孤独のグルメ:200個以上も試食…ついに松重豊念願の「ロールキャベツ」登場 地道な店選びの裏側

松重豊さんの主演ドラマ「孤独のグルメ Season8」第3話の1シーン(C)テレビ東京
1 / 9
松重豊さんの主演ドラマ「孤独のグルメ Season8」第3話の1シーン(C)テレビ東京

 主人公・井之頭(いのがしら)五郎を演じる松重豊さんが、ただひたすら一人でおいしいものを食べ続ける姿を描く連続ドラマ「孤独のグルメ」(テレビ東京系)。10月18日放送の第3話では、松重さんがずっと食べたかったという「ロールキャベツ」が、シーズン8にしてついに登場。長年探し求め、スタッフは「200個くらい」食べたという逸品に、松重さんはどんな反応を示したのか。また、番組で取り上げる店はどのように決めているのか。ドラマを手がける小松幸敏プロデューサーに聞いた。

ウナギノボリ

 ◇ロールキャベツは「立地的にも面白いお店」

 「孤独のグルメ」は久住昌之さん原作、谷口ジローさん作画の同名グルメマンガをドラマ化。輸入雑貨商を営む五郎が営業先で見つけた食事処(どころ)にふらりと立ち寄り、1人で食事する姿を描く。2012年1月期に第1弾が放送され、今回のシーズン8は、連続ドラマとしては約1年半ぶりとなる。

 第3話「東京都中央区銀座のBarのロールキャベツ定食」では、ロールキャベツが登場。番組の予告動画では、「俺は今 キャベツの優しさに つつまれている」と一句詠む五郎の姿も公開されている。

 シーズン5、7、8と参加してきたという小松プロデューサーは、「シーズン5で(チームに)入ったときに、(スタッフの)皆がロールキャベツ、ロールキャベツと言っていて、なんでこんなロールキャベツを探しているんだろうって思ったら、(松重さん)ご本人が食べてみたいということだった」と振り返る。

 「食べてみたいとリクエストされると、本当にこれでいいのか、これじゃない、って言われたらどうしようっていうのがあって、なかなか踏み切れないところがあった」と明かしつつも、「今回探していた中で、立地的にも面白いお店があった」と手応えを語る。

 ◇料理ファーストの精神「“発見”を大事に」

 小松プロデューサーによると、「孤独のグルメ」の放送が決まると、まずは全12話分の料理のラインアップをある程度決めていく。ロールキャベツは「毎回必ずラインアップに入っていた」というが、「いつも決定打に欠け、全然(番組に)出てこない(笑い)」と振り返る。

 番組で取り上げるのは、原作に登場していない店というのが大前提。「サラリーマンの男性一人で入れる店」と、「こんなところにお店があったんだという“発見”を大事にしている」という。“発見”を大事にしていることから、「あんまり大通りとかではなく、一本路地裏みたいなところがあるのかな」と話す。

 場所については、「シリーズを通して、あまり駅かぶりをしないようにしよう」というルールがあるというが、基本は「おいしいものがあればどこでも(OK)みたいなところがある」と話す。「この近辺やっていないから探してみようと思っても、なかなか出てこない。料理発信」と“料理ファースト”の精神だ。

 ◇常連客に協力してもらうことも

 そして、「なんとなく下調べして、こんな店があるんだという情報だけは持って、街に行ってみる。あとは足で探す」という。番組を手がける菊池武博プロデューサーを筆頭に「皆で探している」といい、「制作(スタッフ)とプロデューサーほぼ全員で行ってみて、実際に食べてみる。狙いをつけていくのですが、ちょっとちがうな~というものもあったりする。ある程度店にあるものは全部食べようと思うので、(量的にも)皆で行かないと。何班かで手分けして行きます」と明かす。

 苦労しながら見つけた店でも、さまざまな理由で、番組出演を「断られる」こともある。なかには、一度断られた店でも、何年越しで「撮影OK」となることもあったといい、「常連さん、お客さんのほうが(店のことを)知っていたりする。お客さんと仲良くなったら、お客さんのほうからアプローチしてもらう(こともある)」と明かす。

 スタッフは、シリーズを通して「ずっと店探しをやっている」といい、「全般的に皆太りました」と苦笑い。「なんでこんな大変なこと始めたんだろうな~」と本音を漏らすほど、地道な活動を続けている。

 ちなみに、今回のロールキャベツは、「“ザ・ロールキャベツ”というよりかは、お母さんが作る家庭のロールキャベツのようなもの」だといい、「ご本人もおいしかったと言っていた。良かったと思った反面、あんなに悩んでいたのはなんだったんだろう」と笑顔を見せた小松プロデューサー。念願のメニューを味わう松重さんの至福の表情に期待したい。

写真を見る全 9 枚

テレビ 最新記事