フェイクマミー
第9話 ニセ母計画崩壊!?追い込まれた家族の決断
12月5日(金)放送分
今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)で脚本を担当している中園ミホさん。「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦をモデルにした本作で、中園さんは「五つぐらいしかエピソードが分からなかった」という暢さんから、どのようにして“軍国少女”となるヒロイン像を作りあげていったのか、話を聞いた。
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中園さんは、小学4年のころにやなせさんの詩集「愛する歌」を読み、ファンレターを送ったことをきっかけに文通がスタート。やなせさんとはもともと面識があったものの、妻の暢さんについては資料が少なく、当初は執筆に苦労したという。
「嵩については大好きなやなせさんの話を書ける! という感じだったんですけど、ヒロインのモデルは暢さんですから。暢さんに関しては、五つぐらいしかエピソードが分からなかったんです。お父様を早くに亡くされていること、“ハチキンおのぶ”、“いだてんおのぶ”と呼ばれていたこと、高知新聞でやなせさんと出会ったこと、広告費を払わない人にハンドバッグを投げつけたこと、中年以降は山登りがお好きだったこと。そこからは想像を膨らませてオリジナルで作るしかないので、大正生まれの女性たちの手記を読みあさりました」
一般女性から著名人まで幅広い手記や作文を読んだところ、当時の女性の大多数が軍国少女だったということが分かったといい、「昭和8(1933)年生まれの私の母もそうでした。著名な方だと、橋田壽賀子先生、桂由美さん、田辺聖子さん。皆さんの日記を読むと、どれだけ一色に染まっていたかっていうのがよく分かりますし、純粋な者ほど染まりやすいんだと思いました」と語る。
「それが終戦の時に、自分のこれまでの行動や思想を全部塗りつぶすような体験をするわけですよね。そういう人生って、一体どういうことなんだろうと考えました。調べれば調べるほど、そういうヒロインを描かなければいけないという気持ちになったんですが、歴代の朝ドラのヒロインって反戦の思いが強い女性が多いじゃないですか。だから、半分ぐらいは反戦の方もいたのかなと思ったんですけど、手記を読むと、きちんと教育を受けたほとんどの女性が軍国主義なんですね。だとしたら、そこは正直に書かなきゃいけないだろうと思ったんです」
第38回(5月21日放送)では、結婚の約束をした豪(細田佳央太さん)が戦死し絶望する蘭子(河合優実さん)に、のぶ(今田さん)が「豪ちゃんの戦死を、誰よりも蘭子が誇りに思うちゃらんと」と声をかけるシーンが描かれた。
中園さんはこの場面を振り返り、「書きながら『これ美桜ちゃん大丈夫かな?』と思って。見ている人も今の感覚だと『なにこのヒロイン』って思うでしょうし、私も書いていて苦しくなりました」と明かす。
「妹の大好きな、ずっと子供の時から知っているお兄ちゃんが亡くなったときに、こんなことを言うってどうなんだろうって、書いているときもすごくつらかったし、のぶについていけないみたいな意見も周りから聞いて、『美桜ちゃん、ごめんなさい』という思いでした。でも、そこはやっぱり脚本家がぶれてはいけない……。今田さんは本当に頑張ったと思います。あそこのシーンだけ見ると、“ヒール役”ですよね。それを着物の前身頃をぬらして、すごくけなげに、見事に演じきってくれたなぁと。私は今も、当時は軍国主義が大半だったということを、現代を生きる多くの方に知ってほしいと強く思っています。だからこそ、戦争は恐ろしかったのだと」
そんなのぶだが、第85回(7月25日放送)では、嵩に「好きや。嵩の二倍、嵩のこと好き!」と思いを伝え、幼なじみだった2人がようやく結ばれる展開に。中園さんは「史実通りに行くと、どうしてもあそこまで結ばれちゃいけないんですよ。史実では幼なじみではないので、くっつかないように苦労しながら書いていました」と笑う。
「のぶが『嵩の二倍、嵩のこと好き!』と告白するシーンは一番印象に残ったシーンで、見たときに号泣してしまいました。多分それは、2人の演技も素晴らしいし、のぶにずっとつらい役を課していたので、ようやく解放されて、子供の頃の自由で天真らんまんな自分にやっと戻れたんだと感じて、本当によかったね、おめでとうという気持ちでした」
第105回(8月22日放送)では、のぶが嵩に「うちは何者にもなれんかった」と本音を吐露するシーンも描かれた。このセリフの意図について「夢を持っていた女の子が、結局、夫のため、子供のために支える人になる。自分の中でなんでこうなっちゃったんだっていう気持ちは、多くの女の人にあるんじゃないのかなと思って。だから、その心の叫びをちゃんと描きたいと思いました」と話す。
「暢さんは結婚後、すごくおしとやかになって、ハンドバッグを投げつけていた時代とはちょっとキャラが変わっていったのではないかと私は感じました。陰でやなせさんを一生懸命支えて、表に出てこない方になっているんですよね。というのも、暢さんを知っている人に何とか取材しようと思って探し回ったんですけど、一緒のマンションに住んでいた梯久美子さんも、戸田恵子さんも、編集者の方たちも、ほとんどお会いしたことがないそうなんです。そんなことをいろいろと考えているうちに、『暢さんはひょっとしたら、多くの女の人が悩む“何者にもならなかった自分”っていうのを、実は反省する日もあったんじゃないのかな』と思い、あのシーンを書きました」
今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の新たな人物相関図が、ドラマの公式サイトなどで公開された。
9月22日に始まる最終週(第26週)「愛と勇気だけが友達さ」の相関図で、新キャラクターとして、TVプロデューサーの武山恵三(前原滉さん)の登場が予告された。
「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。
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