あらいぴろよさんの人気マンガエッセー「“隠れビッチ”やってました。」が実写映画化され、女優の佐久間由衣さんが主演を務めることが29日、分かった。佐久間さんが映画の主演を務めるのは今回が初めてで、清楚(せいそ)派を装いながら、戦略的に男性を次々とハントしていく“隠れビッチ”の主人公・荒井ひろみを演じる。今年公開予定。
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「“隠れビッチ”やってました。」は、あらいさんの経験を基に描いた実話コミックエッセー。映画は、異性からモテ続けることで、「認められたい欲求」を満たしてきたひろみが主人公。“隠れビッチ”のモテ戦術をコミカルに描きつつ、その裏に潜む現代女性の心の隙間(すきま)やゆがみを描く。「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」「旅猫リポート」などの三木康一郎さんがメガホンを取る。
佐久間さんのほか、村上虹郎さん、大後寿々花さん、森山未來さんが出演することも発表された。村上さんはひろみとその友人・木村彩と一緒にシェアハウスをしている、バイセクシャルの小島晃、大後さんは“隠れビッチ”とは異なるも、自信のなさからダメな恋愛を繰り返す女性・彩、森山さんはひろみを見守る男性・三沢光昭をそれぞれ演じる。
キャスト、三木監督、原作者のあらいぴろよさんのコメントは以下の通り。
この作品は、主人公の恋愛模様を描きながらも、そこだけにとどまらず、「ちょっとした寂しさを抱えて生きる現代の大人の成長物語」だと台本を読んで感じました。私自身、今回が映画初主演ということもあり、監督や共演者の皆さんといったたくさんの方に、役柄同様に支えられながら、新たな経験を積ませていただきました。主人公・ひろみは、いろいろな戦略で男性を翻弄(ほんろう)する役柄ですが、演じる時には、愛したい。でも愛し方がわからない主人公の寂しさやコンプレックス、彼女の感情の深い心の穴である部分を理解しようと精いっぱい努めました。原作者であり、主人公のモデルにもなった、あらいぴろよさんの話も参考にさせていただきながら、全てのシーンを大切にそして思い切り演じさせていただきました。私にとって既にとても大切な作品です。
“隠れビッチ”というキャラクターを知り、女性って怖いなと(笑い)! でも悪意があって男性を翻弄しているわけではなく、日常の寂しさや心の穴を埋めようとする女性や、自信が持てない女性たちの普遍的な物語だと思います。僕は、主人公・ひろみとその友人・彩とシェアハウスをしている、バイセクシャルの晃役なのですが、みんなの食事の支度から、駄目な恋愛を繰り返す女子2人の心のケアまでお世話する、“お母さん”みたいな役割を楽しんで演じました。
私が演じた主人公の友人・彩は、外向きは仕事もプライベートも充実しているように見えて、実は自分に自信がなくて、気になる相手には嫌われないために体を許してしまうような恋愛を繰り返してしまう女性です。“隠れビッチ”とは真逆で、純粋に恋愛をしたいのにうまくいかないタイプ。ひろみや、彩の恋愛模様を見ていると「2人共、素直に自分の気持ちを伝えたらいいのに」と思うかもしれませんが、自分は気持ちを人に伝えられているだろうか……と振り返ることにつながると思います。佐久間さんや村上さんとは初共演でしたが、和気あいあいとした雰囲気の中で撮影を終えることができました。
セントラルアーツのプロデューサーである黒澤満さんの作品に、こうやってまた関わらせていただけたことを光栄に思います。これは“もし佐久間由衣ちゃんがナチュラルに隠れビッチをやっていたとしたら誰も太刀打ちできないでしょ”、という映画です。僕も彼女に打ち砕かれた死屍累々(ししるいるい)の一人です。
「“隠れビッチ”やってました。」原作を目にした時、タイトルからどれだけブッとんだ女性の話だろうかと思ったら、読んでみると、行動や発言はめちゃくちゃなんですが、何か身近なものを感じたのです。主人公、ひろみの感情は、実は誰でも心の奥に秘めているものなのでは?と思ったのです。今回、映画化するにあたって、そんな誰でも持っている、心の奥に秘めた部分を丁寧に描きました。強い部分もあれば、弱い部分もある。正しい人間でもあれば、ビッチな人間でもある。誰もが心の奥に隠している黒い部分を針で突くような作品、そして、そんな自分を理解し前に少しでも向いて歩こうと思えるような作品になればと思って作りました。主人公のひろみを誰に託すかと考えた時、新鮮さが重要だと思ったのです。どこかで見たようなキャラクターにしたくない。なので、まだ、あまり色のない、未知数な人物を求めたのです。彼女はぴったりでした。初々しくて、新鮮で、ぎこちなくて、力強い。彼女の、新鮮で、見たことのない演技に注目してください。
はじめまして、あらいぴろよです! 原作は愛に飢えて寂しくてどうしようもなかった自分自身の経験を描いたものでした。この映画もきっと、そんな苦しい寂しさを抱えた人に寄り添う映画になると思います。個人的には原作とは違う空気をまとっているなぁと感じますので、映画ならではの寄り添い方がどんなものか……私も一愛飢え子として、楽しみたいと思います。
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