文学処女:スミス監督に聞く 森川葵&城田優の“色気”とは?

連続ドラマ「文学処女」場面写真 (C)「文学処女」製作委員会・MBS
1 / 14
連続ドラマ「文学処女」場面写真 (C)「文学処女」製作委員会・MBS

 女優の森川葵さんと俳優の城田優さんがダブル主演している連続ドラマ「文学処女」(MBS・TBS)の第5話が、7日深夜から順次、放送される。出版社の文芸編集部に勤める26歳で“恋を知らない女”月白鹿子(森川さん)と、人気小説家で“恋ができない男”、加賀屋朔(城田さん)の恋愛模様が描かれている。少女マンガ原作ながら、大人も満足できる色気たっぷりの展開が好評だ。「『城田優がカッコいい!』『森川葵が可愛い!』のツーウエーブで人気です」と視聴者の反応を喜ぶスミス監督に、主演2人の魅力や他の出演者について聞いた。

ウナギノボリ

 ◇主演2人の色気とは…

 「文学処女」は、マンガアプリ「LINEマンガ」で中野まや花さんが連載中のマンガが原作。超売れっ子作家とその担当編集といういびつな関係から生まれる遅咲きの恋を描いている。実写ドラマを手がけるスミス監督は、これまで「でんぱ組.inc」「AKB48」などのアイドルグループから、「フジファブリック」「氣志團」などのロックバンドまで幅広いアーティストのミュージックビデオを制作してきたノウハウを生かし、ヒロイン鹿子の“妄想”を美しい映像に仕上げることに成功した。

 少女マンガとはいえ登場人物は大人。キャストは「脱がなくても色気のある人が集まった」というスミス監督。城田さんについて「ハーフで長身、明らかに男性としてのセクシーさはトップクラス」と太鼓判を押す。さらに、城田さんの色気は「メガネをかけると、より非現実的なレベルでセクシーになるのがすごくいい。メガネがあるのとないのでは、見え方が結構違う」と、スタイリングにもこだわって、色気を引き出している。

 原作のキャラクターを際立たせるために、城田さんには特に「冷たい態度の演技を強調してほしい」と演出している。「マンガの面白いところは(加賀屋が)ツンデレというか、急にサディスティックになって『冷たっ』と思わせるところなので、場面、場面で『ここは結構(鹿子に)冷たく当たって。あとで優しくするから。落差を付けたい』とお願いしました」という。

 セクシーなイメージのない森川さんについては、目や表情、顔に色気を感じた。「眉毛がキリッとした顔の人が好きだというのもあるんですが、自立している感じのある人が、恋をすると行動に揺らぎが出る。そういうところが性的な魅力のような気がする」とスミス監督は色気に対する見解を語る。「森川さんは小さくて可愛らしいですが、芯の強いところがある。しっかりしている感じがあるのに、恋をすると揺らぎが出る」と説明する。

 今作の鹿子は、「あか抜けない、分かりやすくモテない女の子みたいにはしたくなかった。ちゃんと自分のやりたいことがあって、おしゃれもしているカッコいい主人公にしたかった」といい、森川さんは「そのイメージにぴったりだった」とこちらも太鼓判を押す。

 ◇女性が“妄想”できる男性が勢ぞろい

 セクシーな展開を女性が“妄想”する様子を描いている。「文学処女」というタイトルで少女マンガが原作だと「真面目で本が好き。でも、なぜかカッコいい男性が寄ってくる女の子」が主人公というような、定番のキャラクターを想像しがちだが、「そうではなく、もっと、大人の女性がリアルでセクシーな妄想をして、どんどん人を好きになっていく様子を描きたい」とスミス監督は語る。

 「文学処女」の狙いは大人の女性の理想の男性を描くこと。スミス監督は「女性がいろいろ想像して楽しむためのドラマ。出てくる男性キャラクターは、理想的な男性像をいろいろ並べてみた」という。

 今作には、加賀屋のほか、中尾暢樹さんが演じる鹿子に思いを寄せる同期・望月千広(もちづき・ちひろ)、河原雅彦さんが演じる上司、緑線社・文芸編集部の編集長の三島皓(みしま・こう)、上遠野太洸さん演じる同期の七星真樹(ななせ・まき)、綱啓永(つな・けいと)さんが演じる後輩の川端龍之介(かわばた・りゅうのすけ)という男性キャラクターが登場するが、スミス監督はそれぞれ「ツンデレなセクシー男」「優しいだけの男」「父親的な上司」「中性的な男」「弟的な後輩」と表現。「よりどりみどりで選べますよ。いろいろ想像して!」とドラマの楽しみ方をアピールする。

 ◇昨今の“だめんず”人気を分析

 昨今、前クールのドラマ「ヒモメン」などでも描かれた“だめんず”な男性キャラクターが人気だ。スミス監督は「今の女性が見たいものが現実的なものだから“だめんず”が人気なのではないか」と分析。「そんなに(少女マンガに出てくるような)理想的な人はいない。『ドラマでもいいと(肯定)されているんだから、私の好きな人のダメさだって、全然いいじゃない』と(自身を)肯定したい。現実に好きな男性のダメなところを認めたいという欲求なのでは」と語る。

 “だめんず”人気で、少女マンガの位置づけも「ちょっと変わってきているのでは」というスミス監督。「昔より女性は自立しているので、(夢見がちなものではなく)女性がもっと積極的に見たい世界として、“だめんず”を肯定する物語を描くようになってきたのでは。ここ3年間くらいドラマを作ってきて、そう感じます」と語る。

 ◇ドラマの今後の見どころ 優しいだけの男「もっちー頑張れ!」

 鹿子が自身の加賀屋への恋心を確かなものにする第5話では、今作でドラマ初出演となるオーディション番組「ラストアイドル」(テレビ朝日系)出身の古賀哉子さんが、編集長の娘・三島暁里(みしま・あかり)役で登場。さらに、今作唯一の“だめんず”要素、“優しいだけの男”というレッテルを貼られた鹿子の同僚、中尾さん演じる望月が、やっと具体的な行動を起こす。スミス監督は「『もっちー頑張れ!』と思います。何にも悪いことをしていないのに、ひどい目に遭っている感じ……(笑い)」と今後の見どころを語った。

 ドラマは、MBSで毎週日曜深夜0時50分(7日は深夜1時24分)、TBSで毎週火曜深夜1時28分(9日は深夜1時43分)に放送される。

写真を見る全 14 枚

テレビ 最新記事