鎌倉殿の13人:八田知家らしい“引退宣言”だった 市原隼人が抱いた「自分の主君は自分である、という思い」

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第42回の一場面 八田知家演じる市原隼人さん (C)NHK
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第42回の一場面 八田知家演じる市原隼人さん (C)NHK

 俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)第42回「夢のゆくえ」が11月6日に放送され、市原隼人さん演じる八田知家が引退宣言をして、視聴者を驚かした。

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 第42回では、決意を新たにした源実朝(柿澤勇人さん)は、後鳥羽上皇(尾上松也さん)を手本として人任せにせず自ら裁定を下すことを決意。泰時(坂口健太郎さん)をそばに置き、自身の政を進める。一方、鎌倉内での地位を盤石なものとした義時(小栗さん)は、のえ(菊地凛子さん)に勧められて執権を名乗ることを決断。未熟な実朝らをけん制する。

 実朝と義時との関係がうまくいっていないことに政子(小池栄子さん)が気をもむ中、源仲章(生田斗真さん)が京から戻り……と展開し、実朝の夢である唐船建造とその顛末(てんまつ)が描かれた。

 仲章と共に鎌倉へとやって来た宋の技術者・陳和卿(テイ龍進さん)を指導者に、船造りに着手する実朝。義時の反対に遭いつつも、ついに船は完成し、進水の日を迎えるが、ここで船体が浜にめり込むアクシデントが発生する。

 「この仕事を最後に隠居しようと思ってる」「最後に夢のある仕事に出会えた。この船が完成すれば、思い残すことはない」と今回の“大仕事”を最後に引退することをほのめかしていた知家。ここぞとばかりに半裸となり、雄たけびを上げ、他の御家人たちと共に力の限りに綱を引いてはみたが、びくともせず、その様子を実朝は、観覧席からぼう然と見つめるしかなかった。

 知家役の市原さんは“引退宣言”について、「自分ではない誰かの思想で未来を決めるのではなく、己の道を自分で決めていくというのが八田らしいなと思いました」と振り返る。

 「どの時代も、時代に作られてしまう人間が多いと思うんです。その中で、時代に作られるのか、時代を作るのかと言うと、知家は『自ら時代を作ってやろう』と。存在意義を、精いっぱい旗を振りながら『俺はここで生きているんだ』というのを、必死に汗をかいて。それが決して押しつけではなく、自分を納得させるために自分で自分の生き方を選ぶ。自分の主君は自分である、という思いでずっと演じていました」と語った。

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