俳優の妻夫木聡さんが、 8月13日午後10時からNHK総合で放送される終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」で、主演を務めることが5月26日、分かった。太平洋戦争末期に行われた「生体解剖」を題材とした作品で、女優の蒼井優さんの共演も発表された。
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ドラマは、熊野以素さんによる「九州大学生体解剖事件70年目の真実」が原作。命を救うはずの医師が犯した「生体解剖」の罪と、その裏に隠された真相を描き出すヒューマンサスペンス。永山絢斗さん、鶴見辰吾さん、山西惇さん、辻萬長さん、中原丈雄さん、若村麻由美さんも出演する。
妻夫木さんが演じる主人公・鳥居太一は、西部帝国大学医学部助教授。捕虜の実験手術に関わっており、教授に中止を進言したが、手術は続行され、終戦後に戦犯となる。蒼井さんは、実験手術に反対した太一が、首謀者とされて死刑判決を受けたことに納得せず、夫を救出するために奔走する妻・鳥居房子を演じる。
ドラマについて妻夫木さんは「“自らの責めは自らが負わねばならない” 罪とは何か、生きるとは何か、ひたすらに自分と向き合い続ける日々です。人間は愚かな生き物であります。しかし、誰かを思いやる温かい心になれるのもまた人間です。人としてあるべき姿とは何か、今一度この時代に問いかけられているような気がいたします。時代や環境が変われど、一つ一つの命の重みに変わりはありません。作品を通じて、命の尊さを感じていただければ幸いです」とコメント。
蒼井さんは「胸が締め付けられるようなシーンがたくさんありますが、妻夫木さんが演じられる太一を信じ、最後の最後まで丁寧に演じて行けたらと思っています。タイトルに見合う作品になることを期待しながら、精いっぱい頑張ります」と語っている。
1945年5月。西部帝国大学医学部・助教授の鳥居太一は、教授の指示のもと、米兵捕虜の手術を手伝うが、それは人体実験手術であった。教授に手術の中止を進言するが、却下され、8人の捕虜が死亡。戦犯裁判で死刑判決を受けた太一は、凶行を止められなかった自分と向き合うことになる。一方、妻・房子は、裁判の中でゆがめられた真実を明らかにし、事件の首謀者にされた夫を死刑から救おうと奔走する。房子の必死の思いと、死刑囚たちとの新たな出会いによって、太一は目を背けていた本当の罪に気づいていく……という展開。
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