女優の沢尻エリカさんが、俳優の長谷川博己さん主演で、2020年に放送されるNHKの大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」に出演することが8日、分かった。沢尻さんが同局の大河ドラマに出演するのは初めてで、本木雅弘さん扮(ふん)する斎藤道三の娘で、染谷将太さん扮(ふん)する織田信長の正室となる帰蝶(濃姫)を演じる。
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沢尻さんは同日、東京・渋谷の同局で行われた会見に出席。「芸能生活20周年にしてやっとようやく大河に出演させていただくことができました。本当にうれしく思います」と喜びを語った。さらに「12歳で芸能界に入って、がむしゃらに生きてきました。この世界で多くのことを経験させていただいて、たくさん失敗もしたし、挫折もして、学んで、ここまで成長してやってくることができました。この20年間で培ってきたものや築き上げてきたものを、この作品にささげたいと思っています。沢尻エリカの集大成をここで。自分の集大成だと思っています」と目に涙を浮かべながら思いを語った。
会見後に取材に応じた制作統括・落合将さんは、沢尻さんの起用理由について「帰蝶(濃姫)は気高くて、気が強いキャラクター。自分の意思を大切にする、意志が強くて美しい女性です」と説明した上で、「信長役が染谷さんということで、ある種の若さもなくてはいけないということで、美しい沢尻さんにお願いした」と語った。
「麒麟がくる」は、安土桃山時代の武将・明智光秀が主人公。1991年放送の「太平記」を手がけた池端俊策さんによるオリジナルで、大河ドラマの原点に戻り、戦国初期の群雄割拠の戦乱のなか、各地の英傑たちが天下を狙って、命をかけ愛をかけて戦う、戦国のビギニングにして「一大叙事詩」になる。
私怨により本能寺で織田信長を討った謀反人のイメージを覆す、勇猛果敢かつ理知的な天才・明智光秀を、史料がほとんど残っていない20代の青春時代から描写。また、革新的な「魔王」のイメージが強い光秀の主君・信長についても、最近の研究で見直されている保守的かつ中世的な側面も強調し、父の信秀から実直に受け継いだ財政面、経営面での才覚も描く。さらに親子2代で美濃を乗っ取ったという説に基づく斎藤道三、反織田勢力を自由自在に操り、室町幕府の再興をなそうとする権謀術数に長(た)けた第15代将軍足利義昭、他にも若く野心にあふれる細川藤孝、松永久秀、今川義元など、ひと癖もふた癖もある群雄たちが、戦国時代を舞台に、縦横無尽に活躍する内容になるという。
大河ドラマは現在「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」が放送中で、「麒麟がくる」は2020年1月スタートを予定。
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