売り込め!ご当地キャラ:北海道・テレビ父さん 住みます芸人「しろっぷ」が推薦

北海道のご当地キャラ「テレビ父さん」をアピールするしろっぷ
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北海道のご当地キャラ「テレビ父さん」をアピールするしろっぷ

 47都道府県に住み、地元に密着した活動をしている吉本興業の「住みます芸人」が、有名・無名を問わず“各地でいい味を出している”ご当地キャラを推薦、その魅力を存分に伝えるコラム「売り込め!ご当地キャラ」。第16回は、北海道に住むお笑いコンビ「しろっぷ」が、人気も知名度も抜群なのに、なぜか非公式のご当地キャラ「テレビ父さん」の魅力をPRします。(毎週日曜更新)

ウナギノボリ

 全国各地に人気ご当地キャラクターがひしめく中、今ご当地キャラクター界では静かな「非公式」ブームが巻き起こっています。今回はそんなブームのはるか11年も前、2002年にさっぽろテレビ塔に突如現れた、非公式ご当地キャラクターの草分け的存在「テレビ父さん」を、僕ら北海道住みます芸人のしろっぷがご紹介します。

 さっぽろテレビ塔といえば、札幌の中心部に位置し、展望台からはさっぽろ雪まつりなどで有名な大通公園も一望できることから、市民はもちろん、国内外からの観光客にも札幌のシンボルとして親しまれています。そんなさっぽろテレビ塔の非公式キャラクター「テレビ父さん」は、1957年8月24日生まれの現在56歳、ラーメンとビール、日本ハムファイターズをこよなく愛す、まさに「THE 札幌のお父さん」って感じです。ただ、一般的なお父さんとちょっとだけ違うのは、身長が147.2メートルとやや長身であること、体重が1000トン以上と比較的重いということ、全身が真っ赤で、足が4本あるってことぐらいでしょうか。

 そんなテレビ父さんがデビューしたのは02年、45歳の頃。当時はTシャツのキャラクターとしてのお仕事しかなかったそうです。しかしそののんびりした性格とおっとりした風貌が口コミで広がると瞬く間に札幌の人気者となり、今ではストラップやTシャツをはじめ、靴下やインスタントコーヒーなど100種類以上ものグッズが発売され、テレビやイベントにもひっぱりだこ、ついには札幌市中央区の区長から特別住民票が発行されるほど札幌市民に愛される存在になったんです。

 でも、それだけの人気と知名度があるのに、なぜいまだに「非公式」のままなのでしょう? 実は、テレビ父さんがデビューするわずか2カ月前、さっぽろテレビ塔のリニューアルを記念して、公式キャラクターが誕生していたんです! そのキャラクターの名前は「タワッキー」。赤いフォルムに大きな目、見た目はどことなくテレビ父さんに似ていますが、当時お客さんからの人気も出ず、後輩のテレビ父さんにあっさりと人気を持っていかれてしまったという悲劇のキャラクターです。

 札幌に30年暮らしている僕らしろっぷをはじめ、札幌市民にも全くといっていいほどその存在を知られていないタワッキー。今ではさっぽろテレビ塔のスタッフルームの奥でひっそりとたたずみ、ほとんどお客さんの目には触れることがない幻の公式キャラクターとなってしまっていますが、本人はまだまだ諦めていないようで、テレビ父さんにライバル心を燃やし、虎視眈々(たんたん)と人気者の座を狙っているらしいです。

 そんな公式キャラクターのタワッキーをしのぐ人気と知名度を誇る、非公式キャラクター・テレビ父さんですが、この先も公式キャラクターになるという野望は一切ないそうです。これからの目標もズバリ「現状維持」。ただひとつの願いは、観光の方だけでなく地元札幌の人たちに、もっとさっぽろテレビ塔に遊びに来てほしいとのこと。本当に見た目通り、のんびりでおっとりしてますよね。でもきっとその性格こそが、テレビ父さんの一番の魅力であり、たくさんの人々から愛される理由なんだろうなと思いました。さっぽろテレビ塔の“非公式”キャラクター・テレビ父さんから「のんびり×おっとり=愛される」という“公式”を学んだしろっぷでした……。

 ◇しろっぷのプロフィル

 じゅんぺい(札幌市出身)とひろし(同)のコンビで2009年04月にデビュー。北海道の住みます芸人として12年3月から活動している。毎日午後10時からYNN(よしもとネタネットワーク)「北海道チャンネル2」(http://www.ynn47.jp/hokkaido2/)をユーストリームで生配信中。

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