おかえりモネ:来春朝ドラで注目の“ヒロイン妹”に抜てき 18歳の実力派・蒔田彩珠って?

2021年度前期のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でヒロインの妹・永浦未知を演じる蒔田彩珠さん
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2021年度前期のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でヒロインの妹・永浦未知を演じる蒔田彩珠さん

 女優の清原果耶さん主演で来春放送予定の2021年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」で、ヒロイン百音(ももね、清原さん)の妹・永浦未知を蒔田彩珠(まきた・あじゅ)さんが演じることが先日、発表された。朝ドラヒロインの妹は、昨年の「なつぞら」で清原さんも経験。それ以前にも土屋太鳳さん、杉咲花さんといった後に朝ドラヒロインとなる若手女優が担ってきた重要な役どころだ。現在放送中の朝ドラ「エール」では森七菜さんが務め、先週の第14週で印象的な演技を披露したばかり。その森さんも、未来の朝ドラヒロインとしてたびたび名前が挙がっている。そんな注目度の高い役に抜てきされた蒔田さんは、どんな女優なのか……。

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 ◇是枝裕和監督作品の常連 「透明なゆりかご」では清原果耶と共演し…

 蒔田さんは2002年8月7日生まれの18歳。2012年放送の連続ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」(関西テレビ・フジテレビ系)や映画「海よりもまだ深く」(2016年)、「三度目の殺人」(2017年)、「万引き家族」(2018年)といった是枝裕和監督作品に起用され、2018年公開の「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(湯浅弘章監督)で映画初主演を果たした若手実力派の一人だ。また清原さんとは、2018年放送のNHKの連続ドラマ「透明なゆりかご」でも共演している。

 「透明なゆりかご」といえば、清原さんにとって思い出深い初主演作。ドラマは、「真実の産婦人科医院物語」といわれている沖田×華(おきた・ばっか)さんの同名マンガを原作に、幸せな出産だけでなく、中絶や母体死といった産婦人科の陰の部分にも向き合いながら、時に明るく、時に切なく、主人公たちの「命」への祈りにも似た思いを描き、多くの視聴者の共感と感動を呼んだ。

 蒔田さんが出演したのは第2回「母性ってなに」。本放送当時、SNSを中心に大きな話題となった回で、蒔田さんは人知れず妊娠をし、出産後に赤ちゃんを病院に捨てる高校生・中本千絵を演じた。清原さん扮(ふん)する看護師見習いのアオイは、その赤ちゃんを世話することになり、やがて愛情を抱いていくが……と物語は展開した。

 清原さんと蒔田さんは一つの「命」をめぐり、対象的な役どころを担うと共に、当時16歳の清原さん、15歳の蒔田さんの胸がヒリヒリするような感情のぶつけ合いにも視聴者の熱い視線が注がれた。そんな清原さんと蒔田さんが姉妹役で再共演を果たすのは、「おかえりモネ」の楽しみの一つになるであろう。

 ◇ヒロイン姉妹の関係は物語の重要な要素に 制作統括が寄せる期待

 「おかえりモネ」で蒔田さんが演じる永浦未知は「百音の2歳年下の妹で、勉強が得意で、堅実に先を読んで行動するしっかり者」。また「百音とは正反対の性格だが、昔から仲の良い姉妹」とされ、「父と姉に代わり、自分が家業の養殖を担おうと、水産高校で勉強に打ち込んでいる。のちに水産試験場に就職。不器用で、意地っ張りな一面もある」と役説明には書かれている。

 「透明なゆりかご」に続いて「おかえりモネ」でも、制作統括としてスタッフに名を連ねる須崎岳さんは、蒔田さんの演技を高く評価する一人。「『透明なゆりかご』のこともあって、蒔田さんにはずっと注目はしていました」といい、「人の繊細な内面を繊細に体現できる。若手でありながら、そういう力を持っている」と蒔田さんの女優としての魅力を語っている。

 また、須崎さんによると、ヒロイン百音と妹の未知の関係は「物語にとって重要な要素になる」と予告。「だから妹を誰にするのかというのは、非常に大事な部分だった」といい、その上で蒔田さんと改めて会い、起用に至ったという。

 須崎さんは「今までは思い詰めている役、ふさぎこんでいる役、そういった役の多い印象だったのですが、改めて会ってみると、とても明るい子だってことが分かったのも良かった。未知も基本的には明るい子で、蒔田さんには自然体で持っている明るさを出してもらいながら、でも心の奥にちょっと秘めたるものがあるという、そういう演技をやっていってもらいたいなって思いました」と明かした上で、「今回の蒔田さんは、今までとは少し違う、新しい感じがすると思いますよ」と話してくれた。

 ◇「おかえりモネ」は人々に幸せな「未来」を届けていく希望の物語

 「おかえりモネ」は第104作の朝ドラで、「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON」(フジテレビ系、2017年)や「透明なゆりかご」(NHK、2018年)、「きのう何食べた?」(テレビ東京系、2019年)と話題作を次々と手掛ける脚本家の安達奈緒子さんによるオリジナル作品。

 「海の町」宮城県・気仙沼に生まれ育ち、「森の町」同県の登米(とめ)で青春を送るヒロイン・永浦百音が、気象予報という「天気」にとことん向き合う仕事を通じて、人々に幸せな「未来」を届けていく、希望の物語となる。

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