ばけばけ:ついに“松野家の秘密”が明らかに それ以上に視聴者がクギヅケになった「午前8時9分」の意外な場面 第13回注目度

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第13回(10月15日放送)で、テレビの前の視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、第13回の最高値は午前8時9分の69.8%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇“松野家の秘密”が明らかに でも注目度は伸びず……

 第13回は、トキ(高石さん)が、病に倒れた雨清水傳(堤真一さん)の看病を買って出る。日中は工場、朝夜は傳の看病という二重生活が始まり、毎晩遅くに帰ってくるトキを司之介(岡部たかしさん)やフミ(池脇千鶴さん)、銀二郎(寛一郎さん)らは心配する。

 ネット上などでこの日、話題になったのは、トキの出生を巡る“松野家”の秘密がついに明らかになった場面だ。午前8時11分台からエンディングまでの長いシーンだ。

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 ある晩、トキが帰ってこないのではないかと心配するフミに、司之介は「つまり……こういうことか?」と切り出し、一人芝居を始める。

 「おトキ、ワシはもう長くない。本当のことを言おう。わしがお前の本当の父じゃ」「父上!」「おトキ! もうあの貧乏長屋には帰るでないぞ」「はい。松野も、婿殿も捨てます」「よくぞ言ったぞ。おトキ」

 部屋の隅にいた銀二郎はその話を聞いてしまい、秘密を知ることになる。

 勘右衛門(小日向文世さん)は動揺する銀二郎に「なぜおった!」と声を荒らげ、司之介に「なんでしゃべった!」と激怒。勘右衛門は刀を持って銀二郎に詰め寄り、「今話した通り、おじょはおタエ様(北川景子さん)が産んだ、元は雨清水家の子じゃ。跡取りを得るために、産まれる前から子を持たぬ我が家に来る約束での。じゃが、おじょは何も知らん。だけん、寝言でも言うなよ! よいな?」と念押しした。

 なかなか緊張感のあるシーンだが、テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた注目度は62~65%台をうろちょろして、司之介が1人で芝居して見せるシーンも、勘右衛門が激怒するシーンも伸びてこなかった。

 全体的にも、最近の「ばけばけ」では、やや低めの注目度に。大きく波打つことなく、横ばいに近いグラフを描く中、一度だけ大きく“山”を作ったのはやや意外な場面だった。

 ◇最高値は午前8時9分の69.8% 平井が「やり直せ」としかる場面

 この日の最高値を記録したのは午前8時9分の69.8%。トキが働く機織り工場での一幕だ。せん(安達木乃さん)が織った布地に傷を見つけた平井(足立智充さん)は、せんにやり直すように指示。「1日1反織ろうと思うと気がせいて」というせんを、「言い訳をするな」としかりつける。

 この、しかりつける辺りからがちょうど午前8時9分台。「社長様がお戻りになるまで、この工場を潰すわけにはいかんのだ」。平井も、おそらく経験したことがない状況にあせっているのだ。

 やりとりを見ていたトキは、今からやっても今日中には終わらないと言うが、「ええけん、やり直せ。はよ」と平井は聞かない。トキは、この状況を三男・三之丞(板垣李光人さん)が見ていたことに気付くが、三之丞は何も言わず、工場を出ていく。

 いきなり重責を任され、何もできないでいる三之丞と、業績を上げようとあせる平井。雨清水家を襲った危機で、工場内で生まれつつあるひずみが明らかになった瞬間だった。印象的な場面ではあったが、“松野家”の秘密のシーンより、視聴者の視線をクギヅケにしたのは正直意外だった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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