小田凱人選手:全豪オープンテニス初優勝へ向けて「攻めて、攻めて、攻めまくる」 4年ぶり優勝を目指す上地結衣選手「先に攻撃を仕掛ける」

小田凱人選手(C)Getty Images
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小田凱人選手(C)Getty Images

 「全豪オープンテニス」車いす部門が1月23日、オーストラリアのメルボルンで開幕する。男子シングルスに出場する小田凱人(おだ・ときと)選手は昨年、テニス4大大会(グランドスラム)の全仏オープンとウィンブルドンを制しており、今シーズンのグランドスラム初戦となる全豪オープンで初優勝を目指す。女子シングルスに出場する上地結衣選手は、女子シングルスで4年ぶりの優勝を目指す。小田選手と上地選手に大会への意気込み、今シーズンの抱負などを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇小田凱人選手

 ーーグランドスラム初出場(2022年全仏)から3シーズン目ですが、今はどんな気持ちですか?

 全豪は2回目ですが、日本人選手のことを応援してくれる熱い人たちがたくさんいる印象です。オーストラリアの選手に対しても、テニスに対しても熱い応援をして、盛り上がっているイメージを昨年ここに初めて来て感じました。そういう場所でプレーするのはすごく好きです。昨年はここからスタートして準優勝して、すごく良い年になったので、今年もしっかりと勝って良いスタートを切りたいと思っています。

 ーー今年はどのような年にしていきたいですか?

 昨年はグランドスラムで優勝(全仏、ウィンブルドン)したり、世界ランキング1位になったり、そのおかげでバラエティー番組に出させてもらったり、(野球の))始球式に呼んでもらったり、テニス以外でもいろんな経験ができました。テニスでもランキング1位になって、自分が理想としてきた生活やいろいろなものが手に入った年でした。昨年の全豪の悔しさも、いろいろなものが入り混じって、今年は勝つぞっていう気持ちになっています。

 ーー世界一のプレッシャーとはどのように戦っていますか?

 あんまり感じてないかな。グランドスラムで勝って世界ランキング1位になったのですが、自分の中のテニスは完成されていなくて、自分のやりたいことをすべてやりきったかっていうと、全然そんなことないので。そのギャップが自分の中にはあるので、それでまだ頑張っていられるのかなって思います。もっとああしたい、こうしたいって感情は、これまでよりも逆に増えていて、いろんな欲が出てきています。車いすテニスに対する熱量っていうのは、これからももっと増えてくると思いますが、歴代の勝者を見ても、優勝した翌年以降に勝ち続けるのは難しいんだなと思っています。だからこそより強い姿で勝ちたいと思います。

 ーー全豪ではどんなプレーを見せたいですか?

 先週までメルボルンの違う場所で試合をしていて、決勝でヒュウェット選手(イギリス)にストレートで勝つことができて今はすごく自信があります。昨年は同じ大会でヒュウェット選手に負けて準優勝で、全豪でも、また決勝で負けて準優勝でした。今年は(前哨戦を)優勝して全豪に来ているので、今は不安定な自信ではなく、確固たる自信があるので、その気持ちをプレーに全面に出して初戦から自分のテニスをして「攻めて、攻めて、攻めまくる」っていうプレーを多くの人に見てほしいですね。

 ◇上地結衣選手

 ーーオフシーズンはどのように過ごされていましたか?

 昨年11月前半にはスペインでのマスターズを終えて、そこからオフシーズンに入ったので、少し長めに休みを取ることができ、リフレッシュした状態でトレーニングに入ることができました。マスターズも全豪もそうですけど、デグロート選手(オランダ)に対して、3セット戦う試合というのが多かったと思うので、それは自分が積極的に展開を仕掛けたり、そういうことが良い方向に影響していったと思います。とはいえ、それを最後までやり続けるということができなくて、悔しい負けっていうのも続いていたので、今年は8月のパラリンピックも含めて、自分の思うような成績を出すためには、もう少し何か必要なのだろうと模索しながら、このオフシーズンにトレーニングを積みました。前後を使ったり、スライスを使ったり、テニスに対しての柔軟性を増やして攻める事が必要だとわかっていますが、その時の体勢だったり、シチュエーションに合わせて臨機応変に対応するための練習をしてきました。前哨戦の2大会に出てたくさんの選手と対戦してみて、その成果は徐々にブラッシュアップはできている状況だと実感しています。

 ーーどのようなことを重点的に行っていますか?

 先に攻撃を仕掛けるということを意識しています。狙ったところに打っていく精度には自信があり、自分の強みだと思っています。コースを変える動作で、クロスを打った後にもう一度クロスに打つとか、もう少し角度をつけて打つプレーとかは、手数が多くなる分難しいですが、とにかく相手を動かすという事が主導権を握れる一つのきっかけになるし、自分のフォアにもっていくように変化させることもできるので、そういうところが必要だと思います。

 ーー今シーズンの目標は?

 やっぱりそろそろ勝ちたいなぁという思いがあります。もちろん倒すべき選手は、彼女(デグロート選手)だけではないし、各選手のレベルも上がってきているので、簡単な試合っていうのはないと思っています。先週は(デグロート選手相手に)マッチポイントもありましたし、相手のミスではなく自分で切り開いていって5−1のリードっていう場面もあったので、それをしっかりと早いうちにものにするということを心掛けています。今年も彼女と何度も対戦するうちに、自分の課題もたくさん出てくるので、守りに行くのではなくて、もっともっと自分のテニスの質を上げていける可能性に期待したいと思います。それに向けて楽しんでトライできるようにしていきたいですね。

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 WOWOWでは1月28日までの全豪オープン期間中、試合を連日生中継しており、WOWOWオンデマンドでは全コート全試合をライブ配信している。車いすテニスは、1月23〜27日の間、WOWOWオンデマンドで全コート全試合をライブ配信。車いすの男女シングルス決勝は、1月27日午前10時からWOWOW ライブで生放送する。

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