広瀬すず:朝ドラ「なつぞら」ヒロインは「太陽のような子」 アニメの世界に触れ「圧倒された」

4月1日スタートの朝ドラ「なつぞら」でヒロインの奥原なつを演じる広瀬すずさん (C)NHK
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4月1日スタートの朝ドラ「なつぞら」でヒロインの奥原なつを演じる広瀬すずさん (C)NHK

 女優の広瀬すずさんが主演を務める2019年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」が4月1日にスタートする。昨年6月に北海道の十勝でクランクインし、すでに9カ月が経過。ヒロインの奥原なつとして過ごす日々について、広瀬さんは「まだ、大変だなってあまり感じないですし、逆にこんなに楽しいんだって、聞いていた話とはちょっと違うというか(笑い)。一日中、お芝居をさせてもらっている、毎日がすごく楽しい」と笑う。そんな広瀬さんに、演じるなつのことや大森寿美男さんの脚本、役を通じて触れたアニメの世界について語ってもらった。

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 ◇ヒロインのなつは「“ありがとう”と“ごめんなさい”をちゃんと言える少女」

 「なつぞら」は100作目の朝ドラで、大森さんのオリジナル作。広瀬さん演じるヒロインの奥原なつは1937年、東京生まれの設定。大空襲を生き延びるものの、両親を戦争で失う。兄・咲太郎(さいたろう)、妹・千遥(ちはる)と別れ、父の戦友だった柴田剛男に一人引き取られ、北海道の十勝地方に移り住む。柴田家の家業である酪農を手伝う中、持ち前の明るさを取り戻し、北海道移民1世である剛男の義父・泰樹から、開拓者精神とともに人生で大切なことを学んでいく。

 高校卒業後は上京して、当時「漫画映画」と呼ばれ、草創期を迎えていたアニメ業界に飛び込む。画家志望の友人・山田天陽(てんよう)から、手ほどきを受けたデッサンの腕前を生かし、自然の中での生活で磨かれたみずみずしい感性を発揮していく……というストーリーが展開する。

 演じるなつについて、広瀬さんは「“ありがとう”と“ごめんなさい”をちゃんと言える少女。子供のときに家族と離れてしまったことで、ずっと周りに気を使っているような、自分で勝手に距離を作ってしまう性格ではあるのですが、自分が幸せだってことを言葉や表現でちゃんと相手に伝えることもできる」といった印象を抱く。

 似ているところを聞かれると、広瀬さんは「自分はあんなにいい子じゃないんだろうなって思います」と苦笑い。一方で、「そこに、なつがいるだけで、みんなも感じるものがあって、だから自分も頑張ろうって思うし、本当に太陽のような子。私も見習わなくちゃなって思うような、本当にすてきな女の子だなって思います」と自分のことのようにうれしそうに話していた。

 ◇大森寿美男脚本に毎回「心をやられている」 アニメーター役で描く練習に没頭…

 03年度後期の朝ドラ「てるてる家族」や、07年放送の大河ドラマ「風林火山」などで知られる大森さんの脚本の印象は、広瀬さんによると「すごく真っすぐ」。毎回ページをめくるたび「『うわー』って心をやられている」という。

 「読んでいて登場人物全員の気持ちがよみがえるというか。切なさもすごく描かれていて、一人じゃ耐えきれなくなって、マネジャーさんや事務所の社長さんに『私、涙が止まらなくなったんです』って伝えましたし、読み始めると止まらなくなるというか。一人一人の裏の感情まで見える、人の幸せを自分の幸せのように感じる登場人物が多い印象で、早く世の中に届けたいって感情が台本をもらうたびに芽生えます」とすっかり魅了されている様子。

 また広瀬さんは今回、役を通じてアニメの世界にも触れているところ。「なんかすごいんですよね、1人で何千枚も画(え)を描かれて、それをつなげて動画にしている。劇中で描いているシーンの撮影も多くて、人が振り向く動作だけでも20~30枚の画が必要。そういった世界なので、繊細な作業というか、練習で描くのがすごく楽しい」と笑顔を見せる。

 描く練習をしていると「2、3時間があっという間」といい、「ほぼ無言で、話しかけられても、描きながら。私、集中すると他のことが手につかないタイプではあるんですけど、本当に無心になれる。こんなに細かい世界なんだって圧倒されて、今アニメーションがたくさんある中、1本の作品どう作られているのかが分かる。だからこそ、今の時代に届けたいっていうシーンがたくさんあると思います」と力を込めていた。

 「なつぞら」は全156回を予定。4月1日からNHK総合で毎週月~土曜午前8時ほかで放送される。

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