宮藤官九郎:「いだてん」執筆の裏に「幻の東京五輪」 “田畑”阿部サダヲ「これからむしろ本領発揮」

「大河ドラマ『いだてん』プレミアムトーク in Nスポ」に登場した宮藤官九郎さん(左)と阿部サダヲさん
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「大河ドラマ『いだてん』プレミアムトーク in Nスポ」に登場した宮藤官九郎さん(左)と阿部サダヲさん

 NHKの大河ドラマいだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の脚本家・宮藤官九郎さんとドラマ第2部の主人公・田畑政治を演じる俳優の阿部サダヲさんが、7月21日に東京・渋谷ヒカリエで開催されたイベントでトークショーを行い、ドラマの舞台裏などについて語った。

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 宮藤さんと阿部さんのトークショーは、「大河ドラマ『いだてん』プレミアムトーク in Nスポ」と題され、2020年の東京オリンピック開幕まで、あと1年となることに合わせて開催されたNHKのスポーツ総合イベント「Nスポ!2019-SHIBUYA-」内で実施された。

 「いだてん」執筆の一つの大きなきっかけに、戦争の影響で中止となった1940年の幻の東京五輪があったという宮藤さん。「“1940年に東京にオリンピックが来る予定だった”ということで、意外とみんな知らなかったりするんですよね。そこに新聞記者として、なおかつ体協の人として存在していた田畑さんが受けた心の傷やもどかしい気持ちを、最終的に1964年に持っていくというのは、すごく真面目な役なんですけれど、さすがに田畑さんを演じているのが阿部君なので、暗いだけにはならないんですよ。暗い時代と一人で闘っていたのが田畑さんなので。日本を明るく、明るくと。これからむしろ本領発揮という感じです」とアピールした。

 劇中での田畑(阿部さん)は、まくしたてるような早口でしゃべるのが特徴で、宮藤さんは「一回につき(ドラマの尺に対して)5分から10分台本が長いって言われる」としながらも、「2部からは(主役は)阿部君だってわかっていたので、(長さは)なんとかなるだろう」と楽観していたという。

 また、「田畑さんの資料はあまり多くないんですが、だいたい人が田畑さんを評する時に、『(早口すぎて)何を言っているか分からない』『“あれ”や“それ”が多い』と。何を言っているのか分からないといってもさすがに限度があるだろうと思ったのですが、実際の田畑さんの映像を見たら、本当に何を言っているか分からないんですよ」と田畑の早口は“史実”であることも強調。

 さらに「ほかにも、手記にあったたばこを逆さにくわえたというエピソードや、口癖、田畑さんのご遺族の『こんなことできる? できないよぉ~!』というしゃべり方は、そのまま生かしています。早口は(阿部さんなら)大丈夫だろうなと思っていました。それと、どんなひどいことを言っても、可愛げがあるというか、チャーミングさでごまかせる。完成したドラマを見て『ひどいこと言ってるな』と思うと、大体台本どおりなんですよね」と笑っていた。

 一方、阿部さんも「脚本が宮藤さんなので、絶対的な信頼をしているので、何も考えなかったですね。田畑さんは何を言っているのかわからないくらい早口で、とにかく熱い男だと。書いてある通りのことをやっています」と宮藤さんの意見に同調。台本が長いことも「早口でしゃべって巻けば、入るんですよ」と問題視せず、「よくできてるんですよ、台本が。どうやって書いてるんですかね? だから細かいところを忘れないようにしてほしいと思いますね」と話した。

 さらに、阿部さんは「来年オリンピックが来ますが、みなさんどうやって招致されるかなどの裏方のことは分からないのではと思うので、そういうところを見ていただきたいです。来年と重なるところもあるので、『こういうことがあって今があるんだな』というのを、ぜひ見てほしいと思います」と呼びかけていた。

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