テレビ試写室:小池栄子主演「コタツがない家」 芸達者たちで送るホームコメディー 作間龍斗も奮闘

ドラマ「コタツがない家」の場面カット=日本テレビ提供
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ドラマ「コタツがない家」の場面カット=日本テレビ提供

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、10月18日スタートの連続ドラマ「コタツがない家」(日本テレビ系、水曜午後10時)を紹介する。

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 小池栄子さんが主演を務め、「ボク、運命の人です。」「俺の話は長い」(ともに日本テレビ)などで知られる金子茂樹さんが脚本を手掛けるホームコメディー。小池さん演じるやり手のウエディングプランナー、深堀万里江が、夫、息子、父という3人のダメ男とのてんやわんやな日々を送りながら、新しい家族の形を探していく姿を描く。

 廃業寸前でニート生活を送るマンガ家の夫・悠作を吉岡秀隆さん、アイドルオーディションに落ちてショックを受ける高校生の息子・順基を作間龍斗さん、熟年離婚され、投資詐欺に遭って老後の蓄えを失ったことで深堀家に転がり込む父・山神達男を小林薫さんが演じる。

 「俺の話は長い」や「鎌倉殿の13人」(NHK)で主人公を支えつつ引っ張る姉を好演した小池さんが今回演じるのは、妻、母、娘として3人のダメ男たちに悩まされるバリキャリ。社会的にも認められた優秀なウエディングプランナーという表の顔と、クセがすごい家族たちと対立する裏の顔を見せている。二つの顔が極端に異なっていたら違和感を感じたかもしれないが、ギャップなくうまくとけあっているため、不思議なリアリティーと身近さを持って見ることができる。

 夫の悠作、息子の順基、父の達男というダメ男3人の造形もさすが。3人とも“こじらせ”が激しいが、それぞれの世代ならではのこじらせ方がおかしさとちょっぴりの切なさを持ち合わせている。そして、3人それぞれも仲がいいわけではないというところがまたダメ男ならでは。小物感とともに憎めない気持ちにさせられる。

 1話ではそんな4人が大げんかを繰り広げる。10分近いロングシーンで、それぞれが抱えていた思いをぶちまけ合うが、ただがなり立てるのではない絶妙な距離感で繰り広げられる会話劇に引き込まれた。小池さん、吉岡さん、小林さんという名優に交じって、奮闘している作間さんの演技も必見だ。

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