らんまん:田邊教授の“汚名返上”も 「悪役にしない」塩梅を大事に「複雑な人間模様を描く」

NHK連続テレビ小説「らんまん」の一場面(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「らんまん」の一場面(C)NHK

 神木隆之介さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、万太郎(神木さん)と敵対関係になりつつある、東京大学植物学教室の教授・田邊彰久(要潤さん)。最初の登場時と現在の“落差”も話題となっている田邊教授のキャラクター造形を、制作統括の松川博敬さんに聞いた。

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 田邊は第32回(5月16日放送)で初登場すると、小学校も出ていない万太郎に対して植物学教室への出入りを許す。万太郎の才能を認めた田邊は、彼に自分専属のプラントハンターになることを提案する。しかし、万太郎から提案を拒否されると田邊は「小学校も出とらん虫けらが」と口にするなど、あらわになった本性に視聴者も戦々恐々としている。

 松川さんは「牧野富太郎さんの伝記では田邊教授のモデルとなった教授は悪役として描かれることが多い人ですが、調べていくと必ずしもそうではないんです」と話す。

 その上で、劇中の田邊について「人間はいろいろな面があり、田邊にも田邊の主張があります。今、悪役だと思われているとしたら、今後、汚名返上していくシーンもあります。我々も田邊のキャラクターは大事に描いています。塩梅(あんばい)が難しいところがありますが、誰かが一方的に悪いというわけではなく、複雑な人間模様を描いています」と説明した。

 万太郎の祖母・タキ(松坂慶子さん)の最期が描かれてからは「後半戦に入った」という本作。松川さんは「いまは万太郎がゾーンに入ったといいますか。業績を上げて、家庭も幸せで。対する田邊は落ちていき、二人の溝が深まっていくのを丁寧に描いています。ですが、これから万太郎にも悲劇が襲い、かなり容赦なく深い悲しみを描いています。役者も演出も覚悟を持ってやっています。前半とは違うフェーズに入った深い人間ドラマになっていくと思います」と語った。

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