恋は闇
#10(最終回) 真実とは
6月18日(水)放送分
俳優の堺雅人さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「真田丸」で、内野聖陽さん扮(ふん)する徳川家康の側室・阿茶局(あちゃのつぼね)を演じている女優の斉藤由貴さん。16日放送の第41回「入城」では、主人公の真田幸村(堺さん)が徳川方の監視の目をかいくぐって九度山を脱出。大坂城に戻ることに成功した。物語は本格的に「大坂の陣」というクライマックスへと突入していくが、ここで徳川方の代表として和議交渉という大役を任せられるのが阿茶局である。これまで一番近くで夫・家康の世話を焼き、時に叱咤(しった)激励や助言さえも与えてきた阿茶局の、巧みな夫操縦術とその裏にある真意を斉藤さんが語った。
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「真田丸」は、三谷幸喜さんが2004年放送の「新選組!」以来、12年ぶりに脚本を手がける大河ドラマ。戦国時代に信州の小さな領主のもとに生まれた真田幸村が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世を生き抜く姿を描いている。
斉藤さんが演じている阿茶局は、家康の最愛の側室。家康との間に子供はできなかったものの、母代わりとなって二代将軍・秀忠を育て上げた。「真田丸」においては、家康に薬を煎じて飲ますなど献身的な姿を見せながらも、一方で真田家を「おつぶしになったら、いかがですか?」とサラッと進言するような冷酷さを持ち合わせた女性としても描かれている。
斉藤さんはあくまで「家康さんを大将、武将である以前に、一人の男としてほれて、この男のため全身全霊を尽くすと決心している女性」と捉えて阿茶局を演じてきたというが、「自分の愛する男に、天下人になって世を統(す)べてほしい。トップになる可能性のある男なら、そこに届いてほしいっていうのはあったと思う」と気持ちを代弁する。
豊臣秀吉の亡き後、阿茶局が近藤正臣さん演じる本多正信とともに家康に天下取りを焚(た)き付けたことに関しては「女のエゴ、愛する男にてっぺんを取ってほしいっていうエゴを通しているところもあったのかなって思ったりもしますね」と告白。正信に乗せられて初めて動くという家康の日和見的な部分を見抜いたからで、「人の意見で『じゃあ、やってみる』ってなる。そこらへんの感じが話が進むに連れて顕著になっていって。(役として)はたから観察していて、そういう感想を持つようになってきたっていうのはある」と振り返る。
それでも「小心者で小ずるくて、二枚舌なところもあるにもかかわらず、いざという時の行動力や情勢をものにする強運、天を味方につける才覚は持っていた」と斉藤さんは夫・家康を立てる。「あと単純にダメなところのある男は可愛いもんじゃないですか」と頬を緩ませると、「そういうところを周りの人は知らない。そうすると『私が守って立ててやらなくちゃ』っていうふうに思うんですよ」とひそかな優越感に浸っていた。
実際に秀吉の正室の寧(鈴木京香さん)や側室の茶々(竹内結子さん)との茶飲み話の中から、有益な情報を拾い上げ家康にもたらすなど、情勢を見据えた阿茶局の行動が描かれており、斉藤さんは「『今だ!』っていうタイミングを、阿茶は嗅覚みたいなもので察していたんだと思いますね。そういう意味で阿茶は策士みたいで、すごく冷静ですよね。女だてらにいろいろな情勢、勢力図がきちんと頭の中に出来上がっていたんだと思います」と感心する。
そんな阿茶局にとって「大坂の陣」での和議交渉役は、家康を支え、また巧みにリードしてきたことへの最大の“ご褒美”だったのかもしれない。斉藤さんも「性別を超え信頼に足るっていう、彼女の積み上げてきた実績、勝ち得たもので、自分を生かす場を与えられた」としみじみ。阿茶局が生きた時代について「女性たちにとって、いかにして自分の思うところ、考えを表現していくかっていうのは知恵の絞りどころだったと思う。戦国時代ならではの縛り、制約がある中での女性の機知や創意工夫が試されたんじゃないのかと、本当の意味での才覚や力量が試された時代だったのかなと思います」と思いをはせていた。
NHK大河ドラマ「真田丸」は、NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。
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