じゃあ、あんたが作ってみろよ
第9話 おにぎり食べて、元気だせ!
12月2日(火)放送分
高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第9回(10月9日放送)で、テレビの前の視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、何度も70%台に達するほど注目度の高い時間が多かった第9回の最高値は午前8時14分の74.5%だった。
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「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。
第9回は、トキ(高石さん)の最初のお見合いが破談になってから、次のお見合いの当日までの話。武士の誇りの「まげ」を捨てられなかった司之介(岡部たかしさん)がついに大きな決断を下すが、その後、迎えた意外な展開が視聴者の話題になった。
テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた「注目度」は、仲人の雨清水傳(堤真一さん)とタエ(北川景子さん)夫婦がトキに、婿を取るのでなく、松野家を出て嫁入りしてはどうかと勧めた、序盤の場面は60~62%と低迷。だが中盤の午前8時5分に注目度が急上昇。中盤から終盤は70%を挟んで、ノコギリの歯のように小幅に乱高下しながら、ピーク時は74.5%まで達した。「序盤」に比べると、「中盤」「終盤」は視聴者を安定して画面にクギヅケにし続けていたことがうかがえる。
最初の“歯”の午前8時5分(69.7%)は、松野家を出て嫁入りしてはどうかと勧める傳とタエに、トキが「私一人だけ幸せになってもつまらんと申しますか……」「みんなで幸せになって初めて幸せなので」と答え、「せっかくのお話、申し訳ございません」と断る場面だ。トキとの話が終わると、傳は「だそうだ。司之介殿」と、後方に声をかける。司之介が廊下で盗み聞きしていたのを知っていたのだ。娘を心配する司之介の心情が感じられるいいシーンだ。
わずかに注目度は下がりながらも、再び上昇し、次の“歯”は午前8時8分の71.8%。場面は変わり、雨清水家の尽力で訪れた、トキの2度目のお見合いの場面だ。当日、トキたちが支度を進めるが、なぜか司之介は牛乳配達の仕事に行ったきり帰ってこない。場面が変わり、お見合いが行われる雨清水家に到着したあたりからが、次のピークとなった午前8時8分台。控室と思われる部屋に入るやいなや、驚きの声を上げるフミ(池脇千鶴さん)と勘右衛門(小日向文世さん)に続き、トキも進むと、そこには理髪店でまげを落とした司之介が待っていた。視聴者も「えっ」と驚いただろう場面だ。
勘右衛門は「まげは武士の魂ぞ!」と声を荒らげるが、司之介は自分なりに考え、散々悩んだ末にトキを幸せにする武士になろうと思ったのだと説明。「これならよいじゃろう。落ち武者のようで不格好ではあるがな」と恥ずかしそうに頭を触った。Xでは「落ち武者」が一時トレンド入りしたほど、世間をにぎわせた場面だ。注目度が高いのも当然だろう。
3回目の“歯”となる午前8時11分(71.6%)は、「落ち武者」の話題の続き。お見合い相手の山根銀二郎(寛一郎)らが到着し、さっそく顔合わせとなる。最初の見合いのように、当然、相手はざんぎり頭だと思いきや、鳥取藩の元士族である山根家は武士の心を忘れておらず、親子でまげを結い、裃(かみしも)姿だった。司之介は「切るんじゃなかった……」と激しく後悔し、畳の上に崩れ落ちる。勘右衛門は「情けない! まさに落ち武者じゃ!」と言い放ち、傳も「申し訳ございません。うちの落ち武者が」と謝罪する。その様子を見た銀二郎はこらえきれず吹き出してしまう。注目度が上昇したのは、「落ち武者」がさらに盛り上がる意外なオチへとつながった、そんな場面だった。
だが、ここまで高い注目度を示した「落ち武者」を超えたのが、この日の最高値74.5%を記録した午前8時14分。「落ち武者」に比べると、普通の場面だが、見合い相手に会うトキの揺れる心情がいとおしくなる場面だ。
今回も、見合いの席に、トキが茶を持っていくタイミングがやってくる。緊張するトキは、前回同様、カラクリ人形のようなカチンコチンの不自然な動きで廊下を歩きだし、見合いの席の部屋の前の廊下までやってくる。そこでトキは障子を開けられず、廊下で座ったまま凍り付く。
「怖い」。様子を見にやって来たフキに、トキがぽつりと漏らす場面からが午前8時14分台。「開けたら、しっかりお茶を出して来たら、祝言が決まってしまいそうで」と言うトキに、「だとしたら、いいことだが」とフキはそっと障子を開ける。障子が開いた瞬間、トキと見合い相手の銀二郎の視線が不意に合う。トキは思わず視線をそらしつつも、相手をしっかり見た後、軽く会釈をしたところで、ドラマは終わった。
ドラマ全般がそうかもしれないが、特に女性の生涯を描く朝ドラは、ヒロインの恋や結婚への視聴者の関心は高い。最初の見合いに比べると、お見合い成功の可能性が高そうな銀二郎との対面シーン。さすがの「落ち武者」という飛び道具も、ヒロインの“恋”の行方にはかなわなかったということだろうか。
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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