文豪少年!:“未来のスター”が過去をつなぐ ジャニーズJr.×文学で生まれる新たな化学反応

連続ドラマ「WOWOWオリジナルドラマ 文豪少年!~ジャニーズ Jr.で名作を読み解いた~」で主演を務める「少年忍者」=WOWOW提供
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連続ドラマ「WOWOWオリジナルドラマ 文豪少年!~ジャニーズ Jr.で名作を読み解いた~」で主演を務める「少年忍者」=WOWOW提供

 若きジャニーズJr.の「少年忍者」とタッグを組み、文豪たちの傑作小説を新たな解釈から映像化したWOWOWオリジナルドラマ「文豪少年!~ジャニーズJr.で名作を読み解いた~」が、3月21日からスタートする。本作を手掛けた井上衛プロデューサーは企画の経緯について、「昔教科書で読んでいたような作品を、大人になって読み直してみたらすごく面白かった。将来スターになるであろう方々が、約100年前の文豪の作品を語り継ぐことは、日本のエンタメにとって意義のあることだと思いました」と語る。少年忍者をキャスティングした背景や、現代的な視点で行った物語の改変など、ジャニーズJr.×文学が生んだ新たな“化学反応”について聞いた。

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 ◇きっかけは自宅の本棚 過去を未来へつなぐ挑戦の始まり

 本作は文豪たちの傑作小説を現代的な視点や異色な角度から捉えた、1話完結のオムニバスドラマ。井上さんは「以前、『HiHi Jets』の高橋優斗さんや『美 少年』の那須雄登さんとドラマでお仕事させていただき、その中でジャニーズJr.を主役にしたシリーズ物を作りたいと思いました。題材は何がいいかと考えていたときに、ふと家の本棚にあった夏目漱石の本を見て、今回の企画を思いつきました」と裏側を明かす。

 「企画化にあたり、僕自身も改めて文豪たちの作品を読んだのですが、昔教科書で読んでいたような物語を、大人になって読み直してみたらすごく面白かったんです。ではなぜ、昔読んだときは面白さに気づかなかったのか。それはきっと“読まされていた”からなんだろうなと。そこで『文豪作品を未来へつなぐ』というのを大きなテーマにしました。文学の持つ本当の面白さを若いジャニーズJr.が伝えることは、日本のエンタメにとって意義のある仕事じゃないかと思いました」とドラマ化への道のりを語った。

 ◇誰もが知る作品をセレクト 脚本はメンバーありきの当て書き

 そしてついに動き出したドラマ制作。「誰もが知っているような作者」という点から、太宰治の「走れメロス」、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」、宮沢賢治の「注文の多い料理店」、夏目漱石の「二百十日」、森鴎外の「高瀬舟」、小泉八雲の「雪女」、江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」、谷崎潤一郎の「秘密」、泉鏡花の「外科室」、夢野久作の「空を飛ぶパラソル」がセレクトされた。

 井上さんは「先に10本の原作を決めて、それからキャスティングを行いました。文豪作品には酒やたばこの描写もあるため、当初は20代のメンバーがいる年上のグループにするつもりでしたが、話し合いの中で逆にもっと若い10代のメンバーで改変してみるのはどうだろうという案が出て。すごくチャレンジングだなと思い、挑戦してみることに決めました」と話す。

 そこで選ばれたのが、14~19歳の22人で構成される「少年忍者」だ。全10話のドラマには15人のメンバーが出演し、うち12人が各話で主演を務める。井上さんは「もちろんグループの存在は知っていましたが、個人については詳しくなかったので、レッスンを見学させてもらい、メンバーの様子を拝見しました。あとは、毎週水曜日に彼らが更新しているYouTube動画をひたすら見て研究したり。作品にメンバーを当てはめるというよりも、メンバーに合わせて作品を変えていく感じで脚本を当て書きしていきました」と、キャスティングの背景を語った。

 ◇視聴者の「新しい体験になれば」 WOWOWドラマとしての挑戦も

 WOWOWのドラマといえば、骨太で重厚なイメージも強く、実力派のベテラン俳優が名を連ねているのが印象的だ。しかし、今回抜てきされた少年忍者の面々は、ほとんどがドラマ初主演で、そもそもドラマ初出演のメンバーも多い。“初”ぞろいのメンバーで作られた本作は、WOWOWドラマとしても挑戦だったのではないだろうか。

 井上さんは「僕らとして若い層にもアピールしていきたいという思いがあり、そういう意味で今回のドラマは確かに挑戦でした。でも、『WOWOWにしかできない』というラインは守っていこうと。大人が見てもしっかり楽しめる点で文学は良いテーマになるんじゃないかと思いました。今までWOWOWに触れてくださっていた視聴者の方にも、今回アプローチしてくださった方にも、新しい体験であればいいなと願っています」と思いを込める。

 さらに、「このシリーズがうまくいけば、ぜひ次もやりたい。現代の原作を映像化するのとはまた違った楽しさがあり、いろいろな発見がありました。僕も年齢を重ねてきたので、過去のエンターテインメントを未来へつなぐという点を意識していきたいですし、世界に視野を広げればシェイクスピアなど作品は無限にあるので、チャンスがあればライフワークとしてずっとやっていきたい」と次回作への展望も明かした。

 「文豪作品というと堅いと思われがちですが、ぜひ気楽に楽しんで見ていただけたらと思います。ドラマを通して日本文学の面白さに触れる、そんな体験を若者と大人で共有していける時間になったらうれしいです」と期待を寄せた井上さん。かつての文豪たちが遺した傑作の魅力を、若きジャニーズjr.たちの姿をもって知る。その瞬間の訪れを楽しみに待ちたい。

 WOWOWオリジナルドラマ「文豪少年!~ジャニーズJr.で名作を読み解いた~」は、3月21日から毎週日曜午後11時にWOWOWプライムで放送。WOWOWオンデマンドでも同時配信される。初回は無料放送。

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