ばけばけ:夕日の宍道湖でトキとヘブンの恋がついに成就した第65回 視聴者の一喜一憂で注目度データも乱高下?

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第65回(12月日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時1分と14分の70.9%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇序盤の高い注目度はやきもきする展開だったから?

 第65回は、月照寺からの帰り、第64回の最後の場面で銀二郎(寛一郎さん)からプロポーズを受けたトキ(高石さん)がどのような結論を出すのか。イライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックスさん)とヘブン(トミー・バストウさん)の関係はどうなるのか? トキとヘブンが夫婦になることは自明のことなのだが、どのような展開で2人の恋が成就するのかが第65回の見どころだった。

 テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」は、2日ぶりに最高値が70%台に。序盤と終盤に70%台の高い注目度が続く一方で、中盤は61%台まで2度落ち込んだ。ドラマの展開に“一喜一憂”する視聴者の思いを反映したかのように、注目度も“天国”と“地獄”を行き来する激しい乱高下があった回だった。

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 序盤の“山”は、この日の最高値70.9%の午前8時1分から午前8時2分(70.5%)、午前8時3分(70.8%)と70%台が続く3分間。69.3%の午前8時4分まで、ほぼ変わらず視聴者を引き付けた。

 午前8時1分から2分は、ヘブンの自宅に移動したヘブンとイライザの様子。トキと同じスタイルで怪談を語って聞かせようとするヘブンに、イライザは日本を離れ暖かい土地に2人で移り、今度は一緒に滞在記を書かないかと誘う。

 午前8時3分から4分は、トキと銀二郎が花田旅館に戻り、しばらくするとヘブンとイライザもやって来る。銀二郎とイライザが実は隣の部屋だったという事実はわかるが、ドラマの展開的には大きな動きはない場面だ。トキとヘブンの恋の行方を注目していた視聴者にとって、そろそろ何かが起こるのでは?と、目が離せなかったに違いない。

 ◇トキの涙 注目度に大きな影響はなく

 銀二郎、イライザとそれぞれ別れたトキとヘブンは花田旅館を出て、家に帰る。たわいもない会話をしながら、2人は別れるのをためらう。それぞれ家に帰り始めるが、トキも、ヘブンも立ち止まり、相手の様子を振り返る。この午前8時5分~6分の場面は注目度が急速に下がっていく。

 ヘブンの姿が見えなくなり、橋の上に立つトキは涙を浮かべ、袖で目頭を押さえる。この辺からの午前8時7分台は注目度が反転し上昇。そんなトキとヘブンの様子を銀二郎、イライザも旅館から見ていたことも描かれる。

 67.4%で小ぶりな“山”を作った午前8時8分台は、松野家を訪れた銀二郎がトキのことを「あきらめます」と謝罪する場面。事情を知らない松野家一同から「なぜじゃ」と責められ、1人悪者になった銀二郎がかわいそうな場面だ。

 その後、再び注目度は下がり、終盤で再び70%台に再浮上する。

 銀二郎とイライザが松江を去った後、トキとヘブンは橋のたもとで鉢合わせる。午前8時10分台の途中から始まるこの場面あたりはまだ注目度は低い。

 ◇「ご一緒してええですか?」と、手をつなぐ2人で注目度上昇

 たわいもない会話をした後、2人は別れ、ヘブンは散歩に行くという。意を決したトキはヘブンを呼び止め、「私もご一緒してええですか?」と笑顔で問いかけると、ヘブンは「ハイ」と答える。この場面以降の午前8時12分で一気に約6%増え、70.2%と大きな“山”を作る。

 ただ、主題歌の「笑ったり転んだり」が流れ、出演者のテロップが表示された午前8時13分(66.4%)はやや下降。午前8時14分で浮上し、この日の最高値70.9%をもう一度記録した。夕日が美しい宍道湖畔を歩くトキとヘブンの様子に映像は切り替わる。ヘブンは恥ずかしがるトキの手を握り、2人は手をつないで、また歩き始める。最後は2人の手と手の間に映り込む美しい夕日を捉えた美しいエンディングだった。

 ちなみに、松江は晴れていても傘を忘れてはいけないと言われるほど、天気の変化が激しい場所。どんより曇った空模様になることも多く、ドラマのように宍道湖で美しい夕日を見るのは実はなかなか難しい。2人の恋を神様も祝福してくれたということかもしれない。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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