特撮ドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」やドラマ「GTO」シリーズなどの山田裕貴さんが主演を務める映画「闇金ドッグス」(土屋哲彦監督)が8月1日に公開される。ヤクザの世界から抜け出し、闇金の世界に入って成り上がることを目指す若い男がさまざまな事態に巻き込まれていく姿を描く。映画「ガチバン」シリーズに登場したキャラクターの安藤忠臣(山田さん)を主人公に、高岡奏輔さん、冨手麻妙さん、津田寛治さん、青木玄徳さんらが脇を固め、緊迫感あふれる物語で闇の世界に鋭く切り込んでいる。
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若くして組長になった安藤忠臣(山田さん)は、関西ヤクザに狙われた手下のため足を洗う。その途端、闇金業者の小中高志(高岡さん)から追い込みをかけられるも、忠臣は小中から債券回収のすべを学び、自分も闇金で稼ぐことを思い立つ。地下アイドル「けろリズム」の姫野えりな(冨手さん)を熱狂的に愛するニートの日向良夫(古澤裕介さん)が客になるが、借金回収に苦戦してしまう。一方、悪徳事務所社長(津田さん)の手口でイベントやCD発売ごとに高額な金銭を要求されていたえりなも闇金に手を出していて……というストーリー。
主役の安藤忠臣を演じる山田さんの悪役ぶりが気持ちよく、ドラマや大型予算の映画などでは表現しきれない闇社会を描くことに真っ向から挑んだストーリーと合わせて圧倒される。人間のさまざまな欲望がうごめき、とくに金にまつわるエピソードには誰にでも起きるかもしれないトラブルがちりばめられ、リアルな恐怖を感じる。思わず目を背けてしまいたくなるような荒々しいシーンもあるなど、一度足を踏み入れてしまうと抜け出すことができない闇の世界の恐ろしさを体感させてくれる。悪徳事務所の社長を演じる津田さんや、安藤に債券の回収術を教える小中を演じる高岡さん、闇金に手を出す地下アイドルを演じる元AKB48研究生の冨手麻妙さんらが迫真の演技で“どうしようもない人間”たちを表現し、生々しい世界観を醸し出している。悪でありながらも逆境に負けず、真っすぐな瞳で困難に立ち向かっていく山田さんのダークヒーローぶりには痛快な気持ちにさせられた。新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほか全国で順次公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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