テレビ試写室:「東京独身男子」 超ハイスペックだけど“こじらせ”? 愛すべき男子たちが恋愛荒野に

連続ドラマ「東京独身男子」の第1話の一場面=テレビ朝日提供
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連続ドラマ「東京独身男子」の第1話の一場面=テレビ朝日提供

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は13日午後11時15分から放送される、俳優の高橋一生さん主演の連続ドラマ「東京独身男子」(テレビ朝日系)の第1話だ。

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 ドラマは、高橋さん、斎藤工さん、滝藤賢一さんの3人が演じるあえて結婚しないアラフォーの“AK男子”の本音を描くラブコメディー。高橋さんは巨大銀行勤務の石橋太郎、斎藤さんはバツイチで審美歯科クリニック院長の三好玲也、滝藤さんは大手法律事務所のボス弁護士・岩倉和彦をそれぞれ演じる。

 AK男子の3人は、ビジュアル、キャリアともにハイスペック。しかも、家事も自分でこなしてしまうというから、女性の取り付く島もない……と思いきや、どこかしらをこじらせてしまっている“こじらせ男子”でもある。3人は「結婚は女に自由を与え、男から自由を奪う」といい、独身生活を謳歌(おうか)しているようだが、第1話を見ると、実は強がりやかっこつけている部分もあるのではないかと思えてくる。

 高橋さん演じる太郎は、仕事中は非常にスマートだが、恋愛となるとなかなかうまくいかない。元恋人の竹嶋舞衣(高橋メアリージュンさん)に偶然再会した後に心揺さぶられる様子は、愛らしいとさえ思えてくる。太郎らAK男子3人は、自身に降りかかった出来事をきっかけに結婚を意識せざるを得なくなり、“恋愛荒野”に乗り出していく。超ハイスペックだけれど、どこかをこじらせている男子たちが、アラフォーにして四苦八苦しながら戦う。このドラマは、愛すべき男子たちの戦いを見守るという楽しみ方もできるのではないだろうか。

 AK男子を取り囲む女性キャストも魅力的だ。女優の仲里依紗さんが玲也の妹の三好かずな役、高橋さんが太郎の元恋人で、旅行会社勤務の竹嶋舞衣役、桜井ユキさんが岩倉の事務所に所属する美貌のやり手弁護士・日比野透子役で出演。特に仲さん演じるかずなが、女性視聴者目線で夢見がちなAK男子たちに厳しい意見を突きつける姿は痛快だ。

 ドラマの脚本を手がけるのは、「中学聖日記」「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(ともにTBS系)などの金子ありささん。「昭和元禄落語心中」(NHK総合)などのタナダユキさん、「未解決の女 警視庁文書捜査官」(テレビ朝日系)などの樹下直美さんらが監督を務める。女性制作陣によって、アラフォー独身男性の本音を描くという試みも面白い。“新たな男性ゾーン”AK男子が、どんな人生観、恋愛観をドラマで見せてくれるのか、注目だ。

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