ばけばけ:松江中学校の教壇に初めて立ったヘブン 視聴者をクギヅケにした「午前8時3分」はどんな場面? 第26回の注目度

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第26回(11月3日放送)で、テレビの前の視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時3分の76.0%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇最高値は午前8時3分の76.0% 松江中学校の前に到着するも不安が抜けないヘブン

 第26回は、トキ(高石さん)や花田旅館の人々の見送られ、ヘブン(トミー・バストウさん)が錦織(吉沢亮さん)と松江中学校へ初登校する。ついにヘブンの初授業が始まる。果たしてヘブンは生徒たちに受け入れられるのだろうか。

 テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた注目度は、ヘブンが本格的に登場した前週から高くなっている。当初は15分間のドラマ中、ほとんどの時間で高い注目度が継続する回が多かったが、最近は高い時間帯と低い時間帯がはっきり分かれるようになってきている。

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 第26回も、午前8時3分の76.0%をピークに、続く午前8時4分と5分も70%超を連発。中盤は注目度が下降線をたどったが、終盤の午前8時13分に73.3%を再び記録し、二度目の小ぶりな“山”を作った。

 この日の最高値となった午前8時3分台は、オープニング明けの最初の場面で、ヘブンと錦織が松江中学校の前を歩いている。「とても緊張しています」と硬くなっている様子のヘブン。午前8時4分台で、小学校で教えることになったサワ(円井わんさん)が後ろからやってきて、そんなヘブンや錦織に道を尋ねる。小学校への道が分からず焦っているのだ。錦織が道を教え、笑顔で礼を言うと小学校への道を急ぐさわ。「彼女も今日から小学校の教師だそうです」と錦織が教えると、「仲間ですね」とヘブンは返し、意を決した様子で校内へ入っていく。

 午前8時4分台後半から5分台は、教室の様子。まず錦織が教壇に立ち、生徒に話を始める。落ち着かないヘブンが廊下をぐるぐる歩き回る様子を目ざとく見つけた生徒が「先生、ヘブン先生がぐるぐる回っちょりますが」と錦織に伝える。困った錦織はざわつく生徒を「シャラップ! ぐるぐる回って何が悪い」と一喝した上で、「あれは……」と少し考え、「ヘブン先生のスタイルだ」と苦しい言い訳をする。そして、ヘブンがいよいよ教壇へ。立って礼をした生徒を座らせたあたりまでが午前8時5分台だ。

 実はヘブンが生徒に語りかける肝心の部分はやや注目度が下がる。ヘブンの初の授業に、視聴者の関心も高まったが、この辺でやや息切れしたのかもしれない。

 教室の場面が続く午前8時6分と7分は、70%を下回ったあたりでかろうじて横ばい状態に。なかなか言葉が出てこないヘブンだったが、「私は日本語が大好きだ」と口火を切ると、「だが、授業では一切使わない。使うのは英語だけだ」「だから私の英語を全て聞き取り、会話ができるように努力してほしい」と英語で語りかける。すべてを聞き取れた生徒はいなかったようだ。自分についてくれば、聞き取れるようになるとおっしゃっていると、錦織がヘブンの言葉を通訳し、生徒も少し安どする。生徒の心をつかむのに成功し、少し自信を持った様子のヘブンがかわいらしい場面だ。

 ◇新キャラ、銭太郎が登場

 中盤から終盤にかけての午前8時9~12分は65%台に達するのがやっとの状態だったが、午前8時13分は一気に73.3%まで急上昇する。

 その午前8時13分は、トキとサワが話していると、松野家に見知らぬ男が入っていく。男は借金取り・森山善太郎(岩谷健司さん)の息子、銭太郎(前原瑞樹さん)だった。銭太郎は自分が善太郎の息子であると自己紹介し、善太郎が急死したことを明かす。

 銭太郎は「おやじが死ぬ前に言っちょってね……。もっと厳しく取り立てるんだったと。顔のわりに……気が優しい男だったけん。だけん、これからは親父の分まで厳しくいくけん、あるだけ出せえ!」と言い、家のなかを物色し始める。この辺りまでが13分台。新たに登場したキャラクターは、一体誰なのか? 一気に関心が高まり、注目度が上がったのかもしれない。まだ慣れないのか、時に声が裏返りつつも、松野家に厳しく接する。

 銭太郎の登場で、これから物語はどう展開していくのか? ただ、視聴者の関心は、善太郎の息子と分かったところで、急速に失われたのか、注目度は午前8時14分から一気に低下していった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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