廣瀬俊朗:「ノーサイド・ゲーム」浜畑役も話題 欧州6カ国対抗戦の見どころ語る W杯&今後の目標も

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2020年1月11日放送の「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ 開幕特別番組」に出演する廣瀬俊朗さん=WOWOW提供

 ラグビーの欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」の全15試合が、2020年2月1日からWOWOWで放送される。「ラグビーワールドカップ2019」で準優勝のイングランドほか、ウェールズ、フランス、イタリアなどが参加する。来年1月に、6カ国対抗戦の魅力や出場国を紹介する無料特別番組も放送され、元ラグビー日本代表キャプテンで「ラグビーワールドカップ2019」のアンバサダーも務めた廣瀬俊朗さんらが出演。今年7月期に放送された連続ドラマ「ノーサイド・ゲーム」(TBS系)で「アストロズ」の浜畑譲を演じ話題となった廣瀬さんが、6カ国対抗戦の見どころ、「ラグビーワールドカップ2019」の日本代表の活躍、今後の活動についても語った。(以下原文のまま)

 ◇ラグビーの素晴らしさや価値を広めたワールドカップ

 --ラグビーワールドカップ日本大会はどんな大会でしたか?

 廣瀬:日本のみなさんにラグビーの素晴らしさや価値を十分体感していただけた、本当に素晴らしい大会でした。世界のラグビーファンも日本に来て人々のおもてなし、食事、会場の雰囲気などに喜んでいただけたのではないでしょうか。そして何よりも日本がベスト8に進出し、素晴らしい戦いを見せてくれたことも本当に良かったです。大会の成功の指標は「お客さんがどれだけ入るか」ということでしたが、十二分に達成できましたし、ラグビーをやりたいという子どもたちも増えたので、その点でも成功したという実感があります。ラグビー用語が流行語と化していることも、街ですれ違う方がラグビーの話をしていることも、むちゃくちゃ嬉(うれ)しいですね(笑)

 --今回の日本代表はどのあたりに強さが見られましたか?

 廣瀬:2015年のワールドカップもそうでしたが、日本代表の規律の正しさ、運動量、みんなで連動性を高めるところは変わらず素晴らしいところでした。そこに主体性が加わり、試合中に少し良くない状況になっても選手が集まって修正して、状況を打破していったところは成長だと思っています。

 --日本で急増したラグビーファンに、改めてラグビーの魅力をお聞かせください。

 廣瀬:今回、ラグビー選手が持っている「相手を大事にする精神」や「違いを受け入れること」、「試合が終わったら互いを称(たた)え合うこと」、といったところに価値を見出していただけたと思っています。4年間準備して国を背負って戦うこと、怖さに打ち克(か)ってタックルする様、そういったところにも共感していただけたのではないでしょうか。

 --今後の日本ラグビーに期待することを聞かせてください。

 廣瀬:ベスト8に入ったことで多くの日本の方に知っていただける機会になりましたので、代表が強いというのは本当に大事なことだと痛感しました。今後も定期的に強いチームと対戦できる環境を作っていくことが必要です。また、計画中の日本のプロリーグも詳細はまだですが、ラグビー自体で稼げるような仕組みを作ることも必要不可欠です。

 ◇新たなスターの登場も!? 「シックス・ネーションズ」は例年以上に見どころ多し

 --来年2月1日開幕の「シックス・ネーションズ」について伺います。ワールドカップではイングランドが決勝に、ウェールズが3位決定戦に進むなど躍進した欧州勢ですが、まずは日本と対戦したアイルランドについて、その印象と日本代表戦後の評価をお聞かせください。

 廣瀬:日本代表には12-19で敗れましたが、もともとFW(フォワード)が強いチームで、タフで何事にも耐え忍んで打ち克つといった特徴があるチームですね。そこからSO(スタンドオフ)ジョナサン・セクストン選手、FB(フルバック)ロブ・カーニー選手、SH(スクラムハーフ)コナー・マレー選手らBK(バックス)にもタレントのある選手が揃(そろ)っていて、どんどんボールを動かすようになって、対戦相手からすればすごく嫌なチームになったという印象を受けていました。これまではあまりうまくいかない時にSOセクストン選手が試合中に修正して勝ちを拾うことができていましたが、日本代表戦は欠場していましたし、他の試合でもその修正があまりできなかった。通常のテストマッチであればもしかしたら修正できたかもしれません。それも4年に1回のワールドカップという舞台の面白さでもあり、恐さでもありましたね。

