清原果耶:朝ドラデビューから3年「芝居する」に自問自答の日々 女優としての現在地は?

NHKの連続ドラマ「透明なゆりかご」で主演を務める清原果耶さん
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NHKの連続ドラマ「透明なゆりかご」で主演を務める清原果耶さん

 累計325万部突破の人気マンガを実写化する連続ドラマ「透明なゆりかご」(NHK総合)に主演することが発表された女優の清原果耶さん。2015年度後期のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「あさが来た」で、13歳の時に女優デビューを果たした清原さんも、今年1月で16歳になった。この3年の間に数々のドラマや映画に出演。順調に活躍の場を広げてきたものの、いまだ「芝居をする」ということに対して自問自答する日々を送っているという。そんな清原さんに、記念すべき初主演作となる「透明なゆりかご」や女優業について聞いた。

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 ◇初主演への自覚 命と向き合う役「真っすぐに演じることができたら」

 「透明なゆりかご」は、マンガ家の沖田×華(おきた・ばっか)さんの経験を基に描かれた“真実の産婦人科医院物語”。ドラマでも、幸せな出産ばかりでなく、中絶や死産といった産婦人科の陰の部分に向き合いながら、時に明るく、時に切なく、主人公たちの命への祈りにも似た思いを紡いでいくという。

 清原さんが演じるのは17歳の看護師見習いアオイ。アルバイトとして「由比産婦人科」にやってくるが、いきなり中絶手術の現場を目の当たりにし、衝撃を受けてしまう。しかし、独特の感受性と根の優しさで、妊婦さんたちの心に寄り添い、生まれてくる赤ちゃんの圧倒的生命力にうち震えながら、少しずつ成長していく……と展開する。

 初主演の喜びよりも、役を通して命と向き合うことへの「不安がすごく大きい」と素直に明かす清原さん。それでも「決して軽い題材ではないので、私がどうアオイちゃんの性格や人柄、関わっていくキャラクターの距離感をうまくくみ取ってお芝居をするかが鍵になってくる」と自覚し、「本当にやってみないと分からないっていうのはあるんですけど、アオイちゃんはすごく不器用で、でもすごく優しくて、相手のことを考えて接する子なので、そこの純粋さはすごく大事、大切にしなくてはいけない部分。台本を読み込んで真っすぐに演じることができたら」と作品への思いは強い。

 ◇朝ドラでいきなり直面した「芝居する」の“壁” 

 若くして脚光を浴び、すでに多数の作品に出演。昨年公開の映画「3月のライオン」(大友啓史監督)では、いじめの標的になっても必死で立ち向かう少女を情感豊かに演じて存在感を示した。実力・実績ともに同年代の中で頭一つ飛び抜けた感もあるが、清原さんにとって女優業とは……?

 「作品をよりよいものにするため、作品のためだけに作品のことを思って、何かをしている時間っていうのが何よりも楽しい」と声を弾ませるが、当然、その課程には「壁」はあったという。

 「朝ドラに出させていただいたとき、『お芝居するって何だ?』ってなってしまって。すごく初歩的なことではあるんですけど、台本を読んでも読んでも答えが出なくて、本当に悩んでしまった」と振り返る。

 現時点でも「答えは見えていない」といい、「そもそもこの問い自体、いま考えるとおかしかったなって思うし、そんなものに答えはない。答えがあったとしても、私にとって正解かは分からない。演じる、表現するって人それぞれだし。だから私がしなくてはいけないことは、とにかく台本を深く読み込んで、役に落とし込んで、作品全体を考えてお芝居をするってことなのかなって、いまはそう感じています」とほほ笑みながら語る。

 ◇「3月のライオン」大友啓史監督の言葉を胸に…

 「3月のライオン」を手掛けた大友監督からは、「日常を楽しんでください。日々を充実させて生きてください」とアドバイスをもらったという清原さん。「お芝居ってある意味、日常でしていることを表現しなくちゃいけないから、その通りだなって。日常が充実していなくてはお芝居のレパートリーは少なくなるし、引き出しを蓄えるっていう意味でも、日常、人生を充実させることがいかに大事か。だから最近は1日1日をどう充実させるか、常に考えています」と真剣なまなざしで語る。

 女優としての「明確な目標はない」と話す清原さんだが、「今は本当にいただいたお仕事を一生懸命に頑張るってことを大切にお芝居をさせてもらっているので、これからもその気持ちはずっと忘れずに、必死に役に食らいついていけたら」と力を込めていた。

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