約13年ぶりに来日したスティーブン・スピルバーグ監督が19日、東京都内で行われた新作映画「レディ・プレイヤー1」(20日公開)のトークイベントに、キャストのタイ・シェリダンさん、オリビア・クックさん、森崎ウィンさんとともに登場。映画業界を目指す学生やクリエーター、YouTuberらが参加し、“ヒット映画の作り方”というテーマでトークセッションした。
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参加者の質問と、登壇者の回答は以下の通り(敬称略)。
――まずは映像クリエーターを目指す皆さんに一言お願いします。
シェリダン:皆さんは今朝、映画を見たばかりと聞いているのですけど、楽しんでいただけたでしょうか。日本のアニメのキャラクターもたくさん出ていますので、皆さんも見つけて楽しんでもらえたと思います。今回、私もオリビアも初めての来日ですが、今回の「レディ・プレイヤー1」を引っさげての来日ということで、とても楽しんでおります。
クック:私は初めて東京に来ましたので、本当にワクワクしています。本当に美しい街ですね。「この映画を何度も見てください」と、ぜひ友達に伝えてください。これから質問していただくのですが、皆さんの期待に応えられるよう、答えることができたらと願っています。
森崎:みなさん、本日はお越しいただきありがとうございます。監督の隣に座れているだけですごく幸せなんです。本日はよろしくお願いします。
スピルバーク:皆さん、本日はたくさん起こしいただいてどうもありがとうございます。私もみなさんにお話ししますので、皆さんもたくさんのことをお話ししてください。
今回のキャストたちとは、3カ月以上仕事をしましたが、ウィンさんはとっても日本語が上手なんですね(笑い)。ずっと英語で会話していたので、日本語で話している姿を初めて見ました。ここにいるタイ、オリビア、ウィン、そしてここにはいないフィリップ(・ツァオ)、リナ(・ウェイス)、彼らの演技を楽しんでいただけたらと思います。
ここにたくさんの将来のフィルムメーカーがいらっしゃって、日本のみならず、世界のフィルムメーキングが楽しみだなと、非常に勇気づけられる気持ちでいます。映画というのは文化の壁を超えるんですね。英語でも日本語でもなく、“映画”という言語で話せば、私たちの見えない絆で結ばれるということだと思います。
――監督は29歳で「ジョーズ」を撮影していますが、数々のヒット作を作り、人々を魅了するイマジネーションの生み出し方をアドバイスしてください。
スピルバーグ:想像力、イマジネーションというものは、みんな持っているんですね。オンラインで買えるものではありません。あるいは何かを飲んだり、何かを食べれば出てくるものではなくて、そこにあるものなんです。想像力を持っていない人はいないんですね。
子どものころは、いろんなファンタジーを想像します。そういうものをチャネリングして、ストーリーテリングしていくということなんです。イマジネーションに対して、オープンでいることが重要だと思います。そして、何か面白いストーリーが浮かんできたら、書き留めてください。
――映画には多くの日本の代表的なキャラクターが出ていますが、そのなかで好きなキャラクターがいたら教えてください。
シェリダン:この映画をロサンゼルス、ロンドン、テキサスで上映したんですけど、どこでもガンダムがスクリーンに出てくると、すごい歓声なんですね。それほど、日本のアニメは称賛されているんです。今回、この映画で日本のキャラクターをうまく見せることができたと思っています。
この映画に参加したことで、日本のアニメやキャラクターに、ずいぶん関心が高まりました。私が好きなアニメは、ヒューマンドラマ寄りですが「君の名は。」ですね。皆さん、ご覧になったでしょうか。
クック:ハローキティですね。実はこの映画の中のハローキティが分かるまでに、2回見なければいけなかったんですが。小さいころにハローキティのパジャマを着ていました。
森崎:「この映画の中で」と言われたら、もちろんガンダムです。ロンドンとロサンゼルスで映画を見させていただいたんですけど、僕のせりふがあるじゃないですか。あれを言った後に、本当に「うおー!!」なんですよ。もちろんガンダムだけじゃなく、いろんな作品のキャラクターが出ると、この作品の中に織り込まれているので、その度にみんなのベクトルが上がっていくのをこの身で経験したので、本当にこの作品に出られたことが誇りに思えました。
スピルバーグ:一番気に入っているのは、「AKIRA」のバイクですね。今はしませんが、若いころはオフロードでバイクを運転していたことがあります。「AKIRA」を見ると、すごいなと思います。特殊効果を使っているんですけど、タイヤのグリーンフラッシュを忠実に演出しようと思いました。素晴らしいアニメだったと思います。2番目はメカゴジラ。すごいと思います。
――日本のコンテンツは世界中で人気ですが、日本人のクリエーティビティーはどう思いますか。
スピルバーグ:日本は素晴らしい才能が花開いていると思いますが、特に第二次世界大戦後の人々は素晴らしかったと思っています。
私としては、宮崎駿の世界は、本当に素晴らしいと思うんですね。「千と千尋の神隠し」は、本当に素晴らしい映画だと思いますし、ディズニーのどの作品よりも素晴らしいと思っています。11カ月か12カ月ほど前に、娘と一緒に彼にお会いすることができました。私の娘はアニメーションをやっていますが、「彼と会って天国だ」と言っていました。本当にスペシャルな体験でした。日本には才能あふれる方がたくさんいて、野心のある方もたくさんいますが、一番美しいのは人と人との関係だと思います。
――宮崎駿監督とはどのような話をしたのですか。
スピルバーグ:プロセスについて話しました。キャラクターが先か、ストーリーが先かという話で、宮崎さんは「ストーリーがキャラクターである」と言っていました。「キャラクターを見つけるのは重要である」「キャラクターがストーリーを作る助けをしてくれる」とおっしゃっていました。
――次回作では、ウルトラマンの出演を待っています。
スピルバーグ:権利を取ろうと思ったんですが、なかなか難しくて許可が下りなかったんです。もし許可が下りれば、ウルトラマンを「レディ・プレイヤー2」でぜひ出したいですね(とVサインを出す)。
(後編に続く)
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