華大さんと千鳥くん
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4月28日(火)放送分
ピアニストの清塚信也さんが8月に日本武道館(東京都千代田区)で行った単独公演の模様が、10月12日にWOWOWで放送される。邦人男性クラシックピアニスト史上初となる日本武道館単独公演で、放送を前にコンサートを振り返ったインタビューが公開された。
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――初の日本武道館公演を終えて、どんなお気持ちでしたか?
不思議な感覚でしたね。「武道館だから」という重みももちろんあるんでしょうけども、こんなにも演出から何から、いろいろな人が携わってくれて、皆で作り上げるコンサートは普段はあまりないので。僕もチームプレーの中の一人にすぎず、「俺が成功させたんだ!」という思いはほぼなかったです。それが楽しかったし、幸せでした。
――コンサートはクラシックで幕開け、ドラマ「コウノドリ」などの劇伴音楽やロックも交え、ジャンルを超えて展開。セットリストは何を軸に組み立てられたのでしょうか?
今まで僕を起用してくれたり目を掛けてくれたりした方々へのお礼、という思いが実はありました。ドラマや映画、コンサートなど、いろいろな形で作らせていただいた曲たちを武道館という場で演奏して、総集編という一つの形にしたかった。なるべく多くの、今までお世話になった方々へのお礼を言いたいな、と思っていたんです。
――幼い頃からクラシックの英才教育を受けて来られた中で、一見対極にあるようなロックへの思いはどのように育まれたのでしょうか?
僕の母親も「ロックをあまり聴くな」と言うタイプで、クラシックしか聴かせてもらえず、その反動もあったのでしょうが……いいロックを聴いている時って、実は驚くほどクラシックと通ずるものがあるんですよね。逆にクラシックの作曲家も、もし300年命があって現在もまだ作曲していたら、ロックにたどり着いたんじゃないかな?という思いもあるし。ベートーベンの「月光」の第3楽章、「熱情」の第3楽章などを聴いていると、「ピアノじゃ足りない!」というような思いを感じるんですよ。また、僕にとって音楽というのは人とつながるためのもので、「ピアノが弾きたくてやっている」という感じでもなくて。ロックの人と人とをつなげる力には、クラシックにはないすごさがあるので、そこへの憧れというのもありますね。
――ジャンルを超えて人と人とをつなぎ、クラシック音楽を広めたい、という使命感もあるのでしょうか?
それはあまりなくて、結果的にそうなっている、という感じですね。中学生の頃、コンクールで難しい曲を演奏して1位を初めて取った時、演奏会でその曲を弾き出したら、会場の人たちの頭の中に「?」マークがババババッとつくのが分かって、すごくショックだったんです(笑い)。そこで僕は、「これは、うまく弾く前に、どれだけいい音楽かを説明する必要があるぞ」と感じたんですね。僕の今の活動が“クラシックを広めている”ように見えるとしたら、そこがルーツだと思っていて。やっぱりまずは知ってもらわないと。
――コンサートではトークの時間も充実。いつ、どのように話術を磨き上げられたのですか?
母が怖かったので、母への言い訳を考えていた子供時代じゃないですかね(笑い)。中学生の時に「話しながらコンサートしなきゃ」と感じた時、「恥ずかしいことはできないな。しゃべるからには何かしらの形にしなくては」という意識はすでにあって。ステージの上に立ったら、歩く動作から何からすべてショーの一つだ、と僕の師匠の中村紘子さんもおっしゃっていましたし、「俺はピアニストだから、しゃべりが面白くなくたってしょうがない」とは最初から捉えていなかったです。それであれこれやっているうちに「笑いを取る」という方向に……(笑い)。もちろん誰かに弟子入りしたこともなく(笑い)、自分なりに落語を聴いたりバラエティー番組を見たりして学んでいき、開拓していきました。でもやはり、笑いを取れた時が一番「良かった」と言ってもらえることが多いし、(お客さんの)心が開いて演奏を聴いてくれている感じがあった時なんですよね。
――やはり、常にコミュニケーションを大切になさっているんですね。
僕は、人とつながることの他に「財産になったな」と思うことが人生においてないんですよ。車を買ったとかいい服を買ったとか、そんなことは全然自分の財産になっていなくて。宝物になったものといえば、人との思い出ばかりですから。これはもう音楽家を超えた話で、生きていることのアイデンティティーが、僕にとっては「深く人とつながること」しかないので。音楽は、人とつながるための材料なんです。
――WOWOWのオンエアを通じてコンサートをご覧になる方へ、メッセージをお願いします。
たぶん、武道館でインストはあまり聴けないと思うんですね。このコンサートでは、“楽器の音楽”がどれだけの可能性を持っているか?を打ち出せたと自負しております。ピアノだけ取っても、クラシックからオリジナル、ソロからバンドから、連弾、バイオリンとの共演などいろいろな表情を見せるので、「ああ、音楽ってこんなに可能性があるんだ」と改めて、このコンサートを見て感じていただければ、と思っております。
番組「清塚信也 KENBANまつり in 日本武道館」は、WOWOWライブで10月12日午後5時放送。
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