 --抜けてしまう選手も多い中、今後の活躍も期待される注目選手を教えてください。

 廣瀬:WTB(ウイング)ジェイコブ・ストックデール選手はいいところもありましたね。ただ、これまでのシックス・ネーションズほどのパフォーマンスは見せられませんでした。世代交代をどうしていくかがこれからの4年間、大事になります。特にSOセクストン選手が代表を去った次の10番を誰が付けるのか。そしてHO(フッカー)ローリー・ベスト選手という偉大なキャプテンが引退しましたので、次のキャプテンも大事ですね。そのあたりも楽しみにしています。

 --続いてスコットランドです。戦いぶりをどうご覧になっていましたか?

 廣瀬:本当に素晴らしいラグビーを見せてくれました。昔はFWのパワーとキックの印象が強いチームでしたが、近年はSOフィン・ラッセル選手やFB(フルバック)スチュアート・ホッグ選手、日本代表戦には出ていませんでしたがWTBショーン・マイトランド選手などアウトサイドにいい選手を揃えて、ボールをよく動かすチームになりました。個人的にはすごく好きなラグビースタイルのチームになってきました。ワールドカップでの出場機会は少なかったですが、SHアリ・プライス選手もいいパフォーマンスをしていましたし、他にもいいランナーが揃っています。日本代表には負けてしまい(●21-28)ベスト8には行けませんでしたが、素晴らしいラグビーを見せてくれましたし、今後もっと強くなるチームだと思っています。

 --続いてはイングランドです。ワールドカップの決勝に至るまでの快進撃をどうご覧になりましたか。

 廣瀬:エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が4年間しっかりと準備してきたことに尽きるでしょう。もともとイングランドの選手はフィジカルが強く、それを存分に生かしたラグビーをしている印象です。今回のワールドカップはマコ・ヴニポラ選手とカイル・シンクラー選手という、ボールキャリーもできればパスもできるPR(プロップ)の存在が大きかったですね。フィジカルだけではなくパスのスキルもかけ合わさったことで、ボールがより動くようになりました。そのようなラグビーができるようになったことが強さの要因でしょう。もう一つその要因を挙げるとすれば、強靭(じん)なフィジカルを活かしてディフェンスでも強さを見せていることです。キックであえてボールを相手に渡して、そこからラインスピードを上げてどんどん相手にプレッシャーをかけて、相手に蹴らせてそこから攻撃するという、アンストラクチャー(陣形が整っていない状態)の状況を作ってチャンスメークできるようになりました。戦術の幅がどんどん増えて、どのチームにとってもすごく手強い相手だと思います。

 --そんなイングランドの注目株を聞かせてください。

 廣瀬:大会前から注目してきたのはバックロー(FW第3列)です。FL(フランカー)トム・カリー選手とサム・アンダーヒル選手、そしてNo.8(ナンバーエイト)ビリー・ヴニポラ選手ですね。ニュージーランド戦では相手のNo.8キアラン・リード選手をまったく目立たせないほどのパフォーマンスを見せていました。アタックでのボールキャリーだけでなく、ディフェンスも素晴らしかったです。特にFLの2選手はまだ若く、バイタリティを感じましたので、これからどうなるのかすごく楽しみですね。

 --続いてウェールズです。準決勝で16-19と南アフリカに大健闘しました。

 廣瀬:結果的にはベスト4でしたが、試合内容としては少し南アフリカに押されている中で最後の最後までもつれる展開に持っていけるウェールズは、本当にしぶといチームだと感じました。予選プールではオーストラリアにも勝ちましたが(○29-25)、前半からどんどん相手をドミネート(制圧)して、ドロップゴールも蹴ってと、戦術的に巧みだなという印象を受けました。

