中園ミホ:「あんぱん」執筆を終え「しこたま飲んだ」 スピンオフにも意欲「もっと深く描きたいキャラがたくさん」

中園ミホさん
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中園ミホさん

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)で脚本を担当している中園ミホさん。執筆を終えた現在の心境や、物語の結末、スピンオフへの思いについて語った。

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 ◇2回目の朝ドラは「恐れていたほどではなかったけど、やっぱり大変でした」

 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

 中園さんが朝ドラの脚本を手がけるのは2014年度前期の「花子とアン」に続いて、2作目となった。「あんぱん」執筆の日々を振り返り、「お産した人が1人目よりも2人目が大変だって言うんです。というのは、まだまだこんなもんじゃない。もっともっとつらいって分かっているから。つらさを分かっていると余計大変だって聞いたんですよ」と話す。

 「今回はかなり覚悟をしていたんですけど、『花子とアン』のころは朝ドラの放送は週6日あったので、それが5日になったのは脚本家にとっては大きいですね。大体金曜日ぐらいでやることがなくなるんですよね(笑)。土曜日を絞り出すように書いていたので、そういう意味では、恐れていたほどではなかったです。でも、やっぱり大変でした」

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 お酒好きな中園さんだが、「あんぱん」の執筆中は飲む量を控えていたという。脱稿した後は、朝田くら(くらばあ)役の浅田美代子さんと2人で飲んだそうで、「執筆中は絶対に二日酔いしないようにブレーキをかけながらたまに飲んでいたのですが、行きつけのバーでくらばあと全開でしこたま飲んで、大変楽しかったですし、ちゃんと二日酔いしました。後半はよく覚えていないですけど、おいしかったです」と笑顔を見せる。

 「朝ドラは見た人の一日の気分を左右するくらい責任が重いと思っているので、なんとか無事に終えて本当にほっとしましたね。遅筆なので、予定通りにちゃんと全部書けるのかと不安があったんですけど、制作統括の倉崎憲さんのおかげで、早く仕上げることができました。私は倉崎さんのことを『刻みさん』と呼んでいて、分刻みでスケジュールを入れてくるんですよ。『もうデッドラインです』とか言われちゃうので、ずっとお尻に火がついていたような感じでした」

 ◇結末は「100通り」から決めた?

 そんな執筆期間を乗り越え、「あんぱん」を書き上げた中園さんに「もしも3回目の朝ドラオファーがあったら?」と尋ねると、「さすがに脱稿したばかりで『3本目行きますか』という気持ちにはまだなれないです」という返答が返ってきた。

 「朝ドラを書くと、『私のことも書いてくれ』『私を朝ドラのヒロインにしてくれ』という方が結構いらっしゃるんですよ。今回も2人の方から言っていただいていますけど、さすがに『ちょっと待って。今それは考えたくない!』とお断りしています。きっと橋田壽賀子先生だったら『次はこれを書こう』とすでに考えていらっしゃると思うんですけど、私は橋田先生ほど勤勉ではないので(笑)」

 「あんぱん」の放送も残すところ1カ月半を切り、ラストスパートに入った。視聴者からは、すでに“ロス”を心配する声も上がっているが、制作統括の倉崎さんは「視聴者の皆さんの応援の声があれば、スピンオフなどの話が出てくるかもしれません。やりたい気持ちはあります」と前向きだ。

 中園さんも「朝ドラを書いていると、キャラクターが育っていくので、もっと書きたい気持ちもあります。時間の都合で描けなかったエピソードはもちろん、短い期間でいなくなったキャラクターなど、実はもっと深く描きたいキャラはたくさんいるんです」と意欲を見せる。

 物語の結末については「実は100通りくらいの終わり方を考えていた」と明かす中園さん。視聴者に向けて「制作チームなどみんなの意見も参考にしながら、最終回を書きました。皆さんに喜んでいただけるラストになっていると思いますので、ぜひ最後までご覧ください」と呼びかけた。

最終週の人物相関図が公開! 予告にはいたけど“名前なし”? 新キャラは1人 登美子&千代子も“完走”

連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(最終週~) (C)NHK
連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(最終週~) (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の新たな人物相関図が、ドラマの公式サイトなどで公開された。

 9月22日に始まる最終週(第26週)「愛と勇気だけが友達さ」の相関図で、新キャラクターとして、TVプロデューサーの武山恵三(前原滉さん)の登場が予告された。

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「あんぱん」登場人物紹介

「あんぱん」とは

 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

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