キャスターの古舘伊知郎さんが31日、テレビ朝日系の報道番組「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)のキャスター最終日を迎えた。古舘さんは報道番組ならではの言い回しや表現が「窮屈になってきました」としたうえで「自分なりのしゃべりや言葉で皆さんを楽しませたいという思いが強くなった」と語り、「何らかの圧力がかかってやめさせられるということでは一切ございません」と“圧力”を否定。「浪花節だよ人生は」の一節「人の情けにつかまりながら、折れた情けの枝で死ぬ」を引用し、「死んでまた再生します。ありがとうございました」と12年を締めくくった。
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赤い糸でさまざまなものを表現する番組のオープニングアニメも、今回は最後に古舘さんをかたどる特別版。「東京の夜を桜が染めています」という第一声で番組をスタートした古舘さんは、通常通り番組を進行した。
また、スポーツコーナーでは、プロ野球ヤクルトのマスコットキャラクター「つば九郎」が古舘さんに「ふるたちさん12ねんかんおつかれさまでした。きょうのかちぼしはふるたちさんにぷれぜんとだ。ぜったいにかつぞ!」と阪神戦にかけたメッセージを送ったが、当の古舘さんは「あまり存じ上げないんですけど……」とあっさりしたコメント。なお試合は6対6で引き分けた。
また、天気予報を担当するテレビ朝日の林美沙希アナウンサー、スポーツを担当する青山愛アナウンサーも番組を卒業した。
報道ステーションは、久米宏さんがキャスターを務めた「ニュースステーション」の後継として、2004年4月にスタート。12年間で放送3000回を超え、視聴率も平均13%を超える人気番組。昨年12月に古舘さんが会見し、「不自由な12年間だった」と降板を発表。政権からの圧力があったとの憶測も飛んだが、テレビ朝日の早河洋会長は29日の定例会見で、「古舘さんサイドから卒業させていただけませんかと。もう少しどうでしょうとやり取りして、(2015年)年末の会見になった」と経緯を説明し、「政権からの圧力とか、まったく関係ない。出演の終了ということに尽きる」と否定した。
11日からは、テレビ朝日の富川悠太アナウンサーがメインキャスターを務める。
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