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犬飼貴丈:「なつぞら」“天陽の兄”として… 死を告げるシーン「心はぐちゃぐちゃでした」

テレビ
NHK連続テレビ小説「なつぞら」に山田天陽の兄・陽平役で出演中の犬飼貴丈さん (C)NHK

 女優の広瀬すずさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」に、吉沢亮さん扮(ふん)する山田天陽の兄・陽平役で出演中の犬飼貴丈さん。ドラマ屈指の人気キャラとなった“天陽くん”の兄であること以外、人柄などが伝わるエピソードが乏しい中、どういった思いを抱きながら役を演じてきたのか? 一つのクライマックスとなった9月3日放送の第134回、なつ(広瀬さん)に弟の死を告げるシーンを振り返り、「一番つらい役を担っているなって感じて。陽平自身、天陽の死を受け入れられていない状態だけど、なっちゃんに知らせてあげなくてはいけないという使命感もあって。僕もそこは覚悟を決めて、折り合いをつけてやらなくてはと思ってはいたんですけど、心はぐちゃぐちゃでしたね」と明かす犬飼さんに話を聞いた。

 ◇天陽への「負い目」を抱きながら…

 なつをアニメーションの世界に引き入れた人物として、真っ先に仲さん(仲努、井浦新さん)の名前が挙がるが、そんな2人を引き合わせたのは陽平で、今や立派なアニメーターになったなつにとって、陽平は恩人の一人であることは間違いない。その点について犬飼さんは役作りの核に「なっちゃんへの愛情は常にありました」と認める。

 一方で、弟・天陽への思いは複雑だ。もちろん、家族として多大な愛情はあったはず。それでも、天陽を北海道に(たとえ天陽自身が望んだとしても)“縛り付けてしまった”という「負い目」は、役を通して常に感じていたようで、犬飼さんは「陽平は、もし自分が東京に出てこないで北海道にいたら、天陽の人生はまた違った形になっていたんじゃないか、という思いをずっと抱えながら生きてきていて。その部分はあまり描かれてはいないけど、自分が画面に登場したときは、そこをどこまで出せるかというのは常に意識していました」と振り返った。

 陽平の心の苦しさに加え、彼の人物像に迫るシーンの少なさも、犬飼さんを悩ませたといい、「やっぱり自分で構築していかなくていけないキャラクターだったというのが僕にとっては大きくて。描かれていない分、自分で補完しながらやってしまってはいたんですけど……。ただ変に作り過ぎて、これは違うって言われないよう、台本の行間までをしっかりと読み込んで、自分が作った陽平が勝手に独り歩きしないようにというのは考えました。同じように撮影期間が長かった『仮面ライダービルド』と比べても、役の自由度が高い分、それてしまうとダメなんだなってことをすごく感じた現場でしたね」と語った。

 ◇天陽と陽平もお互い絵を描くことでつながっていられた

 北海道で生きる道を選んだ天陽の転機を、家族の一員としてなつに伝えるという側面もあった陽平。それが結婚であろうと、死であろうと、良くも悪くも損な役回りになってしまった感は否めない。それでも、8月10日放送の第114回、なつの結婚式でのシーン、9月2日放送の第133回、病院でのシーンで実現した兄弟の会話にはどこか心温まるものがあった。

 その第133回では「なっちゃんと俺は会えなくたって、絵を描いていればそれで十分なのさ」と話す天陽を、どこか切なそうに見つめる陽平の姿が印象的でもあったが、犬飼さんは「天陽となっちゃんがそうであったように、天陽と陽平もお互い絵を描くことでつながっていられたんだと思います」と陽平の気持ちを代弁した。

 ◇「大草原の少女ソラ」への参加は「陽平なりの罪滅ぼし」

 また同回では天陽が「風景画を描く時は、いつも兄ちゃんのことを思い出す」「アニメーションの背景なら、こういうとこに、昔のなっちゃんを歩かせたりして……。そしたら面白いだろうな」といったせりふを通して、陽平に“何か”を託すような描写もあった。その“何か”の答えは、いま陽平がマコプロダクションの一員として取りかかっているアニメ作品「大草原の少女ソラ」の中にあるような気がしてならない。

 犬飼さんは、陽平が美術監督として「大草原の少女ソラ」の制作に携わるようになったことについて「天陽に対する贖罪(しょくざい)」と表現。「最後の最後『大草原の少女ソラ』という作品をみんなと一緒に手掛けて、それを終わらせることによって、自分の中での枷(かせ)が外れるというか。そこでようやく陽平自身、自分の人生を歩み始めることができる。山田陽平という一人の人間として真っさらな状態になれるっていう意味での、一つの終着点。『この作品を天陽にささげます』っていうせりふもあるんですけど、天陽に負い目を感じながら生きてきた陽平なりの罪滅ぼしであり、最後の恩返しではないかと僕は思います」としみじみと話す。

 最後に「なつぞら」というドラマのテーマの一つである「開拓精神」について聞くと、「なつに限らず、みんながみんな、どこかで何かを開拓をしているというか。誰しもが開拓してきたんだなってことが終盤にきて特に感じて、みんなを間近で見ていると、いろいろな思いがひしひしと伝わってきました。その気持ちは、自分自身も演じることができたと思っています。僕も今後、俳優として、一表現者として大切なことを学ぶことができましたし、自分で自分の道を開拓していけるように頑張りたいと思っています」と力を込めていた。

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