全領域異常解決室
第7話 すべてお話します 物語はここから始まった
11月20日(水)放送分
福原遥さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」(総合、月~土曜午前8時ほか)。1月4日から後半がスタートするが、2022年10月3日~12月28日まで描かれた前半はどのようなストーリーだったのか。視聴者の声とともに、盛り上がりを見せたシーンを振り返る。
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物語のスタートは、ヒロイン・岩倉舞の子供時代。東大阪ですぐ発熱し学校を休みがちだった舞(浅田芭路ちゃん)は、祖母・祥子(高畑淳子さん)がいる長崎・五島列島で一時期を過ごし、祥子や島でできた友達の一太(野原壱太君)らとの出会いで、少しずつ自分の気持ちを言えるようになる。
“神回”との声も上がった第8回(10月12日放送)では、祥子が仕事でミスをしてしまい、舞が「おばあちゃん、大丈夫?」「失敗は悪いことやないんやろ?」と語りかけ、2人が船着き場で抱き合うシーンが登場した。
その後、舞は大阪へ戻り、親友となる久留美(大野さきちゃん)と仲を深め、一生懸命作った模型飛行機が空を舞う姿を家族らと見守りながら、成長した舞(福原さん)へとバトンをつないだ。
物語の土台を作った“ちび舞”こと芭路ちゃんに対し、視聴者からは「出番を終えましたが名女優でした!」「ちび舞ちゃんロスになる」と、その演技をたたえるとともに、“ロス”の声も多く上がった。祥子“ばんば”の心にしみる言葉も話題を集め、「自分も励まされた!」「失敗しても怒らずできたことを認めて褒める。簡単そうでなかなかできないこと」と毎話盛り上がりを見せていた。
大学に進学した舞は、人力飛行機サークル「なにわバードマン」に入部し、スワン号の設計担当の刈谷(高杉真宙さん)、先輩女性パイロットの由良(吉谷彩子さん)ら個性豊かなメンバーと出会う。そこで舞は、由良がけがをしたため、代わりにパイロットを務めることになる。
第22回(11月1日放送)ではサークルを離れていた刈谷を、部長の鶴田(足立英さん)や同期の玉本(細川岳さん)らが連れ戻したシーンは“胸熱”で、「玉本・刈谷・鶴田劇場」という声も上がった。
第28回(11月9日放送)では、いよいよスワン号が舞を乗せて飛び立った。刈谷は「スワン号を、お前に任せてよかった!」と舞に最大級の感謝の気持ちを伝えた。“ロマンチスト刈谷”のハートの熱さに「いつもすてきな言葉をくれる」と胸打たれたという感想も上がり、昨年の「新語・流行語大賞」にノミネートされた「青春って、すごく密なので」を体現するようなストーリーが描かれた。
そして、大学を中退して旅客機のパイロットになる夢をかなえるため、航空学校に入学することを決断した舞。そんな中、幼なじみの貴司(赤楚衛二さん)は会社を辞め、行方不明になってしまう。五島にいるという貴司を舞と久留美(山下美月さん)が追いかけ、ばんばの言葉もあり貴司は前を向くことができた。久留美も、両親の離婚後、会っていなかった母・久子(小牧芽美さん)と再会し、幼なじみ3人はそれぞれ新たな道を進んでいくことになった。
航空学校に無事入学した舞は、柏木(目黒蓮さん)や“サンダー大河内”こと大河内教官(吉川晃司さん)らと出会う。周囲の学生たちのレベルの高さに驚いた舞だったが、努力を続け無事に学校を卒業。航空会社への就職も決まり、いよいよパイロットになる夢をかなえるか……と展開した。
柏木を演じている目黒さんは、朝ドラ初登場。10月期の連続ドラマ「silent」(フジテレビ系)の人気もあり、注目を浴びたが、舞とは航空学校の面接試験で最悪な出会いをし、SNSでは「ギャップありすぎ」「いい感じに嫌なやつ」とコメントが寄せられた。その後、柏木は舞の前向きな姿などに引かれ、舞も柏木の気持ちを受け入れて、晴れて2人は両思いになる。
出会った時は、舞に対して「頭の中、お花畑か」と告げていた柏木だったが、第54回(12月15日放送)の告白シーンは北海道のブルーサルビアが咲き誇る“お花畑”だった。視聴者からは「お花畑で舞いあがる柏木学生」「変わったなあ、柏木くん」などと、柏木の成長を喜ぶコメントも届いた。
そして、もう一人、舞にとって大きな出会いだったのが大河内教官。容赦なく学生をフェイル(退学)にすると恐れられていたが、実際は学生たちにパイロットとしての素質があるのか、しっかりと見極める教官だった。
航空学校で帯広でのフライト過程を終えたときには「岩倉学生、柏木学生。いつか君たちが操縦する旅客機に乗れることを楽しみにしている」と、これまでになかった笑みも浮かべた。視聴者からは「一言一言が重く、優しく、胸にズンと来るね」「最後も大河内教官の愛がたっぷり詰まったシーンで感動」と“大河内ロス”の声も多かった。
航空会社から内定をもらった舞だったが、リーマンショックの影響で入社が1年延期になる。その間を利用して、舞は4年ぶりに五島へ行き、祥子と久しぶりに再会する。五島にいた貴司とも合流し、島に移住体験に来た朝陽(又野暁仁君)と出会うことになる。心をふさぎがちな朝陽に、自分の子供のころの気持ちを重ねた舞は、貴司とともに交流を図る。すると朝陽は書くことで自分の気持ちを少しずつ伝えることができるようになる。
そんな中、父・浩太(高橋克典さん)が救急車で運ばれたという知らせを受け、舞は急いで東大阪に帰る。そして、リーマンショックで工場の経営が悪化していたことを知り、自らも工場を手伝うことに。退院した浩太は、パートのリストラを決め、“パートのおばちゃん”たちから舞は「商品こん包の仕事は最後のとりで」と伝えられ、責任の大きさを実感した。
2022年最後の放送となった第63回(12月28日放送)では、兄・悠人(横山裕さん)が「さて、この工場、なんぼになるやろうか?」と浩太の会社の工場の前で意味深なせりふを語り、ラストを迎えた。
「舞いあがれ!」はヒロイン舞の成長物語に加え、ばんばや刈谷の言葉、“かっこよさ”がにじみ出る大河内教官、他にも、五島の一太(若林元太さん)や航空学校の同期、吉田(醍醐虎汰朗さん)、「なにわバードマン」の玉本や鶴田ら、脇を固めるキャラクターもしっかりと人物像が描かれ、丁寧につむぎ出された物語が視聴者の心を打った。
前半のラストシーンは不穏な雰囲気が漂っていたが、これまでも「向かい風」に立ち向かい成長してきた舞が、困難をどう乗り越えていくのか。仲間や絆を大切にし、持ち前の“癒やし”パワーで視聴者も笑顔にしてくれることを後半も期待したい。
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