遠藤憲一:宮藤官九郎の脚本ドラマで役者としての“伸びしろ”を実感

WOWOWの連続ドラマ「遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます」主演の遠藤憲一さん(左)と脚本の宮藤官九郎さん
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WOWOWの連続ドラマ「遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます」主演の遠藤憲一さん(左)と脚本の宮藤官九郎さん

 俳優の遠藤憲一さんが主演を務め、宮藤官九郎さんが脚本を手がけるWOWOWの連続ドラマ「遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます」が12日から放送される。遠藤さんは、ゲスト俳優が仕掛けるコミカルな芝居に、笑うのをこらえつつ、リアクションする役回りだ。これまで“受けの芝居”の経験は多くなかったそうで「自分の伸びしろを知れたというか、まだ知らない領域があると実感しました」と力を込める。遠藤さんと脚本の宮藤さんに収録後に話を聞いた。

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 ◇「まだ知らない領域がある」

 ドラマは、遠藤さんが日本を代表する俳優たちの役作りを勉強するという前代未聞の企画となる。舞台は、遠藤さん演じる刑事・諸井情が連続殺人犯を追うサスペンスドラマの撮影現場。撮影は滞りなく終わったと思いきや、トラブル発生で撮り直しに。しかし、遠藤さんの共演者は既に現場におらず、急きょ、たまたま現場の近くにいた俳優にオファーすることに……という展開。「同じ物語の同じ役を、違う役者が演じたらどう変わるのか?」が堪能できるコメディードラマとなる。

 小栗旬さんや仲里依紗さん、加藤諒さん、高畑淳子さん、野村周平さん、水野美紀さん、高嶋政伸さん、桃井かおりさんら豪華俳優陣がゲスト出演。遠藤さんから出演を依頼されたゲストが「自分なりにやってみます」と出演を快諾した結果、ゲストが脚本を無視するかのように暴走気味な演技で撮影をかき乱すが、収録後に遠藤さんと宮藤さんが『勉強になりました』とゲストに頭を下げるという展開となる。

 遠藤さんは、その風貌から重厚な役柄を演じることが多いが、「今回は受けの芝居」になったと言い、「こんなに連続で受けの演技をするのは新鮮でした。楽しく、笑いながらの芝居は勉強になりました。磨きようというか、伸びしろを知れたというか、自分にまだ知らない領域があると実感しました」と笑顔で語る。

 ドラマは一発撮りで収録された。ゲラ(笑い上戸)だという遠藤さんは、演じながら「もうちょっと、噴くのを抑えられたらね」と課題も挙げる。

 ◇「宮藤さんの作品だから」出演した

 宮藤さんは、脚本について「役者の芝居に上から言うのが嫌だったので、何をもってこられても『勉強になりました』っていうスタンスでいこう」と決め、「僕と一緒に『勉強させてもらいます』って言ってくれる気がした」という理由で、遠藤さんを主役に抜てきした。

 キャスティングが決まってから脚本を執筆する“当て書き”だったといい、「まず小栗君が決まったら、『小栗君と遠藤さんでどんな物語を見たいか』を考えて作りました」「(遠藤さんは)どんな設定だったらいろんな人と絡めるかって考えたら、情にもろい刑事が一番いいんじゃないかっていう話になりました。決まった時点で、大分(全体の構成が)見えた感じがしましたね」と振り返る。

 遠藤さんは、オファーを受けて、「宮藤さんとがっつりやれるっていうのはうれしかったですね。しばらくWOWOWの作品に出演していなかったというのと、宮藤さんの作品だから」という理由で出演を決めた。「ゲストの方、みんなそうなんじゃないかな。宮藤さんの作品にぜひ参加したいっていうので、やっているんだと思いますね」と推測する。

 ◇小栗旬、仲里依紗らの出演に「なんでやるんだろう」

 小栗さんや仲さんら豪華俳優陣がゲスト出演するが、宮藤さんは「すごいですよ、なんでやるんだろうって思いましたよ」とおどける。「台本はキャスティングが決まってから書くので、何も保障のない状態。僕がどうかしていたら、とんでもないことになっているかもしれないのに」と笑う。

 遠藤さんは「(収録前)全員が『緊張して眠れなかった』って言ってくるんですよ」と明かし、「こんなに出番前に、一緒になって読み合わせをやった作品も、今までにないですね。(脚)本のレベルが高いんだよね。だからみんな楽屋に集まって、自主的に練習しました」という。

 宮藤さんの脚本の魅力について、遠藤さんに聞くと「言葉は悪いけど、『頭おかしいんじゃなの』っていう(笑い)。本当に『どういう会話でこんなことを思いつくんだろう』って」「俺、台本見て、毎回ゲラゲラ腹を抱えて笑っているんだから」と笑顔で語った。

 「遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます」は、12日からWOWOWプライムで毎週月曜深夜0時に放送。全7話で、第1話は無料放送。

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