あなたの番です:原田知世&田中圭夫婦の“違和感” “袴田吉彦殺し”の舞台裏も Pが語るキャスティングのキモ

連続ドラマ「あなたの番です-反撃編-」の一場面=日本テレビ提供
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連続ドラマ「あなたの番です-反撃編-」の一場面=日本テレビ提供

 女優の原田知世さん、俳優の田中圭さんダブル主演の連続ドラマ「あなたの番です」の新章「あなたの番です-反撃編-」(日本テレビ系、日曜午後10時半)が6月30日、スタートする。16日までの第1章は、ダブル主演の一人である原田さん演じる手塚菜奈の死という衝撃のラストを迎えた。ドラマを手がける鈴間広枝プロデューサーは「原田さんにオファーする際は第10話(第1章最終話)までのプロットをお見せして、引き受けていただいた」と明かす。新メンバーも参戦して盛り上がる「反撃編」突入を前に、キャスティングや制作の舞台裏について聞いた。

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 ◇原田知世&田中圭のキャスティングのキモは違和感

 ドラマは、複数の人物が殺害相手を交換して殺し、容疑者を特定されにくくする「交換殺人」が題材。原田さん演じる菜奈と、田中さん演じる翔太という新婚夫婦が、引っ越し先の分譲マンションで起きた連続殺人の謎に挑む姿が描かれるミステリーで、秋元康さんが企画・原案を手がける。同局では約25年ぶりとなる2クール(4~9月)連続ドラマだ。

 田中さん演じる翔太は、とにかく菜奈のことが大好きで、第1章ではピュアすぎるほどに菜奈を信じ、愛情を注いだ。鈴間プロデューサーは「圭さんはすごく柔軟なんです。根に持っていらっしゃる柔らかさや明るさと、キャラクターをシフトチェンジできるお芝居の幅がある。翔太はこれからどんどん違う表情を見せていく振り幅のあるキャラクターです。“菜奈ちゃん大好き!”な可愛い翔太も、根っこにある柔らかさをなくさずに反撃に燃える強い翔太も演じていただけると思い、オファーしました」と明かす。

 田中さんの出演が決まった時、「相手役に年の近い女優さんをキャスティングするのは“置きにいっている”感じもしますし、ぱっと見た時に『夫婦?』と思うような“違和感”のある姉さん女房がいいかなと考えました。ドラマを『見てみようかな』と思ってもらうための違和感です」と鈴間プロデューサー。

 「そこで、年上ではあるけれど、いつまでも少女のような雰囲気をお持ちの原田さんにオファーをしました。民放に出られることは少ないので、ダメ元ではあったのですが、前半10話のプロットをお渡ししてオファーしたところ、移動の新幹線の中で一気に10話分読んでくださり、『すごく面白いからこれはやりたい』と引き受けてくださいました」と語る。

 原田さん演じる菜奈は、野間口徹さん演じる細川朝男と離婚できずにいるという秘密があったが、企画段階からその設定はあったという。それもあって、当初はマンションの住民が自分が殺したい相手の名前を紙に書いて交換する交換殺人ゲームで「菜奈が殺したい相手として名前を書いたのは自分なのではないか」と翔太が疑い、夫婦間でも疑心暗鬼が起こるというプロットがあったそうだ。

 しかし、そのプロットを変えたのが、田中さんが作り上げた「思った以上にピュアな翔太」だった。「田中さんが演じる翔太は、私たちが信じられないぐらいの力で菜奈ちゃんを愛しているなという感じがあって、『翔太は疑心暗鬼にならないよね』と。それは田中さんに演じていただいてキャラクターが生きてきた部分です」と明かす。新章の「反撃編」では、そこまで愛していた菜奈を失い、さらに変化する翔太が見られそうだ。

 ◇話題となった「俳優・袴田吉彦」の死 本人からは「ありがとう!」

 第1章では、俳優の袴田吉彦さん演じるマンションの住民・久住譲もSNSなどを中心に話題になった。久住は、「俳優・袴田吉彦」に顔がよく似ていて、それゆえに日常生活に支障が出ているというキャラクターで、交換殺人ゲームでは殺したい相手に「袴田吉彦」と書いた。そして、何者かに「俳優・袴田吉彦」が殺されるという驚きの展開が描かれた。

 鈴間プロデューサーは「交換殺人ゲームの参加者として、『芸能人と似ていて迷惑していて、殺したい相手にその芸能人の名前を書いてしまう』キャラクターを考えていました。ただ、そもそも似ていて迷惑というのは失礼な話ですから……。誰がこの1人2役をやってくれるだろうかと考えまして、袴田さんにお願いしたら快く引き受けてくださいました」と明かす。

 袴田さんには、「俳優・袴田吉彦」の描かれ方や、その顛末(てんまつ)も全て伝えた上でオファーしたという。第5話で「俳優・袴田吉彦」が殺害された際にはTwitterで「袴田吉彦」がトレンド入り。鈴間プロデューサーが「トレンド入りしましたね」と袴田さんに伝えると、「ホント殺してくれてありがとう!」と喜んでいたという。

 ドラマでは、原田さんに田中さん、袴田さん、また“ミキサー主婦”榎本早苗役を怪演した木村多江さんなど、多くの演技派が出演している。そして、そのほとんどがまだまだ謎の多い“怪しい住人”だ。「反撃編」について「後半は、毎週死にません。これだけ死んでしまって謎がてんこもりなので、その謎を一つずつ解いていく後半戦になります。交換殺人ゲームがどうなっているのか、この中に一番悪いやつがいるんじゃないか、そいつは誰なんだみたいなことが分かってくる後半戦です。キャラクターの一人一人も粒立ってきますね」と見どころを語った。ミステリーの謎解きはもちろん、俳優陣の演技にも注目だ。

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