沢村一樹:「想像を超えたもの」との出合いに興奮 “55歳でピーク”目指す 

「連続ドラマW 希望ヶ丘の人びと」で主演を務める沢村一樹さん
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「連続ドラマW 希望ヶ丘の人びと」で主演を務める沢村一樹さん

 俳優の沢村一樹さんが主演を務めるWOWOWのオリジナルドラマ「連続ドラマW 希望ヶ丘の人びと」が16日から放送される。突然妻を失った夫が、子供らと亡き妻の故郷で新しい生活を築いていく姿を描いたドラマで、沢村さんは妻を失って空回りしながらも子供のために奮闘する田島徹役を演じている。沢村さんに撮影エピソードや俳優としての今後などについて聞いた。

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 ◇深川演出に刺激 「手応え感じてる」

 ドラマは、重松清さんの小説「希望ヶ丘の人びと」が原作。妻・圭子(和久井映見さん)を末期がんで亡くした田島徹(沢村さん)は、美嘉(桜田ひよりさん)や亮太(二宮慶多君)ら家族とともにこれまでと変わらない日常を過ごそうと無理をして笑顔を作っていた。だが、「忘れようとしたって、無理なんだ」と気づき、圭子が育った町・希望ヶ丘で新生活を始めようとする……という内容。圭子の初恋の相手だった伝説の不良役で寺脇康文さんも出演。脚本はNHK連続テレビ小説「おひさま」や連続ドラマ「ど根性ガエル」(日本テレビ系)などで知られる岡田惠和さんが手がけ、映画「トワイライト ささらさや」などの深川栄洋監督がメガホンをとる。

 妻を末期がんで亡くし、空回りしながらも子供のために奮闘するちょっとダメな父親を演じる沢村さんは、役について「新鮮でした」といい、「監督の演出も新鮮なので。やったことないことをいっぱいやっていて、楽しいです」と笑顔で語る。深川監督とは、監督が演出を担当した2015年のドラマ「偽装の夫婦」(日本テレビ系)で仕事を共にした仲でもある。「深川ワールドって、現場が独特なんですよ。考えていることと真逆のことを言ってきたり、面白いですね。いろんなものをグイグイ引き出してくれて。今までやったことないことをやらされたりするので、見せたことのない顔をしている気がします」と語る。

 その独特の手法に「演じていて面白い」と手応えを口にする沢村さん。「(ドラマは)そんなに大きな事件はない。だから演じる方としては、演じ方の中にドラマを作っていかなきゃいけないのかなと思っていたんですよね。でも現場に行くと、『何もしないでください』と言われたりするんです。“田島さん”としてそこにいてくれればいい、と……。大丈夫?と(思った)」と当時の心境を明かしつつ、「ドキュメンタリーが好きでよく見るんですけど、普通の人がただしゃべっているだけなのに、まばたきを忘れてじーっと見ているときがある。(監督は)あれをやらせようとしているのかな、と。じわーっと、じっくりと見られるドラマになっているんだろうなと思います」といい、「何ともいえない手応えみたいなものを、すごく現場で感じているんですよ」と充実した表情で語る。

 ◇自身のピークは55歳? 「一番モテモテに…」

 ドラマは、徹や子供たちが“新しい生活”を築いていく姿を描いた作品だ。演じる沢村さん自身は、どのような新しい姿、展望を抱いているのだろうか。沢村さんは「これは昔からよく言ってるんですけれど……」と前置きし、「役者のピークに向かって、53歳ぐらいでぐっと(勢いを)つけたいというか、つけられるんじゃないかなと思っていて。で、55歳ぐらいがすごく楽しくなるんじゃないかと漠然と思っているんですよ」と明かす。「人生で一番モテているのは、55歳ぐらい、と。それが展望です(笑い)」と冗談めかして笑う。

 “55歳でピーク”を目指す上で、今回主演を務めたことは「ついていた」と沢村さんは言う。「経験のない現場に参加させてもらったのは、よかったなと思ってます。50歳近くになって、こういう作品で主演をやらせてもらえるとは、3年ぐらい前は想像もつかなかった。想像を超えたものに出合えているんですよ」と感動を表現し、「役者としてこれに関われたことがすごくうれしい。いいものに関われたなあ、という手応えを感じています」と思いの丈を語った。

 「連続ドラマW 希望ヶ丘の人びと」は、16日から毎週土曜午後10時にWOWOWプライムで放送(第1話は無料放送)。全5話。

 <プロフィル>

 さわむら・いっき。1967年生まれ、鹿児島県出身。96年に「続・星の金貨」で連続ドラマデビュー。2010年「警視庁失踪人捜査課」、11年「DOCTORS~最強の名医~」などで主演。16日放送の「連続ドラマW 希望ヶ丘の人びと」で主演の田島徹役を演じる。

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