「そこのみにて光輝く」(2014年)などで国内の主演男優賞を数多く受賞した綾野剛さんの最新主演作「武曲 MUKOKU」(熊切和嘉監督)が3日から新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほかで公開される。剣を捨てて自堕落に暮らす男と、剣と出合った高校生の宿命の対決が繰り広げられる。綾野さんのライバルとなる高校生を、「2つ目の窓」(14年)の村上虹郎さんが演じる。父の幻影に苦悩する一人の男を綾野さんが気迫で演じ、嵐の中の決闘シーンですご味を見せつける。
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鎌倉に住む矢田部研吾(綾野さん)は、酒におぼれて自堕落な毎日を送っていた。子供のころから警察官の父将造(小林薫さん)に剣道をたたき込まれ、高校のコーチをしていたが、ある事件により生きる気力を失ってしまった。研吾を案じた師範の光邑雪峯(柄本明さん)は、目を付けて稽古(けいこ)をつけた高校生・羽田融(村上さん)を研吾のもとへ送りこむ……という展開。
綾野さんと熊切監督は「夏の終り」(13年)以来のタッグ。研吾の恋人役を前田敦子さんが妖艶に演じているほか、小林さんのダークな父親ぶりも見ものだ。父親との確執でがんじがらめになっている研吾。精神的に追い詰められて、自暴自棄になった男が、破滅的な日々からどう再生していくのかを、綾野さんがじっくりと演じている。
クライマックスは台風の中の決闘シーン。ずぶ濡れ、泥まみれで壮絶なアクションを展開。剣道初心者とは思えない綾野さんが、アルコール絶ちをし、約2カ月間のトレーニングで体を作った。剣道五段の凄腕剣士に扮(ふん)し、初段を持つ村上さんと本気でぶつかり合う演技が見ものだ。
アクションコーディネーターは「無限の住人」なども担当した辻井啓伺さんと、「22年目の告白-私が殺人犯です」(10日公開)などを担当した高槻祐士さん。原作は芥川賞作家、藤沢周さんの同名小説。題字は書道家の武田双雲さんが手掛けた。(キョーコ/フリーライター)
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