鎌倉殿の13人:三谷幸喜が書いた言葉、小池栄子は「全部腑に落ちていた」 演説は“上から政子”じゃなく「みんなと一緒」の目線で

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第47回場面カット 政子(小池栄子さん)の演説シーン (C)NHK
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第47回場面カット 政子(小池栄子さん)の演説シーン (C)NHK

 俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)。12月11日放送の第47回「ある朝敵、ある演説」では、“尼将軍”政子(小池栄子さん)の有名な演説が登場したが、「本当に三谷(幸喜)さんが書かれたせりふの内容自体が、すごく無理なく政子の言葉だなという気がして、全部腑(ふ)に落ちていたんです」と明かす小池さんが同シーンを振り返っている。

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 同回では、後鳥羽上皇(尾上松也さん)が義時(小栗さん)追討ののろしを上げ、揺れる鎌倉の様子が描かれた。

 執権としての最後の役目として、鎌倉を守るため、自分一人が犠牲になる道を選ぼうとする義時だったが、それに待ったをかけたのが政子だった。

 御所に集まった御家人たちの前に姿を現した政子は、大江広元(栗原英雄さん)の手による“演説原稿”を読み上げるのを途中でやめ、自らの言葉で語り始める。

 「本当のことを申します。上皇様が狙っているのは鎌倉ではない。ここにいる執権・義時の首です」と切り出すと、「首さえ差し出せば兵を収めると院宣には書かれています。そして義時は、己の首を差し出そうとしました。鎌倉が守られるのならば、この人は命を捨てようとこの人は言ったのです」と真実を明らかにする。

 御家人たちのために「犠牲になろうと決めた」義時に反対したものの、「思いを変えられなかった」とも告白する政子。「ここで皆さんに聞きたい。あなた方は本当にそれでよいのですか。確かに執権を憎む者が多いことは私も知っています。彼はそれだけのことをしてきた。でもね、この人は生真面目なのです。すべてこの鎌倉を守るため。一度たりとも私欲に走ったことはありません」と述べると、「鎌倉始まって以来の危機を前にして、選ぶ道は二つ。ここで上皇様に従って、未来永劫(えいごう)、西の言いなりになるか。戦って坂東武者の世をつくるか。ならば答えは決まっています。速やかに上皇様を惑わす奸賊(かんぞく)どもを討ち果たし、三代にわたる源氏の遺跡(ゆいせき)を守り抜くのです。頼朝様の恩に今こそ応えるのです」と呼びかけた。

 さらに政子は「向こうは、あなたたちが戦を避けるために執権の首を差し出すと思っている。馬鹿にするな。そんな卑怯者はこの坂東には一人もいない。そのことを上皇様に教えてやりましょう」と言い放つと、御家人たちは一斉に雄たけびを上げる。

 それでも政子は、「ただし敵は官軍。厳しい戦いになります。上皇様につきたいという者があれば止めることはしません」と決して無理強いすることはなかったが、ここで泰時(坂口健太郎さん)が、「そのような者がここにいるはずがございません。今こそ一致団結し、尼将軍をお守りし、執権殿のもと、敵を打ち払う。ここにいる者たちは皆、その思いでいるはずです! 違うか!」と政子の思いに呼応し、御家人たちも「その通りだ!」と一つになった。

 お決まりの“演説原稿”を手放してから、ゆったりと間をとりながら3分22秒続いた政子の名演説。ドラマの公式ツイッターで公開された音声コメントで小池さんは、「それが尼将軍という立場になった私(政子)からの上からの言葉じゃなくて、『みんなと一緒にいるんだよ』という目線の言葉、あと姉であるという言葉にすごく温かみを感じる演説だったので、一つのチームだなという感じがすごくしました」と印象を明かす。

 さらに小池さんは「積み重ねてきた三谷さんがつくった政子というキャラクターならではだなって感じが本当にしますよね」としみじみとし、「監督と事前にどうしようと相談したときも、訴えかけるということじゃなく、伝えるということを大切にした方がいい、その一言で、演説という言葉だけがすごくみんなの中で大きくなっているけど、決してそういうものじゃないんだ、というのはありました」と語った。

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