松岡修造:全仏オープンテニス “絶対王者”を崩すのは…錦織圭に期待

松岡修造さん
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松岡修造さん

 錦織圭選手や杉田祐一選手、大坂なおみ選手らが出場する、2018シーズンのテニス世界4大大会(グランドスラム)第2戦となる「全仏オープンテニス」が27日に開幕する。6月10日まで繰り広げられる熱戦の模様をWOWOWで連日生中継。番組で解説を務めるテニスプレーヤーの松岡修造さんが、大会の見どころなどを語った。

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 大坂選手は、3月に「プレミア・マンダトリー」の一つ、米インディアンウェルズの大会で優勝し、日本人選手として初の快挙を達成。手首の故障から復活を期す錦織選手は、4月に「マスターズ1000」のモナコ・モンテカルロ大会で準優勝し、復帰を印象づけた。全仏では2人の日本人選手による男女アベック優勝という期待が高まるが、松岡さんは「男子は赤土に関してだけいうと、(他の選手が)どうやってラファエル・ナダル選手(スペイン)を崩すかということだけです。僕が見ている限り、今のところ崩しようがないです」と同大会で10度の優勝を誇る“絶対王者”に対する見方を語る。

 しかし、松岡さんは「崩せる人は誰なのかを考えたときに、お世辞でも何でもなく、可能性があるのは、(2009年に全米オープンを制した)フアン マルティン・デル ポトロ選手(アルゼンチン)と錦織選手です」と期待を寄せる。

 錦織選手がナダル選手に勝利するためには「全仏までに体力面、精神面をしっかり上げてくるという限定的なものです。加えてフォアハンドの出来です。まだ(手首を)故障してから自分のものになっていない。この前のマスターズ1000・モンテカルロは、決勝までいったものの、僕が見ていて決していい内容ではなかったと思います」と評する。

 さらに「良かった点は、どちらかというとループ系のボール。フォアは攻撃していなかったので、ミスは少なかったです。攻撃していたのは、バックハンド。ただ、(錦織選手)本来の一番の良さであるフォアでの攻撃がなかったので、相手が恐怖心を持つほど攻め込むことができていなかった。フォアが入ってくれば、(ナダル選手に勝つ)可能性は十分あると思います」と分析している。

 大坂選手は、自己最高の世界ランキング21位(21日時点)。松岡さんは、大坂選手の昨年と今年の違いについて「コーチ、メンタル、トレーニングには違いなどはありますが、プレーが大きく変わったということではない。プレーが安定して、大事な場面でしっかりとポイントを取れるようになったということが、変わった点だと思います」と説明。

 大坂選手が優勝する可能性については「(これまでの)彼女の結果を見たときに、グランドスラムを勝てないという人はいない。負けようがない。もちろん厳しい解説者は、『メンタルが足りません』『経験が足りません』と言うかもしれませんが、グランドスラムで彼女のいつものテニスをやれば負けようがない。まだまだアップダウンはあるけれど、それが大坂選手の良さ。波が少なくなってきたときに世界のトップが見える。(グランドスラムで)今年優勝するのは十分あり得る。(勝つことに)疑問を思わない」と太鼓判を押した。

 “全仏オープン”は、4大大会の中で唯一、クレーコートで行われる。松岡さんは「映像ということで考えると(コートが)赤の部分。あとは音ですね。スライディングの滑る感覚とか。テレビを見る上では、全仏オープンが一番楽しい。音や滑る感覚が、選手の雰囲気や調子をすごく出してくるので、テレビ観戦でも十分に現地を感じることができます。だからこそ、僕が解説中継するときはそこに注目して伝えていきたいです」と意気込む。

 自身も現役時代を含め、現地に何度も足を運んでいるが、当時と変わったことを聞くと、「会場が思いっきり変わりました。すごく進化しています。各国が進化しているテニスコートを作っていますが、全仏には“おしゃれ感”があります。もっとも会場にいて楽しい雰囲気が全仏の良さです。全米オープンはどちらかというとコンサートのようなお祭り感があります。全仏期間中の2週間は、フランス人が自分たちのシーズンというか、国技のように捉えているので、フランスのよさを感じられる時間だと思います」と語った。

 *……WOWOWでは、26日午後7時からWOWOWプライムで「錦織圭・大坂なおみ 世界の頂点へ! 全仏オープンテニス開幕直前スペシャル!」を無料放送。27日午後5時半からWOWOWライブで「全仏オープンテニス」男女シングルス1回戦を生中継する。第1日は無料放送。

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