柳楽優弥:「ライオンの隠れ家」で共演、坂東龍汰の印象明かす 「俳優としても日に日に好きに」 撮影現場で多くの学び

ドラマ「ライオンの隠れ家」で主演を務める俳優の柳楽優弥さん(C)TBS
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ドラマ「ライオンの隠れ家」で主演を務める俳優の柳楽優弥さん(C)TBS

 俳優の柳楽優弥さんが主演を務める連続ドラマ「ライオンの隠れ家」(TBS系、金曜午後10時)が、10月11日にスタートする。柳楽さん演じる小森洸人(こもり・ひろと)と、坂東龍汰さん演じる自閉スペクトラム症の弟・美路人(みちと)が、「ライオン」と名乗る謎の少年(佐藤大空君)と出会い、ある事件に巻き込まれるヒューマンサスペンス。今作への意気込みや坂東さんの印象について、柳楽さんに聞いた。

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 ドラマは完全オリジナル。脚本は「私の家政夫ナギサさん」(TBS系)や「おっさんずラブ」シリーズ(テレビ朝日系)を手掛けた徳尾浩司さんと、今作が連続ドラマデビューとなる一戸慶乃さんが共同で担当する。

 --撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか。

 クランクイン前は少しドキドキしていたのですが、クランクインをしてみたらストーリーに集中できる環境が整っていて、学ぶことがたくさんある現場です。また、坂東(龍汰)さんと(佐藤)大空くんとの3人のキャラクターの関係性も、監督と丁寧に話し合えていますし、ちゃんとエンターテインメントにもなっています。第三者の俯瞰(ふかん)した目も意識しながら、関係性を築きあげられています。

 --坂東さんと共演してみて、どんな人柄だと感じていますか。

 明るくフレンドリーですし、色気がありますよね。人柄もとても魅力的だなと思いますが、俳優としても日に日に好きになっていきますし、共演できて本当によかったと思います。こういう弟がいたらいいなと思いますし、坂東くんとの兄弟関係は何の違和感もないです。自然に兄弟という関係になれている気がするので、それはやっぱり良かったなと思います。

 --坂東さんは今回、自閉スペクトラム症の若者、という役をやっています。坂東さんの取り組みをどのように感じていますか。

 自閉スペクトラム症の方たちと事前にコミュニケーションを取ったり、勉強をしたりしたと聞きました。この作品に向けて、監督やプロデューサーさんと研究されているんだなと思います。兄弟愛や絆を描くストーリーにはいい作品が多く、僕もこの作品をとてもいいものにしたいと思いますし、1人1人の取り組み方が、いい連鎖になったらと思います。いいエネルギーをしっかりキャッチして、現場で発揮したいと思います。

 --演じる洸人について教えてください。

 洸人は今のこの凪(なぎ)のような生活、安定したこの現状を極力変えたくないと思っていて、そこにライオンが現れ、新たな一面を知る可能性が出てきたり、 実は自分が成長するきっかけになっていくと感じます。

 家庭環境に対しても、外で打ち明けたくなくて、洸人なりに少し生きづらさみたいなものを感じていると思います。彼のそういった部分が、ライオンと出会ったことで徐々に成長していく様子をしっかり演じたいですし、あまり重くなりすぎず、監督といいバランスを見つけて慎重にやっていきたいと思っています。

 --大空くん演じるライオンとの撮影で、楽しかったことや、大変だったことがあれば教えてください。

 テストから本番までのリズムが大人同士での撮影とはまた違うという点はありますが、作品の内容と重なり、大空君のペースに合わせる僕たちの感覚もその役柄に近いと思います。

 大空くんは演技が上手という言葉で収まりきらないような……不思議ですね。絶妙なんですよね。 感心する面も多いです。集中する時はみんなでちゃんと集中するよって切り替えられるので、 1人1人が少しずつ成長できる現場になったらいいと思っています。

 --ライオンがやってきて、坂東さん演じる美路人がパニックを起こしてしまう、という重要なシーンがありました。柳楽さん自身は、あのシーンで準備していたことはありますか。

 現場で監督と坂東くんと「こういうのどうだろう」「もしこうやってみたらどうなりますか」などとアイデアを出しあっていました。いろいろな家族の形がある中で、乗り越えることや向き合うこと、それぞれにあるのかな、と思います。小森家にとって、美路人の安定が洸人にとっての安定になっていたりして。

 そのシーンで僕が感じたのは、家族の関係性は早いスピードで進化はしないということ。1つ1つ丁寧に乗り越えたり、時には強引に乗り越えたり。僕自身はこのシーンがあることによって、今まで撮ったものが腑に落ちました。

 --共演者についてお聞かせください。

 キャストの方々がとても魅力的な方たちばかりですし、 齋藤飛鳥さんや、岡崎体育さん、小森家だけではなく、同僚の方たちとも一緒にいい作品が作れたらいいと思います。

 --これからこんな作品になっていったらなという部分や、自身が今を感じている部分があれば現状の気持ちをお聞かせください。

 実は色々なことを感じています。もちろん作品を良くしたいという気持ちもあるんですけど、今回は「実験」という感じもするんですよね。通常は撮影現場で組み立てて作り上げていく感覚が強いですが、今回は、組み立てると言ってもライオンがいるので、 妙なリアリティーが自然と出てくるんです。

 彼も一生懸命向き合って、嘘がだんだんとなくなって、物語と妙にシンクロしていく感じが面白いです。僕はこの作品を通して、1話から最終話の中で多くのことを学ぶと思います。技術的なことより、もしかしたら人間的に、それは俳優としてなのか、僕個人としてなのか、何か学べる気がすごく感じます。もちろん作品のために向き合っていますが、自分自身の成長が楽しみだ、という面白い感覚です。

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