おかえりモネ:物語はまだまだこれからも… 早くも発揮された清原果耶の「吸引力」

NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」第5回の一場面 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」第5回の一場面 (C)NHK

 女優の清原果耶さんが主演を務めるNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」(総合、月~土曜午前8時ほか)がスタートした。杉咲花さんの熱演に引っ張られるように終盤、大きな盛り上がりを見せた「おちょやん」に続く、104作目の朝ドラ。今回は子役パートなしで、第1回(5月17日放送)から清原さん演じる主人公・永浦百音(ももね)が登場し、爽やかな日常の中、元気はつらつと森林組合で働く姿など、3度目の朝ドラ出演となる清原さんのヒロインぶりに視聴者の注目が集まった。

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 ◇百音を取り巻く主要な人物が次々と登場

 第1週「天気予報って未来がわかる?」(5月17~21日)では、2014年春、宮城県気仙沼市の離島・亀島で育った百音(清原さん)は、高校卒業を機に、内陸の登米(とめ)市の大山主・サヤカ(夏木マリさん)の家に下宿して、森林組合の見習い職員として働き始める。娘が心配な父・耕治(内野聖陽さん)は、頻繁に百音に電話をするが、百音は仕事が忙しくなかなか連絡が取れない。ある日、東京から人気の気象キャスター・朝岡(西島秀俊さん)が、登米にやって来て町は大騒ぎとなる。そして百音は、風向きや雨雲の様子から天気の変化を正確に言い当てる朝岡に驚く……という展開だった。

 同週では、百音を取り巻く主要な人物が次々と登場した。登米にやってきた百音を下宿させている資産家の“姫”こと新田サヤカ、森林組合の課長・佐々木翔洋(浜野謙太さん)に古参職員の川久保博史(でんでんさん)、常にドライで無愛想な診療所の若手医師・菅波光太朗(坂口健太郎さん)、そして、百音を気象の世界に導く、物腰の柔らかさで人気のキャスター・朝岡覚だ。

 さらに、現在は離れて暮らす百音の家族たち。娘のことが心配でしょうがない父・耕治に、元小学校教師の母・亜哉子(鈴木京香さん)、しっかり者の妹・未知(みち、蒔田彩珠さん)、海をこよなく愛する祖父・龍己(藤竜也さん)といった面々で、病気で他界した祖母の雅代(竹下景子さん)が、“カキ”に転生し、百音たちを見守り続けている……という驚きの設定も明かされた。なお、夫の龍己はカキ養殖の名人でもある。

 一方、百音と“気象予報”との出会いこそあったものの、物語は大きく動くことはなく、“まだまだこれから”の段階にあることがうかがえた。現時点では「様子見」という朝ドラファンも、決して少なくはないはずだ。

 ◇清原果耶のヒロインぶり 涙の演技「引き込まれた」との声

 それでは清原さんのヒロインぶりは、視聴者の目にどう映ったのだろうか。今回演じる百音は基本的に明るいキャラクターだ。好奇心も持ち合わせていて、他者に対して壁を作ることもなく、普通に接しているようにも見える。清原さんも劇中でコロコロと表情を変え、百音を好演。朝にふさわしい清涼感、10代らしい透明感は画面を通して伝わってくるし、SNSでは「清原果耶ちゃん可愛い。キラキラしてる」「すがすがしさがすてき」「圧倒的安心感と圧倒的透明感」「ザ・朝ドラのヒロインっぽい」といった感想が書き込まれた。

 そんな第1週のクライマックスとなったのが第5回(5月21日放送)。朝岡の希望で北上川を見に出かけた百音は、移流霧と呼ばれる霧を目にする。その風景は、百音が生まれ育った気仙沼の海を思い起こさせ、“ある過去の出来事”とも重なり合う。徐々に目に涙をためていく百音の姿は、彼女の“心の澱(おり)”を視聴者に伝えるには十分で、清原さんの演技に「引き込まれた」との声が数多く上がったほか、その“心の澱”が「説明がなくても震災だと分かる」という意見もあった。

 早くも発揮された“女優・清原果耶”の「見る人を引き込む芝居=吸引力」。今後に期待を抱かせる屈指のワンシーンになったのではないだろうか。

 「おかえりモネ」は、「透明なゆりかご」(NHK、2018年)、「きのう何食べた?」(テレビ東京系、2019年)の脚本家・安達奈緒子さんによるオリジナル作品。宮城県気仙沼生まれのヒロインが、同県の登米で青春を過ごす中で、気象予報士の資格を取り上京。民間の気象会社に就職し、天気予報にまつわるさまざまな経験を積み、そこで得た経験をもとに故郷に戻って、人々に貢献する物語。

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