高橋光臣&廣瀬俊朗:ラグビー「シックス・ネーションズ」生中継に出演 「ノーサイド・ゲーム」の裏話も

高橋光臣さん(左)と廣瀬俊朗さん
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高橋光臣さん(左)と廣瀬俊朗さん

 ラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」は早くも第3節を終えた。2月23日(日本時間)にロンドンのトゥイッケナム・スタジアムで行われたイングランド対アイルランドの生中継(WOWOW)には、連続ドラマ「ノーサイド・ゲーム」で、社会人ラグビーチーム「アストロズ」のキャプテン・岸和田徹を演じた俳優の高橋光臣さんがゲスト出演し、解説は同ドラマでチームメートの浜畑譲役を務めた元日本代表の廣瀬俊朗さんが担当。3トライを挙げたイングランドが24-12でホームゲームを制した後、高橋さんと廣瀬さんに試合を振り返って話を聞いた。

ウナギノボリ

 ──高橋さんは、こうしてスポーツ中継に出演されたのは初めてですか?

 高橋さん 初めてですが、めちゃくちゃ楽しかったです! しかも自分が大学生までずっとやってきたラグビーですから。それも廣瀬さんと共演できて、本当におもしろかったですね。ただ、現役時代はだいぶ古いルールでプレーしていましたし、今回のお話をいただいた当初は「何を話したらいいんだろう」という思いは正直ありました。

 ──廣瀬さんは、高橋さんと再共演してみて、いかがでしたか?

 廣瀬さん 久しぶりに会えましたし、単純におもしろくて最高でした(笑い)。本当のチームメートと再会するような感じでした。うれしかったですし、本番前もずっと2人でしゃべっていましたね。高橋さんはコメントもしっかりしていましたけど、それでいていい塩梅でおもしろいことも言っていて、うまいなあと思いました。なかなかできないことですよね。

──「ノーサイド・ゲーム」で絆が芽生えたお二人です。

 高橋さん やはり撮影が大変でしたからね。でも廣瀬さんはドラマの撮影と並行していろいろなことをやっていて、ちゃんと全部クリアしていって、すごいなと思っていました。その姿を見ながら、「自分はドラマでちゃんとキャプテンをできているのか」と自分を見つめながら励みにさせてもらっていました。

 廣瀬さん アストロズ(ドラマ内の所属チーム名)は本物のラグビー選手がほとんどで、俳優を本業としている方が少ない中、高橋さんがスタンダードを作ってくれました。それが大きかったですね。むしろラグビーの練習や撮影に俳優さんたちがよくついて来てくれたなと思いますね。めっちゃしんどかったと思いますよ。

──同い年の高橋さんと廣瀬さんは、出身も同じ大阪府です。

 高橋さん 中学時代に1試合だけ対戦したことがあったのですが、僕はその試合を外から見ていたので直接交わることはありませんでした。でも昨年、アストロズで一緒になって、初めて人柄を知るようになりました。いい意味で欲がない人で、お金で得られるものではなく、人と人のつながりや思いによって形になるものを追い求めている人、それが僕の中での廣瀬さんですね。

──それでは今回の試合についてうかがいます。高橋さんはどうご覧になりましたか?

 高橋さん 実はイングランドにもアイルランドにも行ったことがあり、どちらも好きでいい思い出があるので、イーブンに見ることができました。試合はイングランドの戦術、分析の力を感じましたね。エディー・ジョーンズヘッドコーチがそれを裏でコントロールしていたのだろうと思いますが、イングランドの選手たちがそれに見事に応えていて、アイルランドに何もさせなかったという印象でした。

──試合後の「Today’s Impact Player」のコーナーでは、あえて不調だったアイルランドSOジョナサン・セクストン主将を挙げました。

 高橋さん やはりアイルランドの中心選手ですし、前半の悪い流れを変えられるのはセクストン選手しかいなかったのでは、という思いがありました。ただ、後半9分のトライ後のキックを外したことで、立て直すのはちょっと難しいんじゃないか、という気がしましたね。

──この一戦、廣瀬さんはいかがでしたか?

