鎌倉殿の13人:山本千尋、トウが善児にトドメを刺すシーン 本番当日に変更「正面で向き合おうと」

イベント「大河ドラマ『鎌倉殿の13人』トークライブ in 神戸」に登場した山本千尋さん
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イベント「大河ドラマ『鎌倉殿の13人』トークライブ in 神戸」に登場した山本千尋さん

 俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)で、雑色のトウを演じる山本千尋さんが12月10日、神戸市立東灘区文化センター(神戸市東灘区)で開催されたイベント「大河ドラマ『鎌倉殿の13人』トークライブ in 神戸」に登場。第33回(8月28日放送)でトウが師匠の善児(梶原善さん)のトドメを刺した場面について、本番で急きょ変更したことを明かした。

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 第33回では、頼家(金子大地さん)暗殺の命を受けた善児は隙(すき)を見せてしまい、頼家に切られる。トウが頼家を絶命させ、善児を助けるかと思いきや、実は両親の敵を取ろうと「ずっとこの時を待っていた」と、手負いの善児に「父の敵」「母の敵」と言いながらトドメを刺す……と展開した。

 山本さんは、同シーンについて、リハーサルまでは「善児を後ろから刺して絶命させる、感情を出さないような場面だった」と明かし、「何か不完全燃焼で帰り道に悩んでいた」という山本さんは、撮影の本番当日、梶原さんに「トウは善児に恩、愛が芽生えていた。復讐(ふくしゅう)はするものの顔を見ずにはできない」と悩んでいることを打ち明け、2人で「正面で向き合おうかという話になった」と明かした。

 この回の放送後、トウが子供のころに修善寺で一緒に暮らしていた範頼を演じた迫田孝也さんと会い、迫田さんから「父の敵、母の敵って。俺は?」と聞かれたエピソードも楽しそうに語った。

 登場人物が死んで途中退場することが多いことで知られる「鎌倉殿の13人」だが、山本さんは「衣装部屋の大鏡のところに、お亡くなりになった方の写真が飾られているんですよ」といい、「頼朝さんはお姫様に扮(ふん)した写真。善児も殺したあとに飾られていました。どんどん増えていて、最初は鏡1枚分だったのが、今や2枚目にまで」と明かした。

 また、第45回(11月27日放送)でトウが政子(小池栄子さん)の自害を阻止した場面について、脚本の三谷幸喜さんから事前に電話があり、「小池さんに身を委ねなさい」と言われたことを明かし、「10歳くらいで親をなくして手をにぎられたこともないトウが、(政子の手に触れて)人ってこんなに温かいんだと感じて、自然と涙が止まらなかった。小池栄子さんという素晴らしい女優さんに引き込まれました」と語った。放送後、三谷さんからそのシーンについて「何度見ても素晴らしい」とメッセージが届いたという。

 「鎌倉殿の13人」は61作目の大河ドラマ。脚本は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き3度目の大河ドラマ執筆となる三谷さんで、鎌倉幕府の二代執権・北条義時(小栗さん)が主人公。野心とは無縁だった若者が、いかにして武家の頂点に上り詰めたのかを描く。

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