2019年に公開され、57.3億円の興行収入を記録した映画「キングダム」。その続編「キングダム2 遥かなる大地へ」(佐藤信介監督、7月15日公開)で、原作でも人気のキャラクター・羌カイ(きょうかい)が登場する。羌カイを演じる清野菜名さんは“アクション女優”としても名をはせるが、実際はどのようなことに期待して、清野さんに大役を託したのか。その思いを、佐藤監督に聞いた。
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羌カイは、1000年を超える歴史を持つ伝説の暗殺一族・蚩尤(しゆう)の一人。特殊な呼吸法を操る“巫舞(みぶ)”を使い、自身に神を落として戦うキャラクターだ。
清野さんが羌カイを演じることが発表された時は「清野菜名さんならすごいかっこいいアクションに期待しちゃう」「強く美しく舞いそう」「ビジュアルも声もアクションも納得のキャスティング!」などの喜びや、清野さんの持ち味でもある身体能力を生かしたシーンへの注目に多くの声が寄せられた。
佐藤監督は「清野さんのお芝居には、なんとも言えないはかなさが漂うことがあります。そのような悲しさとアクションの真逆のコンビネーションが羌カイをやっていただくのに最もふさわしいと思いました」と清野さんの“静”の演技が、羌カイとマッチするのではないかと考えたという。
「人気キャラクターなので、ご本人も緊張していたと話していました。しかし、いざ撮影が始まるとそこに羌カイがいると言いますか……。清野さんが持っている心の機微、繊細なところが派手なアクション以上に際立っていました。アクションができるということでお願いしたのもありますが、小さなほほ笑みだったり表情が素晴らしかった」と絶賛する。
その上で「こちらが思っていた以上、狙った以上に羌カイを育てていただきました。『人気キャラクターの羌カイを実写化した』ということだけでなく、人間として映画的な人物にしてくださったと思います」と、羌カイという人物が本当に現実にいたのではないだろうかと思えるような演技を見せてくれたと振り返る。
特に印象に残ったシーンについては、「洞窟で羌カイと信(山崎賢人さん)が話をするとき、清野さんが浮かべた表情は今見てもドキッとします。なんと深遠な表情だろうかと思いましたし、あのような瞬間を撮れることに、映画の素晴らしさを感じます」と明かし、映画監督冥利に尽きる瞬間だったと話す。
佐藤監督が言うように、映画での羌カイの魅力はアクションだけにとどまらない。羌カイが過去にあった出来事を抱えて、葛藤し、悩む……。彼女の心の機微をうまく表現し、羌カイが一人の人間としてたたずんでいるような演技を見せてくれた清野さんの姿に注目したい。
※山崎賢人さんの「崎」は「たつさき」
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