池田エライザ:ドロンジョに感じた立ち上がる強さ 20代を折り返し「コミュニケーションが円滑に」

「DORONJO/ドロンジョ」に出演する池田エライザさん
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「DORONJO/ドロンジョ」に出演する池田エライザさん

 連続ドラマ「タツノコプロ創立60周年記念 WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」が10月7日から放送される。本作で後のドロンジョとなる主人公・泥川七音(どろかわ・なお)を演じている女優の池田エライザさん(26)。「世の中のさまざまな悪意や理不尽な事柄によって再びドロンジョが誕生してしまうストーリーは面白そうだし、やりたいと思いました」と話す池田さんに、ドロンジョというキャラクター像やドラマの印象、20代を折り返した今の心境を聞いた。

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 ◇アニメ版とドラマ版のドロンジョに共通点

 ドラマは、人気アニメ「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」の人気キャラクターであるドロンジョが、悪に手を染めるに至った壮絶な過去や生きざまを描く。

 スタイル抜群の美女で、金銀財宝をこよなく愛するドロンボー一味のボス・ドロンジョについて、「ドロンジョにトンズラー、ボヤッキーは非常に愛されてきたキャラクターで、軽快なテンポと面白さ、ユニークさで愛される悪役というか、応援したくなる悪役だなと思っていました」と語る池田さん。

 アニメ版のドロンジョに「絶望しないというか、立ち上がる力みたいなものは感じていました」と話し、ドラマ版のドロンジョにも、「オリジナルで描かれたものですが、立ち上がる強さや生きることへの執着、絶望に負けない力がある点は通ずるものはある」という。

 核となるキャラクターの共通点に触れつつ、「ドラマはダークな話でもあるので、そういう意味ではテンションがまったく違います。ただトンズラーとボヤッキーもいるので“らしい”瞬間もありますが、新しい解釈だと思っていただくのが一番いいと思います」と話す。

 ◇ドロンジョは「生きることを選択し続ける人」

 本作のドロンジョ、七音について「生きることを選択し続ける人」と表現。「あきらめるって、その先に死を予感することだったり、希望を抱けないことだったりする。希望は常に抱いている必要はないし、七音は生きたくて生きているってわざわざ考えていない。ただ生きるという選択肢しかなくて、神経の太い感じや生きることへの執着がすごい。まるで動物のようで、人間の面倒くさい部分がないシンプルな生き物だと思います」

 壮絶な境遇の中、必死に生きる七音を演じるにあたり、「スルッとは入れなかった」と明かし、「特に序盤のエピソードは精神的にもきつかった。人間が正義を信じられなくなり、自分の正義の価値観を積み上げていくまでの過程はすごくしんどかったです」と役作りの苦労を明かす。

 演じきっての感想を、「すっきりしたというか晴れやかな気持ちになって終われた」と切り出し、「この作品は最終話まで見てドロンジョ。前半の生い立ち部分はあまりにも残酷な環境で育ったドロンジョが、私も完成した映像を見て笑っちゃうぐらいかわいそうで、こんなに運がないことがあるの?っていうぐらい大変。その蓄積してきた分、爆発力があって、ガッと駆け上がっていくさまがめちゃめちゃカッコいいと思いました」と話す。

 ◇女優業は「一生勉強で、一生修業」

 モデルや歌手、カメラマン、監督など多岐にわたる活躍をしている池田さんにとって、女優業はどのような位置づけになるか聞くと、「一番難しい習い事」と答え、「一生勉強だし一生修業だし、ゴールがないのに何でこんなに続けられるのだろうと思う。答えもないですしね」と女優業への思いを語る。

 「見てくださる方の数だけ評価があり、取り組み方が難しいけど、それでも有意義に感じる瞬間があります。お芝居するときは誰かに寄り添っている時間で、その役に寄り添う時間はすごく良い時間。誰かについて真剣に考えたり想像して思いやったり、それを自分で表現するというのはちょっと“変”な仕事だけど、面白いですね」

 20代後半を迎え、「周りの方の対応や関わり合い方が、一大人としての関わり合い方になったのはすごく楽です」といい、「若いねと言われない分、円滑にコミュニケーションが進みますし、20代後半から女性って可愛くなっていくもの。(年齢を重ねることは)気にもしていないです」と持論を口にする。

 「女性は30歳からまた可愛くなると思っているので、まだ“ガキ”だねって思っています(笑い)。いつだってピークですから」

 ◇「見た方は仲間」 生きるエネルギーや希望を感じて

 新しい視点で描かれた作品であると同時に原作ものでもある本作だが、「みんなの知っているドロンジョと、入りからテンションが全然違うので、抵抗がある人が多いのだろうと思いました」と原作もの作品の難しさに言及する。

 「見るか見ないかは自分で選べますし、見た方は仲間だなって思えるぐらい出し尽くしている作品。見るか見ないかは視聴者の方に委ねられている意味では、ちょっと気が楽でした。タツノコプロというご本家の方々がやっていて、私もリスペクトを持ってやりましたし、めっちゃ頑張ったので見てほしいです」

 見どころを聞くと、「何を求めて見るかは人それぞれでいいと思います。アクションが好きな方、生きる気力とか活力がほしい方、ヒリヒリしたい方、ビジュアルが好きという方、それぞれ理由があっていい」と多面的な面白さがあることをアピール。

 「希望のある作品であることは約束します。生きるエネルギーとか希望を感じていただければ」

 初回放送・配信は10月7日。以降、毎週金曜午後11時にWOWOWプライムとWOWOW 4Kで放送。WOWOWオンデマンドで配信される。全11話。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

 ※ヘアメーク:RYO スタイリスト:福田春美

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