 --フィジカルの強い南アフリカに健闘できた理由はどこにあったのでしょうか。

 廣瀬:ヨーロッパのチームは、アイルランドやスコットランドもそうですが、タフで何とかしがみついて耐え忍ぶという気質が伝統的に培われているように思えます。つまりメンタル面の強さですね。そこにゲーム巧者のSOダン・ビガー選手がいます。状況を把握してキックを蹴るなどのプレー選択の判断も含め、いいチームだと思います。今後はLO(ロック)アラン・ウィン・ジョーンズ選手に続く次のキャプテンが誰になるのかが鍵です。ラグビーはやはりキャプテンがチームを象徴する存在なので、次にどういうリーダーが生まれてくるかが注目したいところですね。

 --フランスは準々決勝で惜しくもウェールズに敗れました。

 廣瀬:フランスはフランスだった、というのが率直な印象です。初戦はアルゼンチンに勝って(○23-21)いいスタートを切ったかに見えましたが、その後のアメリカ戦(○33-9)もトンガ戦(○23-21)もあまりいいパフォーマンスではないまま戦いが続き、イングランド戦は台風の影響で中止になりました。ウェールズとの準々決勝はどうなるかと思ったのですが、前半はよかったもののレッドカードが出て(LOセバスチャン・ヴァアマイナが退場)、規律が乱れて負けてしまいました(●19-20)。いい時と悪い時の波が相変わらず大きいという印象を受けました。

 --次の2023年のワールドカップはフランスで行われます。

 廣瀬:この大会での優勝がターゲットになるでしょう。SOロマン・ヌタマック選手やSHアントワーヌ・デュポン選手、若い彼らが活躍していたことは今後に向けての好材料だと思います。起用されていたのは彼らの高い才能によるものではありますが、2023年がターゲットという側面もあるでしょう。そしてフランスも他の国と同様にHOギエム・ギラドというキャプテンがチームを牽(けん)引してきましたが、今後どうなるかというところですね。

 --予選プール敗退に終わったイタリアについてはいかがでしょうか。

 廣瀬:イタリアもラグビーのスタイルが大きく変わらない印象ですね。フィジカルとセットピースとキックによるラグビーが長年続いています。強化が順調に行っているかどうか見えない部分も多いので、2023年に向けて何かしら変化が必要なチームだと思います。SOトンマーゾ・アランら個々の才能は光るものがありますが、彼らをチームとしてどう機能させるのか、というところが課題です。組織として完成度を高め、自分たちの強みを理解した上で戦えるかどうか、それを4年かけて準備できるかどうかが大事ですね。

 --改めて次の「シックス・ネーションズ」は、どんな大会になるでしょうか。

 廣瀬:ワールドカップの後には新しいスターが出てくるのが常です。選手もフレッシュな気持ちで臨むでしょうし、何が起きるか分かりません。新しいヘッドコーチのコンセプトが見える大会でもありますので、そのあたりを見て楽しんでいただけるといいと思います。

 ◇俳優としてもラグビーブームの火付け役に

 --今年は廣瀬さんにとって活動の幅が大きく広がった1年だったと思います。

 廣瀬:2019年に入って、日本でのワールドカップにすべての力を注がないと後悔すると思っていましたので、一生懸命活動してきました。以前からいろいろなイベントやテレビ番組に出てきて、ラグビーが好きな方には私の思いが届いていたかなと思っていますが、ドラマに出たことでそれまでは思いが届かなかった方々、あるいは小さい子どもたちに向けてラグビーを普及できたことは本当に嬉しかったですし、ドラマの後に開幕したワールドカップで本当のラグビーを見てさらに好きになっていただけました。日本のラグビー界にとって素晴らしい1年でしたし、選手を引退してからそれに貢献できたこともよかったと思っています。

 --今後の活動についてはどのように考えていますか?

 廣瀬:ラグビーやスポーツの価値が広まるような活動をしていきたいと考えています。2020年はセブンズもありますが、パラリンピックでは車いすラグビーが行われます。それらを広めていくのが大きなテーマです。個人的には多くの方にラグビーだけでなくいろいろなスポーツに携わってほしいと思っていますので、いろいろなスポーツが学べるようなところや、私自身の経験からキャプテンをサポートできるようなプラットフォームを作る、といったことができればと考えています。

 *WOWOWでは、シックス・ネーションズ全15試合をWOWOWプライム、WOWOWライブで生中継。2月1日に行われる第1節の「ウェールズVSイタリア」は無料放送。「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ 開幕特別番組」は1月11日午後6時からWOWOWプライムで無料放送。

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