北村匠海:自身についたイメージを「ぶち壊したい」 “新たな北村匠海”へ意欲 映画「ふりふら」への思いも

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映画「思い、思われ、ふり、ふられ」で山本理央役を演じる北村匠海さん

 映画「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」(2017年)、「君は月夜に光り輝く」(2019年)など数々の作品で主演を務め、今後も主演作の公開が控えるなど順調にキャリアを積み重ねている俳優の北村匠海さん。14日公開の映画「思い、思われ、ふり、ふられ」(三木孝浩監督)ではメインキャストの一人として出演。葛藤を抱えるクールな男子高校生、山本理央役を好演している。北村さんに今作への思いを聞くと共に、主演作が続く現状やステイホーム中の思いなどについて聞いた。

 ◇感情とは裏腹な芝居…せりふの奥の感情を大事に

 映画は、マンガ誌「別冊マーガレット」(集英社)で連載された咲坂伊緒さんの同名マンガが原作。「ストロボ・エッジ」「アオハライド」に続く青春3部作の最終章だ。ダブルヒロインの山本朱里(浜辺美波さん)と市原由奈(福本莉子さん)、2人の男子、理央と乾和臣(赤楚衛二さん)という4人の高校生のすれ違う恋模様を描いた青春ラブストーリー。

 朱里に伝えられない恋心を抱える理央、理央に憧れる由奈、和臣に引かれていく朱里、自分の気持ちにふたをしてしまう和臣の感情は、一人の告白をきっかけに動き出し、複雑に絡み合っていく。原作をアニメ化した劇場版「思い、思われ、ふり、ふられ」(黒柳トシマサ監督)も9月18日に公開される。

 4人の切ない片思いが描かれた今作。北村さん演じる理央は、親同士の再婚によって朱里の義理の弟となったことで、朱里に伝えられない思いを抱えるキャラクターだ。北村さんはそんな理央について「朱里に伝えてもいないから。(恋が)始まってもいない、始まってもいないから終われない、という気持ちが彼の中にずっとある。僕も学生時代、理央のように言葉にすることが苦手なタイプだったので、気持ちはすごく分かるな、と思いました」と共感を示す。

 そんな理央を演じる上で、大事にしたのはせりふの奥にある感情だったという。「理央は感情とは裏腹な芝居をしなきゃいけない場面がすごく多くて。朱里への言葉の奥底で何を思っているのか……そういうことをすごく大事にしました」と明かす。続けて「理央みたいな男の子や、女の子も意外といるだろうし、そこは一番大事にしないといけない、と思いました」と北村さん。

 現場では、頭で考えた芝居よりも、共演者とのキャッチボールの中で生まれた芝居を大事にした。「少女マンガって日常生活を描いているもの。だから誰しもが生きてきた学生時代を思い返しながら演じるのが、僕の中の正解でした」と振り返る。

 浜辺さんとはダブル主演した映画「君の膵臓をたべたい」以来の実写での共演。「あのときからお互いにいろんな現場を経験して、変わっていないところもあれば、フランクになっているところもありました」と再共演の印象を明かす。

 赤楚さん、福本さんとは今回が初共演で、赤楚さんとは一緒にラーメンを食べに行くなど関係を深めたといい、「男子2人にしか出せない空気感も、ちゃんとお芝居に乗っていたと思います」と手応えも感じている。福本さんには「堂々と生きていて、それがすごく(福本さん演じる)由奈らしい」とし、「弱いようでも一番強いのが由奈で、その強さに理央も引かれていく。莉子さん自身、芝居に対しても、人間的にも、そういうことを感じる部分が多くて。面白かったです」と共演の感想を語る。

 ◇「売れた」という言葉がピンとこない「楽しく役に向き合っているだけ」

 今作でメインキャストの理央を演じた北村さんは、今後も「とんかつDJアゲ太郎」(二宮健監督)、「東京リベンジャーズ」(英勉監督)と映画の主演作が続々と控えており、現在最も勢いのある若手俳優の一人だ。だが、北村さん本人は「目の前にある役に楽しく向き合っているだけ、という感じです」と自然体だ。

「そもそも『売れた』『売れない』という言葉がピンとこない。ただただ楽しくて、役に向き合っているだけで……。子供のときからそうやってきたからなのか、今は現場に『昔(以前)、一緒だった』というスタッフの方がたくさんいたり、そういう再会もすごくうれしいですね。自分でも『こんなに(出演した)公開作品あったんだ』ってびっくりするんです」と気負いはない。

 もちろん楽しいことばかりではない世界だが、北村さんは「完成作を見る」ことにカタルシスを感じ、それが「前に進む原動力にもなっている」という。「出来上がった完成作を見る、ということのカタルシスはなかなか味わえないもの。映像に携わっている人の独特の感情だと思います。完成したものを試写室で見るときに『ああ、できたんだ』と……そこが原動力、というところがあります」と語る。

 そんな北村さんも、ステイホーム中は撮影がストップするなど人に会えない状況が続き、コミュニケーションに”枯渇”を感じていたという。「撮影も止まっちゃったり、人と会うことができず、何かに対して愛情をぶつける、ということが枯渇していて。何かに没頭したり、人と会って話したりできなくて、以前(それができた)期間がどんなに幸せだったのか、と……」と思いをはせる。

 今後、さらなる活躍が期待される北村さん。今後やってみたい役柄を聞くと、「『いいやつはわりとやり切ったな』という思いもあって……」と胸中を明かし、これからは“悪役”も演じたいと話す。「演じる役で“北村匠海”というイメージが出来上がっていくから、ここらで一発、ぶち壊しておきたい、という思いはあります。サイコパスとか殺人鬼、テロリスト、死刑囚……という役を演じて、どろどろの世界に飛び込んでいきたい」と“新たな北村匠海”へ意欲を見せていた。

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