 廣瀬さん イングランドはディフェンスがすごかった。ラインスピードもそうですし、アイルランドがやりたいことをさせていなかったので、思惑通りの勝利だと思います。アイルランドは戦い方を変えられなかった。昨年のラグビーワールドカップの日本戦もそうでしたが、うまくいかなかった時に誰がどうイニシアチブをとり、リーダーシップを発揮していくのかが課題だと感じました。

──廣瀬さんは元日本代表のキャプテン、高橋さんはアストロズのキャプテン役でしたが、イングランドとアイルランドの両キャプテンをどうご覧になっていましたか?

 廣瀬さん 開幕当初からセクストン選手がキャプテンとしてどれぐらいやれるのか気になっていたのですが、やはり大変そうだなと思います。一方、オーウェン・ファレル選手は“らしさ”が見えましたね。反則だと知りながら相手(アイルランドNo.8のCJ・スタンダー)の足を離さない場面がありましたが、あの強気な姿勢に彼らしさが出ていました。ファレル選手は司令塔の10番から12番になって、負担が減ったことでさらに彼らしさが出たように思えます。

 高橋さん ファレル選手はセクストン選手とは全然違うタイプのキャプテンですね。セクストン選手は引いて全体を冷静に見ていて、ファレル選手は前線にガンガン出ていって引っ張っていくタイプ。いろいろなキャプテンがいるなと今日の2人を見ていて思いましたね。

──高橋さんはスコットランド代表のファンであることを公言されていますね。

 高橋さん 映画「ブレイブハート」がきっかけでスコットランドが好きになりました。本当にいい映画なんですよ。試合の前の日によく見ていました。それに、元代表のSHグレイグ・レイドローの風貌、雰囲気が大好きなんです。

──3月8日のシックス・ネーションズ第4節、スコットランドはホームのエディンバラのBTマレーフィールドでフランスと対戦します。11月には日本代表とも同会場で対戦予定です。

 高橋さん エディンバラ、ぜひ行きたいです! BTマレーフィールドには本当に行ってみたいですね。「フリーダム!」(映画「ブレイブハート」のせりふ)と叫びたいです(笑い)。

──廣瀬さんは2013年、日本代表としてそのBTマレーフィールドでスコットランドと対戦されましたが、やはりスタジアムの雰囲気は違いましたか?

 廣瀬さん 本当にいいところですね。スタジアムに入る時も先導してくれますし、アンセム(フラワー・オブ・スコットランド)も途中からアカペラで、いい雰囲気があって。日本のラグビー界はここまで行きついていないなと感じました。

──今回のイングランド対アイルランドからも、シックス・ネーションズならではの特別な雰囲気を感じられましたか?

 廣瀬さん 歴史を感じますね。もちろんワールドカップはワールドカップで重みがあるのですが、シックス・ネーションズはこの大会ならではのタイトルへのこだわりを感じます。もちろん5試合トータルで優勝を目指すわけですが、やはり一試合一試合に懸ける思いが大きいですし、ホームでの試合はなおさら特別です。シックス・ネーションズはまさにホームを感じる大会であり、そこがワールドカップとの大きな違いだと思いますね。

 高橋さん イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドは長い歴史上、互いに敵視してきた過去がありますので、そういう見方もおもしろいと思います。今回のイングランドのホームも異様な雰囲気でしたし、8万人の「スウィング・ロウ・スウィート・チャリオット」(黒人霊歌。イングランド代表の応援歌)の合唱を現地で聞いたら鳥肌が止まらなくなるはずです。いつか生で聞いてみたいですね!

 ※……「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」は、WOWOWで全15試合を生中継。第4節のイングランド対ウェールズ戦は、WOWOWライブで3月7日深夜1時半から、スコットランド対フランス戦は、WOWOWプライムで3月8日午後11時45分から放送される。

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