蓮佛美沙子:主演ドラマ「ダイアリー」語る 「リビングウィル」「交換日記」への思いも…  

連続ドラマ「ダイアリー」で主演を務める蓮佛美沙子さん(C)NHK
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連続ドラマ「ダイアリー」で主演を務める蓮佛美沙子さん(C)NHK

 女優の蓮佛美沙子さんが主演を務めるNHKのプレミアムドラマ「ダイアリー」(NHK・BSプレミアム)が9日午後10時にスタートする。植物状態になってしまった母の記した「リビングウィル(尊厳死宣言書)」の存在と、母が高校の同級生たちと28年間続けた交換日記を手がかりに、時を超えた愛と絆を描くヒューマンストーリー。日記に書かれたうそと現実が、ヒロインを本当の幸せに導く。真実を求めて旅する主人公を演じた蓮佛さんに話を聞いた。

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 ◇母親の軌跡をたどっていく中で生まれた感情を大事に

 自分を女手一つで育ててきたシングルマザーの母・春海(菊池桃子さん)が、ある日突然、急病で倒れて意識不明の植物状態になってしまう。結婚間近の娘・彩加(蓮佛さん)は母が「リビングウィル(尊厳死宣言書)カード」を所持していたことを聞き、困惑する。さらに母がひとりで暮らしていた部屋から、高校時代の同級生たちと28年間にもわたり続けていた交換日記を見つける。交換日記に記された母の自分への思いや人生の決意にふれたことで、彩加は母がなぜ尊厳死を望んだのか知るため、もう1枚のリビングウィルを託した人物を探そうと、同級生たちが暮らす母の故郷・加賀に旅立つ……というストーリー。

 主人公の彩加は、少しおっちょこちょいなところもあるが、勤務する文具メーカーで商品企画を任されるなど責任感のある女性。婚約者である会社の先輩・悠一(中村蒼さん)の優しさに素直になれない一面も。母の春海から父親のことはおろか、過去についての一切を聞かされてないことから、幼少期から母はなぜ自分を産んだのか、実は愛されていないのではないかという思いを隠しながら暮らしてきた。

 彩加のように自分の家族や恋人に対して本音を打ち明けられなかったり、不器用な面が潜在的にあるという蓮佛さんは、「役柄と似てる似てないを普段から意識して演じていないので、とにかくナチュラルに、誇張した表現は必要とせず、彩加のロードムービーのように、母親の軌跡をたどっていく中で生まれた感情を大事にしました」と明かす。

「役柄ではあるけど、私自身のような。気持ちを作るということをせずに、という感覚があったので。彩加に寄り添って。役を演じている時も、そばにいてあげたくなるような、そういうところでたぶん自分と役が通じるものがあったのかなと思います」と思い返す。

 ◇祖父と5年くらい文通 このご時世にあえて紙でやり取りするのはいい

 「リビングウィル」と「交換日記」が重要な鍵になっている。「もし主人公と同じ立場となったら?」との問いに蓮佛さんは「やっぱり考えましたね。交換日記を見つけた時、母の故郷にまで行くかなとか。自分はどういう選択を取るのだろうってことは考えました。撮影中、ずっと考えていたけど、今も答えは出せていません。最終話で『自分が出した答えがよかったのか』と彩加自身が自分に問うのですが、だからこそ、こういうドラマが生まれるんだなって思います」としみじみ。

 「交換日記」については、「28年って時間にまず皆さん、驚くと思います。そんなに続くのって(笑い)。それでも続いたのは、切っても切れない縁だったんだなって思うし、私も中学生の頃、交換日記をしたこともありますけど、面と向かって言えないことを書ける場所、本音をさらけ出しやすいし、うそも書きやすいっていう、ある種のファンタジー、異空間というイメージ。使い方次第でどうとでも変わっていくアイテムなんだなって思ったりもしました」と印象を明かす。

 「すごく誰かと交換日記したいなって思いましたね。28年間も続く相手って誰かなって、考えてみたり。大人になって学生時代の友人も母親になっていたり、仕事が忙しかったり時間軸がそれぞれ異なってしまうので、会いたくても会えなくなっちゃうんですよね。だからこそ、このご時世にあえて紙でやり取りするのはいいなって。私は祖父と5年くらい文通しているので、これからも続けていきたいなって思いました」とほほ笑んでいた。

 ドラマには大塚寧々さん、濱田マリさん、西田尚美さん、山本陽子さん、緒形直人さんも出演。全4回。9日から毎週日曜午後10時~同49分に放送される。

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