俳優の吉岡秀隆さん主演で、2003~06年に放送された人気医療ドラマ「Dr.コトー診療所」(フジテレビ系)が映画化されることが6月30日、明らかになった。16年ぶりとなる続編で、吉岡さんをはじめ、ドラマシリーズを手掛けた監督の中江功さん、脚本の吉田紀子さんが再登板する。12月16日公開。
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「Dr.コトー診療所」は、山田貴敏さんの同名マンガが原作。離島を舞台に、東京から赴任してきた外科医“Dr.コトー”こと五島健助(吉岡さん)と、島の人々との関わり合いを通して命の尊さを描く。連続ドラマとして2003年7月期にシーズン1、2006年10月期にシーズン2が放送され、2004年にはスペシャルドラマも放送された。シーズン2では、シリーズ最高視聴率25.9%を記録し、大ヒットした。
映画では「16年後のコトー」が島でどのように暮らし、生きているのか、島の人々はどのように過ごしているのかを描く。ドラマで「正直『Dr.コトー』としてはやりつくした感がありました」と語る中江監督は、コロナ禍をきっかけに「やりたいことは、やれるときにやらないと」と続編を決意。「映画になるまでの16年間も、島の人たちは相変わらず島で生きている、これからも生きていってほしい、というのが今回やりたかったこと」と明かした。
吉岡さんは「脚本を読んだ時は、本当に切なくて涙があふれました」とコメント。ドラマに続き、沖縄・与那国島でロケを行っており、市民とふれあいながら「白髪のコトー先生」を練り上げている。
映画化の発表に併せ、白髪姿になったコトーを写し出したスーパーティザービジュアルも公開された。コメントは以下の通り。
「Dr.コトー診療所」は、それまで20年間(黒板)純役を務めた「北の国から」が終わったタイミングで始まりました。中江監督が純のイメージを変えて、役者として新たな命を吹き込んでくれた作品なので、僕にとってはとても大事な作品であり、役でもあります。
最初に今作の脚本を読んだ時は、本当に切なくて涙が溢れました。この作品を映画にする意味や、16年の月日の流れも含めて、大事なものをスクリーンに映すために、監督、スタッフと一緒に作品を磨いています。
与那国島でのロケは久々でしたが、自転車で少し走ってみたらお母さんと小さいお子さんが「コトー先生!」と呼びかけてくれて……。もう16年もたってるのにこんなに幼い子がそう言ってくれるのがすごくうれしかったです。「ずっとこの島ではコトー先生はコトー先生なんだ」と思うと、とてもうれしかったですし、頑張らなくちゃいけないと思いました。いろんなものを背負っていて白衣はまだ重いですが、クランクアップまでの長い長い坂道を、信頼しているスタッフ、キャストの皆さんと一緒に上っていきたいと思います。
2003年は「コトーが島の人に受け入れられる」、2004年のスペシャルドラマは「身近な家族が病気になり別の形のつながりが島の人たちと出来ていく」、2006年は「一番近い存在が病気になって、より『家族』を想う」というテーマを元にそれぞれ作ってきましたが、正直「Dr.コトー」としては、やりつくした感がありました。その後も吉岡さんと会う度に雑談も交えながら、続編をやるなら何をやるか、テレビドラマでやるのか、映画でやるのかと話していたんですが、大きなテーマが決まらず「さぁやろう!」とはなかなかならなくて、そんなときにコロナ禍に入りました。
コロナ禍以降、会えなくなってしまった人が何人もいて、人の生死について考える時間も増えました。「やりたいことはやれるときにやらないと」と思いましたし、吉岡さんにも「もう一度同じメンバーで『Dr.コトー』をやりたい」という話をしました。「監督がやるなら」とOKはしてくれたものの、やっぱりプレッシャーはありましたね。吉岡さんが「コトー先生は常に何かを抱えていないと、あの坂道で自転車のペダルを踏むことができないと思うんです」と言っていたのを覚えていたので。
でも「今回はこれをやろうか」という話ができてからは一気に話が動き出しました。映画になるまでの16年間も、島の人たちは相変わらず島で生きている、これからも生きていってほしい、というのが今回やりたかったことです。そして島の現在の美しい姿をスクリーンに映し出すというのももう一つのテーマになっていると思います。
与那国島に久しぶりに降り立ったとき、島の皆さんに「おかえり~」と声をかけていただけたのがうれしかったです。16年たっても変わらず温かく応援していただいている島民の方々には感謝しかありません。16年ぶりの撮影だったので、吉岡さんがコトー先生になれるのか少し心配もあったのですが、初日の往診のシーンの表情を見て声を聞いて、一瞬にして戻っていることに「あ、大丈夫だ」と安心しました。まだまだ撮影中ですが、僕も、ファンの一人として、コトー先生が今どう過ごしているのか見届けたいと思います。
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