注目映画紹介:「君の膵臓をたべたい」高杉真宙が声優初挑戦 原作の世界観を美しい絵柄で再現

劇場版アニメ「君の膵臓をたべたい」のビジュアル (C)住野よる/双葉社(C)君の膵臓をたべたい アニメフィルムパートナーズ
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劇場版アニメ「君の膵臓をたべたい」のビジュアル (C)住野よる/双葉社(C)君の膵臓をたべたい アニメフィルムパートナーズ

 劇場版アニメ「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」(牛嶋新一郎監督)が9月1日、新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開される。浜辺美波さんと北村匠海さんのダブル主演で2017年に公開された実写映画もヒットした。原作は住野よるさんの小説。俳優の高杉真宙さんが声優初挑戦で主人公の「僕」を、声優のLynn(リン)さんがヒロイン・山内桜良を演じている。自分の殻に閉じこもっていた僕と、膵臓の病気で余命幾ばくもないヒロインが出会い、限られた時間の中で心を通わせていく姿が描かれる。

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 クラスで目立たない存在の僕が、膵臓の病気を患うクラスメートの桜良の書いていた文庫型の闘病日記「共病文庫」を病院の待合室で偶然見つけたことから、次第に桜良との距離を縮め、一緒に過ごすようになる……というストーリー。

 声優として、藤井ゆきよさん、内田雄馬さん、福島潤さん、田中敦子さん、三木眞一郎さん、和久井映見さんらが出演する。テレビアニメ「ALL OUT!!」などに参加してきた牛嶋さんの初監督作品で、「うしおととら」などのスタジオヴォルンが制作する。

 他人と関わろうとしない僕の殻を、天真らんまんで明るい桜良がどんどん打ち破っていく。表情がさほど変化しない僕の微妙な心の変化を高杉さんが声で表現している。淡々と話す僕と、弾むように話す桜良との対照的な2人のやりとりに引き込まれていく。

 図書館、海、桜並木と2人が過ごす世界はどれも美しい。桜良が病気と闘っているような場面はあまり描かれないが、その世界の美しさが2人の関係に限りがあるというはかなさを際立たせているようにも感じる。終盤のアニメならではのファンタジーを取り入れた表現にも目を奪われた。心に染み入るような感動を、実写映画とはまた違った形で味わうことができた。(岡本温子/MANTAN)

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