横浜流星:芝居へ常に貪欲、大好きな格闘技からヒントも 大河ドラマ「べらぼう」に挑む日々「とにかくインプット」

2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で主演を務める横浜流星さん (C)NHK
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2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で主演を務める横浜流星さん (C)NHK

 1月5日にスタートする2025年の大河ドラマべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で主演を務める俳優の横浜流星さん。60年以上の歴史があり、錚々たる顔ぶれが名を連ねる“大河ドラマ主演”に、28歳という年齢で挑む横浜さんの芝居への思いは常に貪欲で、「まだまだ自分には足りてないところばかり。まだまだ足りないからこそ、満足したらそこで終わりだと思うし、より向上心を持って、日々生きています」と明かす。放送に向けて、今の思いを聞いた。

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 ◇いい作品を作りたいということだけを考え

 「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は64作目の大河ドラマで、日本のメディア産業やポップカルチャーの礎を築いたとされる蔦屋重三郎(略して“蔦重”)の生涯を描く。「親なし、金なし、画才なし……ないない尽くしの生まれから“江戸のメディア王”として時代の寵児(ちょうじ)になった快男児」と銘打つ。

 横浜さんがNHKのドラマに出演するのは今回が初。いきなりの大河ドラマ主演となったが「だからと言って気負うことはない」とも話す。

 「いいものを作るため、今までも、どの作品でも全力を注いできたし、今回(撮影期間の)1年半、役に向き合えることは、とてもぜいたくなことで、幸せなことでもあると思っています。『べらぼう』は登場人物も多いので、たくさんの方とお芝居ができて、多くのことを吸収できると思うし、たくさんのことを学んで、とにかくいい作品を作りたいということだけを考えています」

 長い歴史を誇る大河ドラマで、江戸時代中期を描くのは「べらぼう」が初となる、当然、横浜さんのこれまでの人生とは無縁の時代となるが、「知らないことだらけだけど、どの作品も常に挑戦なので」と、ここにも気負いは感じられない。

 脚本は一昨年、NHKで放送され、大きな話題となった「ドラマ10『大奥』」などで知られる森下佳子さんが手掛けていて、「森下先生が作った世界で蔦重として生きることが一番、大切なことなので、それを今は全力で取り組んでいるところです」と明かす。

 「今回は登場人物が多いのですが、森下先生が人間の奥底までをしっかりと掘り下げてくれているので、埋もれてしまわないのがすごく魅力的。キレイなものだけじゃない、その裏側まで描いているから、より共感や感情移入をしてもらえるエンターテインメントになっていると思います」

 ◇すべてが芝居に生きるから、インプットの時間を大切に

 そんな森下脚本の魅力的な登場人物の中心にいるのが、横浜さん扮(ふん)する蔦屋重三郎だ。

 役作りにおいては「蔦重のことを調べたり、実際に生まれ育った場所に行き、空気を肌で感じたり、史料を読んだり、題材となった作品を見たり、専門家の先生に会ったり」し、さらには映画「HOKUSAI」(2021年)で蔦屋重三郎を演じた阿部寛さんにも「話を聞いたり」したという横浜さんは、「日々、作品のことを考えている」と芝居への貪欲さをのぞかせる。

 「自分たちの仕事ってすべてが芝居に生きるから、『これって蔦重がやりそう、作品に生かせそう』と、とにかくインプットの時間を大切にしています」

 元々は空手少年で、2011年には空手の国際大会で優勝した経験を持つ横浜さんは、佐藤浩市さんとダブル主演を務めた映画「春に散る」(2022年)を通じて、ボクシングのプロテストに合格し、C級ライセンスを取得したこともある「格闘技好き」。今回、“人間くさい”蔦屋重三郎を演じるにあたって、格闘技からも何かを得ようとしているようで……。

 「格闘技ってすごく人間が出るのですが、よりリアルを追及したくなって、その裏側を見たり知ったりするのが最近の自分の中でのマイブームにもなっている。格闘家の皆さんも表に立っているけど、自分たちみたいな表現とは違う世界で生きていて、より人間くさく、自分を繕わずいるじゃないですか。そういうときに、『本当に人間ってこうなったら、こういう感情になるんだ』『こういうふうな表情するのか』と思って、『これは芝居に使えるな』となるんです」

 改めて「形だけにとらわれず、蔦重として自由に生きていけたら」と語る横浜さん。まずは1月5日の初回放送に注目だ。

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