた「めざましテレビ」の角谷公英チーフプロデューサー
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インタビューに応じた「めざましテレビ」の角谷公英チーフプロデューサー

 フジテレビの朝の情報番組「めざましテレビ」が2日リニューアルした。メーンキャスターに同局の三宅正治アナウンサーを起用し、新デザインのセットや新しいシンボルの採用など番組のイメージを刷新。また、スマートフォンアプリ「めざましアプリ」と連動した番組作りなど、今までにない新たな試みにもチャレンジしている。19年目を迎え、生まれ変わった「めざましテレビ」について、番組を手掛ける角谷公英チーフプロデューサーに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 同番組は、94年4月にスタートした情報番組で、元NHKアナウンサーの大塚範一さんと、過去には、八木亜希子さんや高島彩さんなど、フジテレビの看板女性アナウンサーを司会に、ニュースだけではなく、芸能やファッションなど幅広い情報を紹介。ペットを紹介する「きょうのわんこ」などの独自コーナーも人気を博している。3月末に、大塚キャスターが病気療養のため、番組を卒業し、“新生”「めざましテレビ」では、大塚さん後任の三宅アナ、そして、生野陽子アナ、加藤綾子アナの3人が新しい朝の顔に“就任”した。

 以前の「めざましテレビ」について、「情報の鮮度が薄れてきたなということと、同じことの繰り返しが増えてきたなというのがありました。いわゆるマンネリ化です」と話す角谷プロデューサーは、「次の10年を迎えるにあたって、この形だと続かないだろうなと。作り変えなきゃなというのと、番組を進化させなきゃという思いがありました」と今回のリニューアルの経緯を説明。「これだけ大々的なリニューアルは初めて。出演者やセット、内容が変わって、一回番組を閉じる勢いで、第2の番組のスタートって感じです」と意気込みを見せた。

 “新生”「めざましテレビ」のメーンキャスターを託されたのは、深夜のスポーツ番組「すぽると!」でキャスターを務めていた三宅アナだ。角谷プロデューサーは、三宅アナ起用の理由について「一番はトークがうまいこと。弁舌もさわやかで、タレントの扱いもうまいんですが、夜のスポーツの“顔”である彼を“逆転”させて、(番組に)インパクトを与えたかった」とコメント。番組を通じ「万人に受け入れられるナイスガイであってほしい」と期待する。また、「『めざましテレビ』は全世代に受け入れられなければだめだと思う。受け入れられるというよりもみんなに愛されるというのかな。若い子向けの企画だけじゃなく、骨太のニュースもやらないと信頼感が生まれない。軽さの中に重さがあるというか、両方兼ね備えた信用される番組を引き続き目指していく」とプロデューサーとしての決意を語った。

 今回のリニューアルでは、「めざましアプリ」の登場も大きいと話す角谷プロデューサー。「めざましアプリ」とは、同局の無料のつぶやきサイト「イマつぶ」と連携し、番組で募集しているテーマや意見に対してつぶやくことができるスマートフォン向けの番組公式アプリ。そのつぶやきが番組内でリアルタイムで紹介されるなど、番組と視聴者がより一層つながっていくことを目的に開発された。アプリはiPhone版、アンドロイド版を用意。公開中で、ダウンロードは無料となっている。

 角谷プロデューサーは、アプリ開発の原点を「今までは僕らが伝える一方で、一方的に自分らが正しいと思って情報を発信してきて、(視聴者の)リアクションを見てなかったけど、そうではないだろうと常々思っていました。僕らが思っている以上に視聴者がいいネタ、意見を持っていて、それが僕らにフィードバックされる。例えば、あるニュースに対し、意見をもらう。もらったことで、僕らもまた新しいネタを作るということ。これだけのネット社会で、その辺に情報が転がっているわけで、番組を視聴者と一緒に作っていくような仕組みを作りたかった」と語る。

 「最初はつぶやきを紹介するという感じですけど、一番大きいのは、災害時。例えば、あっちで道路が壊れたという情報が、たぶん僕らのカメラより早い。スタート時は規模が小さいけど、これがたぶん次の情報番組(の仕組み)になると思うし、どこの局にも負けない報道もできると思う」と力を込め、心配されるのは投稿情報の信ぴょう性についても、NGワードの設定したフィルタリングやオンエア前のチェック体制の強化などで対応するという。「実際に、『めざつぶ』(アプリ内のつぶやきのこと)の意見は、僕らの会議にそのまま来るようになってます。そのつぶやきをもとに、あすのネタを考えるということもできるわけです」と語る。

 さらにアプリには将来的にキーワードを設定するだけで、そのキーワードに関するニュースが流れる前に端末のアラームを鳴して、見逃しを防ぐという使い方も考えているという。「例えば、『嵐』とか『少女時代』とか、好きなキーワードを登録しておくと、今日『めざましテレビ』で特集などをやるよとアラームで教えてくれる。ファンってその一瞬が見たいんですよ、他のグループとか興味なくて。今日『嵐』が出るところだけ見たいっていうことが多いから、その5分ぐらいに前に目覚まし時計がかかって起こされるってサービスを検討してます(笑い)」と興味深いアイデアを明かした。実現に向け、鋭意開発中という。

 新キャスターや新たな試みなど、話題満載でこの春から新しいステージへと進む「めざましテレビ」。角谷プロデューサーは「みんなが見たことがないものを見せてあげたいという思いがあります。(番組の)ビジュアル面も変わりましたし、新しいテーマソングもとてもいい。朝から堅苦しくなく、楽しんでいただければ」と番組をアピールした。「めざましテレビ」は毎週月~金曜の午前5時25分~8時放送。

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