アンチヒーロー:どうなる?最終回 ドラマPが語る“色”が入った役名の裏設定 推測される結末は?

ドラマ「アンチヒーロー」の一場面 (C)TBS
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ドラマ「アンチヒーロー」の一場面 (C)TBS

 俳優の長谷川博己さんが主演を務める、TBS系「日曜劇場」枠(日曜午後9時)の連続ドラマ「アンチヒーロー」。6月16日、25分拡大スペシャルで放送される最終回を迎える前に、色の名前が入った役名の裏設定、そこから推測される結末について、飯田和孝プロデューサーを直撃した。

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 ◇「“色”で遊べると面白いかな」が発想の原点

 ドラマは「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士・明墨(あきずみ、長谷川さん)を通して、視聴者に「正義とは何か?」を問い掛ける“逆転パラドックスエンターテインメント”。脚本は4人の脚本家によるオリジナル。

 主人公の明墨をはじめ、赤峰(北村匠海さん)、紫ノ宮(堀田真由さん)ら主要なメンバーの役名には“色”が入っている。それはなぜなのか。

 「明墨という主人公の色が最初に決まっていて、法律では白か黒かをはっきりさせると、よく形容されるので、“色”で遊べると面白いかなと脚本の福田(哲平)さんと考えました」とその発想の原点を語る。

 そこから発展し、「色を統一したコンセプトに変えていった」という。「例えば緋山(岩田剛典さん)はもともとは“檜山”だったのを、緋色の緋に変えました。(記者の)沢原麻希(珠城りょうさん)の名前に“麻”を入れたり、死刑囚の志水(緒形直人さん)の水色、亡くなった検察官の桃瀬(吹石一恵さん)の桃色などは脚本を作っていく段階で決まっていった」という。

 ◇青山、白木、桃瀬は? それぞれのキャラクターの色に込められた思い

 それぞれの名前の色は、そのキャラクターに与えられた性格や役割を表している。

 「明墨の墨は分かりやすく、黒と白の曖昧な感じです。赤峰はエネルギーのある熱量の高い人。紫ノ宮はそこからちょっと冷静さを足したような感じだけれども、内側にみなぎるものがある。この3人の色を掛け合わせるとドラマのテーマカラーの『至極色』(しごくいろ、濃い紫色で最高位の官位の人が着る衣服の色)になるんです。そこは狙いました」

 パラリーガルの青山(林泰文さん)の青は「どんな青なんだろうというのは僕もつかみかねていて」といい、「すごく爽やかな青なのか、もう少し藍色に近い黒が入ってきている青なのか、スカイブルーみたいな感じなのか。個人的に僕は青が一番好きな色で、でもどれを青って言うのかは人それぞれだなと思っていて。青はいろいろなものに化けられる」と表現する。

 パラリーガルの白木(大島優子さん)には「純粋な」イメージが込められている。

 「白木はいろいろ含みがありそうで、もしかしたら彼女が一番真っすぐな思いを持っているのかもしれない。企画書の設定では、高卒で大学検定を取った努力家だったりするんです。お嬢様だけれども自分はその型にはまらず、反発して飛び出してキャバクラに勤めて、そこをやめて明墨の事務所に入ったという。大島さんもそれを知っていて演じています」

 伊達原(野村萬斎さん)の下についていて、どちら側の人間が分からない検察官の緑川(木村佳乃さん)の緑は?

 「緑ってナチュラルな感じがしますよね。どこにあっても嫌じゃない色というか、調和される色というか。ネーチャー(自然)のような意味合いも緑川のキャラクターにはあって、主張しすぎないけれども、そこに存在することが意味を持つという、そんな意味合いでつけました」と明かす。

 桃瀬の桃色は? 「桃瀬は、ドラマの中で“愛”の象徴だったりするので、最初はそこまで想像していなかったので、“百瀬”としていたんですけれど、後から桃瀬を色に変えたと記憶しています。なんだかんだいって、ドラマは“愛”というものが中心にある。人間が動く以上は愛が動機になるので、もしかしたら桃瀬がこのドラマの軸になっているんじゃないかなと。最終回はそういったところにも注目して見てもらえると」と語る。

 ◇緑川は仲間? 敵? 真実は最終回で明らかに

 第9話のラストで白木が“裏切り”行為を働き、視聴者から驚きの声が上がった。

 「大島さんは『私もついに来たか!』という反応をコメントされていました。もちろん白木の9話の行動の反響は想定していました。狙い通りでしたけれども、皆さん裏を読んで議論してくれるのが面白くて。『いや、これは絶対作戦だ、そう信じたい』と。信じたいということは仲間であってほしいという、キャラクターに対する愛着を持ってくれているという発見もありました」

 緑川も名前に色がついてるため、明墨の仲間じゃないかという意見も多数見られる。「多分、最終回では皆さんそれを期待してくれているんじゃないかな。緑川はこのままじゃ終わらないと思っているだろうと」と予測。白木の“裏切り”にも「『あれ、わざとだよね』という投稿も多く見られました。白木がときどき意味深なことを言うのは、(赤峰と紫ノ宮の)2人に対する嫉妬心が芽ばえてきているのも確かなので、そこから最終回でどうつながっていくのか、緑川の行く末も含めて楽しみにしていただければ」とメッセージを送った。

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